当企業集団は、国際会計基準(IFRS)を適用しております。
また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用しており、双方で連結経営成績を開示しております。
当連結会計年度において、当企業集団(当社及び当社の関係会社)が営む事業の内容について、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容からの重要な変更は、以下の通りであります。
当企業集団は日本ペット少額短期保険株式会社(以下「日本ペット少額短期保険社」)の連結子会社化に伴い、「保険事業」を報告セグメントに追加することといたしました。その結果、当連結会計年度より「IT/AI/IoT/DX事業」、「カスタマーサポート事業」、「人材・教育事業」、「EC事業」、「保険事業」、「投資・インキュベーション事業」の6つの報告セグメントに区分しております。
また、当社は、当連結会計年度において、不採算事業の整理のため連結子会社である株式会社スカラワークスを解散及び清算することを決議し、同社の事業について非継続事業に分類しました。これに伴い、売上収益、営業利益、税引前利益は、非継続事業を除いた継続事業の数値を記載しております。前連結会計年度につきましても、同様に組み替えております。
(1) 当期(2022年6月期)の経営成績
① IFRSに基づく経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染症に対するワクチン接種の普及により、緩やかな景気回復を背景に投資再開の広がりによる経済活動正常化の動きも見られましたが、新たな変異株による急速な感染拡大を受け、未だ収束の見通せない状況が続いております。また、2月下旬以降のウクライナ情勢の国内外への影響、世界的な半導体不足、エネルギー関連を中心とする世界的な物価上昇等により、国内においても景気の先行きが不透明な状況が継続しております。
このような事業環境のもと、当企業集団は、2019年8月の中期経営計画で掲げた「クライアントとともに社会問題をビジネスで解決する、価値共創企業」への展開を目指し、国内の民間・地方自治体との「共創」の形で新規サービスの創出及び拡大への取り組み並びに既存ビジネスの強化に努めるとともに、M&Aに積極的に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上収益は10,015百万円(前期比15.0%増)となりました。これはカスタマーサポート事業で大幅な減収となったものの、M&AによりIT/AI/IoT/DX事業での増収や保険事業が新たに当企業集団に加わったこと及びEC事業が引き続き好調に推移したことによるものです。
利益につきましては、営業損失は393百万円(前期は413百万円の営業利益)となりました。これは主に、EC事業での大幅な増益があったものの、IT/AI/IoT/DX事業にて新たな事業開発につながる共創案件の共同開発等の積極的な投資を継続していることによる一時的な減益及び投資・インキュベーション事業での各種アドバイザリー費用、成長に向けての開発や人件費等の先行費用の増加や投資事業有価証券評価損の計上によるものです。また、IT/AI/IoT/DX事業及び人材・教育事業においては、一部の連結子会社において当初の収益計画ほどの成長が見込めず再評価したことにより、のれん減損損失357百万円を計上しております。金融費用においては期中借入平均残高が減少して推移したことにより支払利息が減少しましたが、税引前損失は411百万円(前期は381百万円の利益)となり、非継続事業からの当期損失を152百万円計上したことで、当期損失は526百万円(前期は3,225百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期損失は523百万円(前期は3,065百万円の利益)となりました。
(国際会計基準(IFRS)ベース) (%表示は対前年同期増減率)
|
売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
当期利益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|||||
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
2022年6月期 |
10,015 |
15.0 |
△393 |
- |
△411 |
- |
△526 |
- |
△523 |
- |
2021年6月期 |
8,712 |
- |
413 |
- |
381 |
- |
3,225 |
428.8 |
3,065 |
854.4 |
② Non-GAAP指標に基づく経営成績
Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。
Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当企業集団の恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。
なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当企業集団が判断する一過性の利益や損失のことです。
Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
営業利益以下の各項目において投資事業有価証券にかかる損益を控除し、当期利益以下の各項目において非継続事業からの当期利益を控除調整しております。
前連結会計年度のNon-GAAP指標においては、上記の他、当社連結子会社であったソフトブレーン株式会社の普通株式の譲渡に伴う費用(財務アドバイザリー及び弁護士等の業務費用)及び子会社の移転に伴う費用(有形固定資産の除却費用等)61百万円を控除しております。
当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、上記の他、M&Aに伴う費用、子会社の移転に伴う費用及びのれん減損損失等424百万円を控除しております。
(Non-GAAPベース) (%表示は対前年同期増減率)
|
売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
当期利益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|||||
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
2022年6月期 |
10,015 |
15.0 |
99 |
△78.9 |
81 |
△81.6 |
41 |
△89.3 |
44 |
△88.5 |
2021年6月期 |
8,712 |
- |
471 |
- |
440 |
- |
383 |
- |
387 |
- |
各セグメントの業績については以下の通りです。
なお、売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。
(ⅰ) IT/AI/IoT/DX事業
当事業におきまして、主に㈱スカラコミュニケーションズ、㈱スカラネクスト、新たに子会社化した㈱エッグにおきましては、大手企業、地方自治体、政府、官公庁のDX推進に向けた新規サービスの企画、システム開発をはじめ、既存SaaS/ASサービスの提案、導入支援、提供、改善を推進しております。
主なプロジェクトとしては、㈱シノケングループの不動産テック子会社である㈱REaaS Technologiesに当事者型署名方式と立会人型署名方式が選択できるハイブリッド型の不動産売買電子契約プラットフォーム「トラストDX」をリリースいたしました。不動産売買の電子契約において、マイナンバーカードと連携したデジタルIDアプリ(xID)を使用し、個人認証を完了させる仕組みは業界初となります。
また、大手製薬会社、大手損保会社との共創プロジェクトとして、「スマートヘルスケアプラットフォーム」の構築を目的とした協業を開始し、その第一歩として企業の健康経営をサポートするヘルスケアサービスの開発が進行しております。その他、畜産DXとして取り組んでいる「U-メディカルサポート」は、遠隔診療に関連する機能開発が決まっており、更なる高度化を目指しております。乳牛ゲノム検査結果データ活用アプリ「EGゲノム(仮称)」においても開発が佳境となっており、リリースに向けて最終段階を迎えております。
また、当連結会計年度に買収した㈱エッグにおいて、地方自治体からのふるさと納税業務システムの開発、提供、BPO業務の受託が堅調となっております。更には、自治体向けに提供しているフレイル(※)早期発見システム「ASTERⅡ」啓発版を使用した高齢者へのフレイル度チェックの実証実験を福島県本宮市と開始いたしました。厚生労働省が保健事業と介護予防の一体的実施でも訴えていることからも分かるように「フレイルの予防と対策」は、高齢者の健康寿命延伸と介護予防において重要な焦点となっており、高齢者一人一人のフレイル状態と、地域全体でのフレイル傾向を理解した上で、適切なアプローチをする必要があります。まずはASTERⅡ啓発版で、地域住民のフレイル状態を数値化して、自治体、地域ごとの状態を把握することを提案しております。フレイル早期発見システムはその他数十の自治体への提供に向けて、検討が進んでおります。
※フレイル:日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指しますが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があります。
㈱コネクトエージェンシーでは、ソフトフォンサービスのラインナップ拡充、及び既存顧客に対するリテンション活動に取り組んでまいりました。ラインナップに加わった音声認識を持つコールセンター向けソリューションを筆頭に新規の引き合いも増加しており、現在7社に対して提案を進めております。
以上の結果、売上収益は4,875百万円(前期比17.6%増)となりました。利益につきましては、252百万円ののれん減損損失を計上したため、全社費用配賦前セグメント利益は831百万円(同20.2%減)、全社費用配賦後セグメント利益は236百万円(同68.8%減)となりました。
なお、のれん減損損失を調整したNon-GAAP指標では、全社費用配賦前セグメント利益は1,084百万円(前期比4.0%増)、全社費用配賦後セグメント利益は488百万円(同35.4%減)となりました。
(ⅱ) カスタマーサポート事業
当事業におきましては、コロナ禍で継続していたコールセンターニーズの減少傾向も改善が見られ、新たに複数のコールセンター案件の引き合いがあり、2023年6月期より業務スタートとなる案件の獲得が推捗しております。引き続き、新規案件の開拓に努めるとともに、運営する沖縄コールセンターへの案件の移管によるコスト改善や、RPAを活用した各種BPO業務の効率化等により、利益率の改善に取り組んでまいります。
以上の結果、売上収益は1,357百万円(前期比26.1%減)となり、全社費用配賦前セグメント損失は28百万円(前期は32百万円のセグメント利益)、全社費用配賦後セグメント損失は31百万円(前期は12百万円のセグメント損失)となりました。
(ⅲ) 人材・教育事業
当事業におきましては、主に(1)体育会学生や女子学生に特化した新卒採用支援及び合同説明会やキャリアセミナー等のイベントの企画・運営を行う新卒採用支援サービス、(2)保育園『みんなのほいくえん』、インターナショナル幼保園『Universal Kids』、国際感覚を養う学童『UK Academy』、放課後等デイサービス『ラルゴKIDS』等の保育・教育サービス、(3)子ども向けスポーツ教室、スポーツイベントの企画・運営及びオンラインによるスポーツ教育サービス等から構成されております。
新卒採用支援サービスにおいては、2022年大卒求人倍率がコロナ禍でも前年とほぼ変わらず底堅い状況にあり、大企業を中心に採用意欲が回復していたことから、新卒学生向けの支援体制の強化及びサービス提供に注力してまいりました。また、アフターコロナを見据えた企業においては、2023年大卒向けの採用活動に向けた活発な動きもあり、合同説明会等のイベントの開催を積極的に実施してまいりました。
保育・教育サービスにおいては、学童『UK Academy』の児童確保に力を入れるとともに、保育園等においては、イベントを開催する等により、保護者及び幼児たちがコロナ禍でも楽しめる施策を推進する他、タイ王国における事業展開を推進してまいりました。
スポーツ教育サービスにおいては、従前から継続してきた各種スポーツ教室の運営等の他、プロバスケットボールチーム「さいたまブロンコス」の運営、国や自治体と連携したスポーツ行政関連事業の検討等を推進してまいりました。
以上の結果、売上収益は1,468百万円(前期比10.2%増)、利益につきましては105百万円ののれん減損損失を計上したため、全社費用配賦前セグメント利益は112百万円(同20.6%減)、全社費用配賦後セグメント利益は61百万円(同472.4%増)となりました。
なお、子会社の移転に伴う費用及びのれん減損損失を調整したNon-GAAP指標では、全社費用配賦前セグメント利益は227百万円(前期比31.6%増)、全社費用配賦後セグメント利益は176百万円(前期比317.3%増)となりました。
(ⅳ) EC事業
当事業におきましては、トレーディングカードゲーム(TCG)の買取と販売の機能及び攻略情報サイトの機能を備えたリユースECサイトを運営しております。コロナ禍におけるオンライン売買ニーズが継続する中、SEOをはじめとしたデジタルマーケティングへの取り組みが功を奏しており、売上収益、利益ともに前年を大幅に上回る水準で推移しております。また、前期末にリリースしたiOSアプリは順調にユーザー数を伸ばしており、続けてAndroidアプリも開発中です。加えて快適な購買体験、買取体験を追求するために、ウェブサイトの表示スピード、処理スピードを格段に速めることのできるパブリッククラウドサーバーへの切替が完了いたしました。また、強固なセキュリティを完備したパスワードレスログインソリューションを開発中です。当該ソリューションを導入することでパスワード失念等によるパスワード再発行が大幅に減少することとなり、UI/UXが向上します。今後も最新のテクノロジーの導入検討を積極的に推進し、快適なUI/UXの追求を継続してまいります。
以上の結果、売上収益は1,654百万円(前期比26.1%増)、全社費用配賦前セグメント利益は281百万円(同40.4%増)、全社費用配賦後セグメント利益は239百万円(同47.0%増)となりました。
(ⅴ) 保険事業
2022年4月26日に日本ペット少額短期保険社を子会社化したことにより、同日より連結を開始しております。当事業におきましては、主に、同社が展開するペット保険「いぬとねこの保険」の運営をしております。
ペット保険を含むペット関連産業は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う巣ごもり需要やリモートワークの定着化により引き続き大きな成長が見込まれており、また、特徴ある商品設計により、契約件数が順調に推移するとともに保険収益も増加しております。一方で、支払保険金については、ペットの病気やケガによる医療機関への受診回数の増加や医療費の高騰等により増加傾向にあるため、保険契約数の増加及び業務効率化等によるコスト削減に取り組んでいく方針です。
以上の結果、売上収益は452百万円、セグメント損失は28百万円となりました。
(ⅵ) 投資・インキュベーション事業
当事業におきましては、㈱スカラによる事業投資、㈱ソーシャル・エックスによる地方自治体と民間企業とが連携した官民共創の新たなサービスの構築・推進、ジェイ・フェニックス・リサーチ㈱による投資先発掘から投資実行や企業価値創造に向けたエンゲージメント、㈱スカラパートナーズによる新規事業開発、ワーケーションを通じた企業の働き方改革推進や地方創生、合同会社SCLキャピタルが運営する、価値共創エンゲージメントファンドのSCSV1号投資事業有限責任組合での投資及びその投資に関連するバリューアップ等を行っております。
㈱ソーシャル・エックスでは、「逆プロポ」の各種サービスを通じて官民共創による社会課題解決型の新規事業を創出しております。代表の2名が「ARCH」(森ビル㈱が運営するインキュベーションセンター)に参画する100社超の新規事業開発部門のメンターを務めており、官民共創の知見や地方自治体とのリレーションを活かした共創を進めております。また、経済産業省が公募した「令和4年度地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業」の事務局を受託しており、社会課題を解決する19のプロジェクトに対し、㈱ソーシャル・エックスの理念に賛同する多士済々で多様なバックグラウンドを有する10名のコンサルタントとともにプロジェクトをサポートしてまいります。
「逆プロポ」の更なる展開のために、官民共創/公民連携において困りごとを抱える自治体に向けた相談サービス「逆プロポ・コンシェルジュ」、官民共創による社会課題解決型新規事業を開発する上でのコツ、ノウハウを学べる企業向け研修プログラム「逆プロポ・Learning」企業と自治体をつなぐオープンイノベーションプログラムにより、自治体の抱える社会課題や隠れた魅力と企業の強みをその場で掛け合わせ、新規事業のアイデア創出及び実証実験へとスピーディーに繋げる「逆プロポ・ツアー」を新たにリリースいたしました。
㈱スカラパートナーズでは、ワーケーション施設紹介サイトKomforta Workationの運営を通じ、アフターコロナ時代に適した「場所にとらわれない新しい働き方」の提案や、大学機関との連携によるフレックスプレイス研究会の立ち上げ及びワーケーション実施効果の検証、小中学生の学びの選択肢拡大に向けた体験型親子ワーケーションの開発等に取り組んでおります。
また、三井住友海上火災保険㈱と、新たな働き方における保険商材の開発及び企業の働き方改革推進を目的とした包括連携協定を締結し、企業サポートの充実や移動に伴うリスクの軽減について検討を開始する等、他事業者や自治体との共創に積極的に取り組むことで更なるサービスの強化を推進しております。
価値共創エンゲージメントファンドである SCSV1号投資事業有限責任組合においては、投資先に対して、中期経営計画の策定等を含むIR支援やデジタルトランスフォーメーションを推進する等のバリューアップに取り組んでおります。しかしながら、コロナ禍やウクライナ情勢等、世界情勢の悪化により、株式市場の全体が不安定化しており、バリューアップの効果は一時的となっております。
また当社は、M&Aを活用した事業拡大を成長戦略の一つとして注力しており、引き続き積極的に案件のソーシング、デューディリジェンスを行っております。加えて、これまでのM&Aの経験とグループにおけるDXのノウハウを掛け合わせ、仲介ではなくM&Aのアドバイザーとして、グループの共創の考え方に基づいた「共創型M&Aアドバイザリー事業」を開始しております。更に、M&Aを成長戦略としている一方で人材やノウハウの不足により、思うようにM&Aを実行できていない企業に対して、当社のM&Aに関する一連の実績を活かし発展させた、実務支援型M&A推進サービス「特命M&A部」を開始しております。
以上の結果、売上収益は206百万円(前期比143.7%増)となりました。利益面に関しましては、㈱スカラによる事業投資に伴う各種アドバイザリー費用、成長に向けての開発や人件費等の先行費用の増加、SCSV1号投資事業有限責任組合における投資先上場企業の株価の低下等により、全社費用配賦前セグメント損失は478百万円(前期は153百万円のセグメント損失)、全社費用配賦後セグメント損失は866百万円(前期は387百万円のセグメント損失)となりました。これらの損失は成長に向けた次のステージへと展開するための先行投資によるものであり、一過性のものと考えております。
なお、M&Aに伴う費用及び子会社の移転に伴う費用等を調整したNon-GAAP指標では、全社費用配賦前セグメント損失は353百万円(前期は138百万円のセグメント損失)、全社費用配賦後セグメント損失は741百万円(前期は373百万円のセグメント損失)となりました。
(2) 当期の財政状態の分析
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ486百万円増加し、20,816百万円となりました。その主な要因は、子会社株式取得による現金及び現金同等物の減少1,325百万円及び減損損失計上によるのれん減少476百万円があったものの、日本ペット少額短期保険社を子会社化したことによる再保険資産の増加363百万円、M&Aによるのれん及び無形資産の増加1,914百万円及び投資事業有価証券の増加263百万円等によるものであります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,951百万円増加し、11,810百万円となりました。その主な要因は、日本ペット少額短期保険社を子会社化したことによる保険契約負債の増加644百万円、営業債務及びその他の債務の増加250百万円、M&A等を目的とした金融機関からの資金調達による非流動負債の社債及び借入金の増加1,025百万円等によるものであります。
(資本)
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ1,464百万円減少し、9,006百万円となりました。その主な要因は、譲渡制限付株式報酬による新株発行及び新株予約権の行使等による資本金の増加28百万円、資本剰余金の増加30百万円があったものの、評価額が減少したことによるその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の減少200百万円、自己株式の取得による減少174百万円、また、親会社の所有者に帰属する当期損失523百万円の計上及び配当による利益剰余金の減少634百万円によるものであります。
(3) 当期のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ184百万円減少し、9,625百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,048百万円の流入(前期は720百万円の流入)となりました。この主な要因は、税引前損失411百万円、非継続事業からの税引前損失136百万円(前期は381百万円の税引前利益、ソフトブレーン株式売却益等により、2,662百万円の非継続事業からの税引前利益)、減損損失476百万円の他、減価償却費及び償却費684百万円(ソフトブレーン株式売却による連結除外により、前期比298百万円の減少)、法人所得税の還付額1,229百万円(前期は法人所得税の支払額△1,746百万円)等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,893百万円の流出(前期は4,429百万円の流入)となりました。この主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△1,325百万円(前期比1,260百万円の支出増加)、投資有価証券の取得による支出△392百万円(前期比159百万円の支出増加)の他、無形資産の取得による支出△60百万円(ソフトブレーン株式売却による連結除外により、前期比572百万円の支出減少)等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、339百万円の流出(前期は3,160百万円の流出)となりました。この主な要因は、増配により配当金の支払額△633百万円(前期比109百万円の支出増加)となった一方で、M&A等を目的とした資金調達により新規の借入金が約定弁済額を超過したことによる資金の増加914百万円(前期は約定弁済やソフトブレーン株式売却に伴う繰上弁済により2,137百万円の資金の減少。「短期借入金の純増減額」、「長期借入れによる収入」、「長期借入金の返済による支出」、「社債の発行による収入」、「社債の償還による支出」の合計)等によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ⅱ) 受注実績
当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
IT/AI/IoT/DX事業 |
4,875,982 |
117.6 |
カスタマーサポート事業 |
1,357,543 |
73.9 |
人材・教育事業 |
1,468,256 |
110.2 |
EC事業 |
1,654,561 |
126.1 |
保険事業 |
452,463 |
- |
投資・インキュベーション事業 |
206,711 |
243.7 |
合計 |
10,015,519 |
115.0 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.本表には非継続事業からの実績は含んでおりません。
3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下の通りです。
なお、当連結会計年度のSOMPOホールディングス㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
SOMPOホールディングス㈱ |
1,001,750 |
11.5 |
- |
- |
(5) 重要な会計方針及び当該見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業集団は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載の通りであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当企業集団の主な資金需要は、中期経営計画で掲げた「クライアントとともに社会問題をビジネスで解決する、価値共創企業」への展開を実現するために必要となる、M&A・資本業務提携、新規事業開発、優秀な人材採用、マーケティング費用等の戦略投資資金の他、運転資金、借入金の返済及び支払利息等があります。
運転資金については自己資金の活用により賄い、戦略投資資金については、自己資金に加え、金融機関からの借り入れや社債発行等により調達を行うこととしております。資金調達については、多様な資金調達手段から、調達時の状況に応じて最適な手段を選択し、安定的な資金の確保、資本コストの最適化に努めてまいります。なお、当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行1行と2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、当該契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は500百万円であります。
2022年6月30日現在の契約債務の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.金融商品(4)流動性リスク管理」に記載の通りであります。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当企業集団の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
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