(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して565百万円増加の5,661百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比較して520百万円増加の3,244百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金274百万円、商品及び製品92百万円、仕掛品114百万円、原材料及び貯蔵品113百万円の各増加によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して44百万円増加の2,417百万円となりました。主な変動要因は、土地の売却などによる有形固定資産の減少137百万円、金融商品の購入、繰延税金資産の計上などによる投資その他の資産合計の増加191百万円によるものであります。
負債合計は 前連結会計年度末と比較して340百万円増加の1,344百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比較して332百万円増加の879百万円となりました。主な変動要因は買掛金の増加76百万円、未払金の増加71百万円、未払法人税等の増加171百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比較して8百万円増加の464百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末と比較して225百万円増加の4,317百万円となりました。主な変動要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加393百万円、配当金の支払による減少191百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の80.3%から76.3%となりました。1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の512.18円から537.31円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気に持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による厳しい状況が残り、一部に弱さがみられる中で推移しました。2022年に入り、国内一部の都道府県でのまん延防止等重点措置の実施及び延長、ウクライナ情勢などによる不透明感がみられる中で、個人消費や企業の業況判断は持ち直しの動きに足踏みがみられるなど、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び地政学リスクによる国内外の動向に引き続き留意が必要な状況です。
美容業界におきましては、消費者の化粧品の購入先としてコロナ禍でショッピングモールや百貨店などでの対面販売に代わりECサイト(ECモール・ブランドサイト)での購入機会が増加しております。一方で理美容市場におきましては、サロン※注1からの専門的な知識によって提案されるサロン専売商品に対するニーズが高まっており「店販の価値」が再認識されているため、店販売上は引き続き前年を上回って推移しております。当社グループ商品を販売するアジュバンサロン※注2においても同様の影響がありました。
売上高につきましては、営業活動に制限があるなか、オンラインを活用する等、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に十分注意しながら営業活動を推進した結果、当連結会計年度の売上高は4,427百万円(前期比9.4%減)となりました。詳細は区分別売上高の概要をご参照ください。なお、アジュバンサロン登録軒数につきましては、当連結会計年度末で9,039軒(前期末比643軒増)、実稼働軒数は、7,937軒(前年同期比382軒増)となりました。
利益面におきましては、持株会社化に伴う経費の発生がありましたが、売上総利益率の改善及び連結子会社除外に伴う人件費等の管理費の減少により、営業利益390百万円(前年同期比33.3%増)、経常利益401百万円(前年同期比23.1%増)となりました。また、土地の売却による特別利益40百万円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は393百万円(前年同期比176.1%増)となりました。
なお、当社は経営管理体制を再構築するため、2021年9月21日付で持株会社体制へ移行いたしました。
区分別売上高は、売上割戻金を含めて次のとおりであります。
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
(%) |
|
スキンケア |
1,567 |
32.1 |
1,748 |
39.5 |
181 |
11.5 |
ヘアケア |
2,725 |
55.8 |
2,933 |
66.3 |
208 |
7.6 |
その他 |
923 |
18.9 |
97 |
2.2 |
△825 |
△89.4 |
売上割戻金 |
△331 |
△6.8 |
△353 |
△8.0 |
△21 |
- |
合計 |
4,885 |
100.0 |
4,427 |
100.0 |
△458 |
△9.4 |
(注)1.ADJUVANT HONG KONG COMPANY LIMITED(連結子会社)、株式会社2C(連結子会社)の売上高は、「その他」に含んでおります。なお、前連結会計年度の「その他」には、2021年3月1日付で連結除外したエクシードシステム株式会社の売上高が含まれております。
2.売上割戻金は、商品ごとではなく売上高の合計を基準として割戻率を設定しているため、区分ごとに配賦せず合計額で表示しております。
国内海外別売上高は、次のとおりであります。
区分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率 |
||
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
(%) |
|
国内売上高 |
4,686 |
95.9 |
4,227 |
95.5 |
△458 |
△9.8 |
海外売上高 |
199 |
4.1 |
199 |
4.5 |
△0 |
△0.2 |
合計 |
4,885 |
100.0 |
4,427 |
100.0 |
△458 |
△9.4 |
当社グループは、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしておりませんが、区分別売上高の概要は以下のとおりであります。
(スキンケア)
スキンケア商品の売上高は、「AE Rich」シリーズの限定商品の売上が好調であることに加えて、第2四半期からのキャンペーン等の販促活動の効果が続いたこともあり、前期を上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,748百万円(前期比11.5%増)となりました。
(ヘアケア)
ヘアケア商品の売上高は、前期投入した「KASUI(カスイ)」※注3の発売開始から1年が経過しましたが、引き続き好調に推移しており、前期を上回る結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,933百万円(前期比7.6%増)となりました。
(その他)
ADJUVANT HONG KONG COMPANY LIMITED(連結子会社)の海外売上高は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が続いておりますが、徐々に回復基調にあります。
2021年4月に設立した株式会社2C(連結子会社)におきましては、「強く、美しく、生きる。」をブランドコンセプトとした育毛剤「NUOSS(ヌオス)」※注4シリーズをECサイト(https://nuoss-tech.com/)にて2021年10月5日より発売し、楽天市場やAmazonでのオンライン販売も開始しております。当連結会計年度における影響は軽微ですが、今後積極的に販促活動を展開する予定となっております。
なお、前連結会計年度の「その他」には、2021年3月1日付で連結除外したエクシードシステム株式会社の売上高が含まれております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は97百万円(前期比89.4%減)となりました。
※注1「サロン」
理美容室・エステティックサロン・ネイルサロン・アイラッシュサロン・美容クリニック等を指します。
※注2「アジュバンサロン」
初回に100千円以上の仕入を行い、当社グループが指導する商品の案内方法等を定めたアジュバンサロン契約を締結したサロンを指します。
※注3「KASUI(カスイ)」
国立研究開発法人理化学研究所との共同研究により機能性成分を見出し、その後当社グループにて処方した新ヘアケアブランドであります。
※注4「NUOSS(ヌオス)」
国立研究開発法人理化学研究所との共同研究により機能性成分を見出し、その後当社グループにて処方した新ヘアケアブランドであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は営業活動及び土地の売却で獲得した資金を主に配当金の支払等で使用した結果、前連結会計年度末に比べて274百万円増加し、当連結会計年度末残高は1,744百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は417百万円(前期比14百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益439百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は24百万円(前期は235百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入154百万円、余資運用による金融商品の購入による支出100百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は179百万円(前期比10百万円増)となりました。これは主にストック・オプションによる株式の発行による収入21百万円、配当金の支払額191百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、化粧品の商品企画、研究開発、販売及びこれに附帯するサービス業務を営む単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループは、「生産及び受注」の販売形態をとっておりませんので、該当する事項はありません。
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績を区分別に示すと次のとおりであります。
区 分 |
当連結会計年度 (自 2021年3月21日 至 2022年3月20日) |
前年同期比(%) |
スキンケア (千円) |
434,767 |
132.2% |
ヘアケア (千円) |
971,711 |
102.4% |
原料・資材 (千円) |
350,713 |
340.9% |
その他 (千円) |
185,536 |
28.7% |
合 計 (千円) |
1,942,729 |
95.8% |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、区分を従来の「スキンケア」「ヘアケア」「その他」の3区分から、「スキンケア」「ヘアケア」「原料・資材」「その他」4区分に変更しております。対前年度比増減率は変更後の区分に基づき算定しております。
b.販売実績
当連結会計年度における販売実績を区分別に示すと次のとおりであります。
区 分 |
当連結会計年度 (自 2021年3月21日 至 2022年3月20日) |
前年同期比(%) |
スキンケア (千円) |
1,748,865 |
111.5 |
ヘアケア (千円) |
2,933,734 |
107.6 |
その他 (千円) |
97,849 |
10.6 |
売上割戻金 (千円) |
△353,386 |
106.6 |
合 計 (千円) |
4,427,063 |
90.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.売上割戻金は、商品ごとではなく売上高の合計を基準として割戻率を設定しているため、区分ごとに配賦せず合計額で表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度における財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
2)経営成績の分析
当社グループは、営業方針を「年間販促計画の策定と実行」「カウンセリングの知識・技術の習得」「アフターフォローの習慣化」「顧客分析の徹底」として掲げ、高品質で安心・安全な化粧品の提供、アジュバンサロンの経営支援に取り組んでまいりました。
以上の結果、経営成績は次のとおりであります。
(売上高、売上総利益)
売上高は、前連結会計年度と比較して458百万円減収の4,427百万円(前期比9.4%減)となりました。区分別における売上高(売上割戻金を含む)は、スキンケアが181百万円増収の1,748百万円、ヘアケアが208百万円増収の2,933百万円、その他が825百万円減収の97百万円となりました。
この結果、売上総利益は前連結会計年度と比較して55百万円減益の2,941百万円(前期比1.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して153百万円減少の2,551百万円(前期比5.7%減)となりました。これは、人件費、旅費交通費等の減少、サロン様向けの全国イベント開催の延期による販売促進費の減少が主な要因であります。
この結果、営業利益は390百万円(前期比33.3%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度の32百万円の収益(純額)から、10百万円の収益(純額)に減少しました。主な変動要因は、前連結会計年度の助成金収入の計上及び当連結会計年度の解約違約金の計上によるものであります。
この結果、経常利益は401百万円(前期比23.1%増)となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度の144百万円の損失(純額)から、38百万円の利益(純額)となりました。主な変動要因は、前連結会計年度の投資有価証券評価損及び減損損失の計上及び当連結会計年度の固定資産売却益によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は439百万円(前期比142.1%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益393百万円(前期比176.1%増)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
c.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備投資需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、当社グループの商品仕入れのほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。また、設備投資につきましては、主に、研究設備の取得に伴う固定資産購入によるものであります。
当社グループは、今後の研究開発や設備投資、営業体制の強化等に備え、必要となる資金を柔軟かつ機動的に対応できるように留意しております。したがって、一時的な余資は主に流動性、安全性の高い金融商品で運用し、投機やトレーディングを目的とした運用は行わない方針であります。
一方で、資金の調達については、各部署からの報告に基づき財務部が適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により投資等の規模、目的、時期等を踏まえ、資本市場や金融機関からの調達を検討することとしております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高はありません。現金及び現金同等物の残高は、1,744百万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
(目標とする経営指標の達成状況について)
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定いたしました。まずはこの3カ年において、プライム市場基準充足に向け企業価値向上に取り組んでまいります。
当連結会計年度の連結売上高及び連結営業利益率の当初計画は、それぞれ4,517百万円、2.8%を達成する計画でしたが、「a.経営成績等 2)経営成績の分析」に記載のとおり、連結売上高4,427百万円(当初計画比1.9%減)、連結営業利益率8.8%(当初計画比6.0ポイント増)となりました。
次期につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大及び地政学リスクの影響により、先行き不透明な状況であることから、サロン経営にとっても厳しい環境が続くと予想されます。
次期売上高につきましては、理美容専売事業において新しくスキンケア3ライン、ヘアケア1ラインのリニューアルを行い、スキンケア、ヘアケアの伸長に努めてまいります。また、EC事業は、2023年3月期より実質の初年度として本格稼働いたします。
販売管理費につきましては、上記新商品のプロモーション費用、EC広告費用、新規採用に伴う人件費、研究開発費等の費用が増加する計画となっております。
なお、保有する投資有価証券の譲渡に伴い、投資有価証券売却益263百万円を特別利益として計上いたします。
以上の結果、連結売上高5,405百万円(当期比22.1%増)、連結営業利益248百万円(当期比36.2%減)、連結経常利益259百万円(当期比35.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益331百万円(当期比15.7%減)を計画しております。
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