課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針、経営環境及び経営戦略等

当社グループは、先進的な情報サービス企業として、豊かな社会形成に貢献し、顧客・株主をはじめ関係する方々の信頼に応え、新しい価値の創造に努め、絶えざる成長を遂げることを企業理念としています。併せて、企業の社会的責任に関する取り組みを経営の基盤として位置づけ、積極的に推進してまいります。事業展開においては「お客様のサクセスが私たちの誇りです」をスローガンとして、お客様と共に発展することを目指しています。

この度、当社が策定しました中期経営計画(2022~2024年度)では、“Accelerate innovation JFE-SIが加速する”をキャッチフレーズに、当社の強みである商品力/技術力・人材力に更に磨きをかけ、積極的な投資を推進するとともに、以下の諸施策に取り組んでまいります。

鉄鋼業界向け事業においては、当社の最大顧客であるJFEスチール株式会社における重点プロジェクトである製鉄所システムリフレッシュに注力します。ソリューション・プロダクト事業においては、最も成長が見込めるERPと自社製ソリューションを組み合わせた「複合ソリューション」の競争力強化、及び市場競争力のある自社パッケージ(電子帳票システム、食品業界向け品質情報管理システム)の機能拡充などを通じた事業規模拡大を目指します。基盤サービス事業においては、サービス提供型事業の拡大及び一般顧客向けビジネスの強化に注力します。2021年4月に組織を立ち上げたDX事業においては、JFEグループのDX実績をもとにした、新たなビジネスの拡大を指向します。ビジネスシステム事業においては、先進的な顧客の取組みに呼応し、新技術・ノウハウの蓄積・活用を推進します。

また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、2021年度には過去最高の売上高、利益を更新し、2022年度見通しにおいても、更なる増収増益を予想しており、現時点では、当社グループにおいては大きな影響は生じないと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

株主の皆様への利益還元の充実と、お客様へのより高度なサービスにつながる新たな商品開発、事業開発投資を行うべく、事業規模の拡大と利益率の向上に取り組んでおります。経営指標としては売上高及び売上高経常利益率(ROS)に加え、自己資本利益率(ROE)による経営の効率性も重視し、これらの拡大、向上に努めてまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2022年度から2024年度までの中期経営計画を策定しました。本中期経営計画は、“Accelerate innovation  JFE-SIが加速する”をキャッチフレーズに、激しい競争・急速な環境変化が想定されるIT業界で、将来にわたって勝ち残る企業となることを目指し、以下の課題に取り組んでまいります。

① JFEスチール製鉄所システムリフレッシュへの対応

当社は、JFEスチール株式会社及び同グループ会社向けのアプリケーションシステムの開発・維持を全面的に担っております。経営課題を共有し、IT化の企画立案から参画することにより、情報化戦略を共に推進するパートナーの役割を果たしてまいります。

特に、複数年に亘る大型プロジェクトである製鉄所システムリフレッシュに関しては、2021年度に完遂したJFEスチール本社基幹システムのオープン環境への完全移行の経験・ノウハウを駆使し、円滑な推進を目指してまいります。また、本プロジェクトを通じて、JFEスチール株式会社の競争力強化に貢献するとともに、当社の技術力強化や技術者の育成につなげてまいります。

 

② ソリューション・プロダクト事業におけるビジネス拡大

ソリューション事業については、ERPとSIDEROS(シデロス)シリーズなどの自社製ソリューションを組み合わせた複合ソリューションを中心に、既存製品のクラウド化などお客様ニーズに沿った商品提供を通じて、他社との差別化、さらなる競争力強化につなげてまいります。また、BI分野に関しては、子会社である株式会社アイエイエフコンサルティングとのシナジーの拡大に加え、共創ビジネスとしてEPM(*1)、DataLake(*2)等の分野にも新たに取り組んでまいります。

自社プロダクト事業については、特色ある自社プロダクトの強化・拡販に注力することに加え、当社固有の技術をベースに新たな商品を開発し、競争力のある商品に育てていくことを通じて、特定のニーズに注力した商品の高シェア化、いわゆるニッチトップを標榜してまいります。

「食品業界向け品質情報管理ソリューション」に関しては、圧倒的な商品力を武器に拡販を進め、食品に関する商品・品質情報のNo.1プラットフォーマーとしての地位を盤石にするとともに、クラウド対応を進め、より幅広い顧客に訴求してまいります。また、電子帳票分野である「e-ドキュメントソリューション」に関しては、現下の在宅勤務の広まりや、電子帳簿保存法改正をはじめとした旺盛な顧客ニーズを捕捉すべく、こちらもクラウド対応や他社製品との連携等によるラインアップの拡充を推進してまいります。 

(*1) EPM : Enterprise Performance Management

企業の計画、予算の立案、編成から実績の収集を行い、予実分析から次のアクションへという企業のPDCAサイクルを実現する仕組みのこと。

(*2) DataLake

データの解析や活用を行うため、あらゆる情報を保管するデータ管理システムのこと。

③ 基盤サービス事業の拡大

基盤サービス事業においては、自社ブランドの拡充や新サービスの企画・開発など、サービス提供型事業の拡大に注力いたします。また、情報セキュリティに関する豊富な知見・経験を有する専門組織により、高度化するセキュリティリスクに対応してまいります。さらに、一般顧客向けのサービスを拡充することで、新たなビジネスチャンスを捕捉してまいります。

④ DX事業の本格化

当社では2021年4月にDX推進部を新設し、「最適化」「予知・予測」「UX」「コグニティブ」の4技術領域を核に、お客様の変革を共に推進する共創的パートナーとなることを目指しています。特に、当社の最大顧客であり、DX・GX(*1)の先進的な取り組みを行っているJFEスチール株式会社の各種施策の推進に寄与することで、当社のDX事業の本格化のみならず、JFEグループ全体のDX推進に貢献してまいります。

(*1) GX:グリーントランスフォーメーション

企業における温室効果ガスの排出源である化石燃料や電力の使用を、再生可能エネルギーや脱炭素ガスに転換することで、社会経済を変革させることを指す。

⑤ ビジネスシステム事業における重点顧客領域の拡大

継続してお取引いただいている大規模顧客向けのビジネスにおいては、お客様の業務内容や課題をより深く理解し、サービスレベルを向上することで、安定・継続的な取引を確保するとともに、新たな領域の受注につなげてまいります。

また、堅調なIT投資が見込まれる自動車産業向けのシステム開発をはじめ、各事業のシナジーの発現、生産性向上を目指してまいります。特に、顧客ニーズの高いローコード開発、SoE領域の拡大に向けて、人材の育成・増強に注力するとともに、提案するソリューションのラインアップの強化を図ってまいります。

 

⑥ ダイバーシティ・サステナビリティ経営の推進

当社は、性別・年齢・国籍に関わらず、社員一人ひとりが持てる力を最大限に発揮し活躍できる環境づくり(ダイバーシティ)を極めて重要な経営課題のひとつと認識し、社員の意識改革と意欲促進に取り組み、Diversity, Equity & Inclusionの実現を目指してまいります。特に、女性活躍に関しては、2030年度までに女性役員・管理職(部長・課長級)比率12%(2021年度5.7%から倍増)の目標を達成すべく、女性役員・管理職育成に向けた戦略的配置・登用を推進してまいります。

また、サステナビリティに関しては、2021年12月に制定したサステナビリティ基本方針に沿って、各種施策を着実に推進してまいります。

⑦ 持続的成長に向けた人材の確保と投資の実行

人材の確保については、人材の獲得競争が激しくなる中、採用力の強化とオフショア開発を含めたソフトウェアベンダーとの連携拡大等により、必要な人材を確保してまいります。

投資の実行については、事業開発、商品開発、商品改良など事業拡大に向けた取り組みや、当社ビジネスとの相乗効果が見込める企業とのM&Aや事業提携などに重点的に投資してまいります。今中期経営計画期間(3か年)の合計で、直近の年間利益額の3倍に相当する150億円規模の投資を計画しています。

⑧ 不採算案件の発生防止

収益に多大な影響を及ぼす不採算案件の発生防止に向けて、受注可否判断、プロジェクト編成、開発進捗管理など、すべての局面においてチェックを強化する仕組みを構築するとともに、顧客との契約条件に関しても、モデル契約書の整備・活用を進めるなど、チェックの強化を図っております。

 

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