課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社は「モノ創りで、笑顔を繋ぐ。」を経営ビジョンとして、変容する働き方やライフスタイルの中で頑張る方々を応援し、笑顔で幸せな生活を楽しんでいただくための商品を創出するメーカーとして、常にお客様の立場に立って、興味・共感を得られる実感値の高いモノ創りに挑戦し続けてまいります。

コロナ禍における新しい生活様式に関連した消費行動の変容を中心に、当社の強みである企画・開発力、プロモーション力を活かし、多様化する消費者ニーズを捉えた高付加価値で競争力の高い商品の開発に取り組んでおり、主力ブランドにおきましては新商品投入や既存商品のリニューアル、商品ラインナップの拡充に向けた取り組みを進めております。

当社は、ESGやSDGsへの取り組みも重視しており、途上国の産業基盤の確立に資する化粧品の企画・販売を行うフィール・ピースプロジェクト、詰め替え用商品の投入やパッケージ仕様変更による廃棄プラスチックの削減、返品等の廃棄対象商品を単純焼却ゼロ・埋め立て処分ゼロでリサイクルを行うゼロエミッション達成に向けた取り組みなどを継続して推進しているなど、事業を通じて社会課題の解決に貢献し、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、中長期かつ持続的な成長を実現するため、収益力の維持及び向上を経営目標としており、売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けて、経営課題に取り組んでおります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後のわが国の経済の見通しにつきましては、新型コロナウィルス感染症の影響による経済活動の停滞からは一部で持ち直しの動きが見られますが、新たな変異株による感染再拡大の影響もあり、また、地政学的リスクの上昇により端を発した原材料価格の高騰、為替相場の円安進行等、依然として先行きは不透明な状態が続いております。

当社が属する健康食品、化粧品、日用雑貨及び医薬品業界におきましては、少子高齢化やセルフメディケーションの進展に伴い、中高年齢層を中心に健康への関心が高まりを見せるなか、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、幅広い年代で健康維持・増進や衛生への意識は更に高まりを見せております。また、在宅勤務の広がりによる生活行動の変化、女性の社会進出や働き方、ライフスタイル、消費者の購買行動が大きく変わり市場構造の変化が進む中で、多種多様な業界の企業が参入しております。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響拡大によるインバウンド需要の大幅減少、外出自粛等によるサプリメントや化粧品などの需要落ち込みが長期化している状況に加えて、原材料価格や物流費の高騰、為替相場の変動の影響もあり、より厳しい経営環境が続くものと考えております。

このような状況下において、今後も高品質・高付加価値な商品を継続的に開発し、市場へ投入できる体制を整え、より一層の業容拡大を推進していくためには、様々な課題に対処していくことが必要であり、以下の項目を今後の事業展開における優先的に対処すべき課題として認識しております。

 

① 収益基盤の維持・向上

 当社は経営ビジョンである「モノ創りで、笑顔を繋ぐ。」という想いのもと、「本当に求められている物」とは何かを、常に消費者の立場で考え、独自性のある商品力で高付加価値、そして人々を楽しく幸せにできる商品づくりに取り組んでおり、企画製造販売のファブレスメーカーとしてアイデアや企画力を武器に収益基盤を構築してまいりました。

当事業年度においてもハウスホールド(日用雑貨)カテゴリーで好調の「オキシクリーン」、ビューティケアカテゴリーのフェムテック商品である「よもぎ温座パット」を中心とした重点ブランドの強化と高付加価値商品の開発及びプロモーション強化に注力いたしました。ブランド認知拡大やリピーターの増加に加え、ドラッグストアやホームセンターだけでなくスーパーマーケット、GMSへの導入店舗拡大により好調に推移しております。販売面においても積極的な店頭販売活動を展開し、店頭での販売促進、SNS・広告などを活用した販促活動を強化し、ブランド認知率向上を図るとともに、既存取引先との関係強化に注力してまいりました。

 このような環境のなかで、中長期かつ持続的な成長を実現するためには、収益基盤の維持と向上が重要な課題であると認識しております。
 既存事業においては、引き続き取引先との連携をより強化することで、事業の活性化と収益獲得機会の確実な取り込みを行います。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響下での日用品需要の高まりで販売が好調に推移している「オキシクリーン」では米国Church & Dwight Co., Inc.と日本用のオリジナル新商品の開発を進めており、日本での販売活動における中長期的な関係強化を図って行くと共に、新たな日用雑貨品の投下により収益拡大を進めてまいります。一方、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けているヘルスケアやビューティケアのカテゴリーにおいても「なかったコトに!」では、機能性表示食品での新商品開発を行い、「フットメジ」では、話題性の獲得が期待できる企画商品の開発を行っております。さらに、SNSやWEB、テレビ等の広域プロモーションを中心とした宣伝・PR活動の積極的な展開による認知率向上への取り組みや、更なる品質向上・安全性確保のための品質管理体制の強化を進めてまいります。
 また、昨今社会問題にもなっており、将来的な市場拡大が期待される、フェムテック、フェムケアカテゴリーでは、優月美人ブランドは「ウィズフェム」にリブランディングを行うと共に新商品の投下を行い、D2Cへの取組みもスタートさせ、より多くの女性特有のお悩みに寄り添える活動を実施してまいります。さらに、アフターコロナ需要に備えた商品開発や販売施策も実施してまいります。
 海外事業においては、現地代理店との連携強化や国・地域毎の顧客層等を明確にしたうえで、経済状況や今後の成長性、消費者ニーズを的確に把握しながら、増大する収益機会を確実に取り込み、引き続き市場開拓活動に取り組んでまいります。

 

 ② 商品の開発について

 当社の事業を取り巻く市場環境や消費者、競合他社の状況は常に変化を続けており、市場予測には不確定要素が増えてきているため、より競争力の高い新商品の企画・開発が重要な課題であると考えております。「オキシクリーン」を中心としたハウスホールドカテゴリーでは、新たな日用雑貨品の開発を進めております。また、優月美人ブランドのリブランディングにより誕生いたします「ウィズフェム」におきましては、EC専用商品として上市することを予定しております。その他ビューティケアカテゴリーを中心に数多くの新商品及びリニューアル商品のリリースを予定しており、新商品の投下により、店頭展開のさらなる拡大を図ると共に、新販路開拓などにも注力してまいります。

 

 ③ 有能な人材の獲得、育成

 当社の継続的な発展及び経営基盤の安定をはかるためには、より柔軟な働き方の導入と有能な人材の獲得、育成を行っていくことが重要であると考えております。人材の獲得につきましては、今までは即戦力を有する中途採用に重点を置いてきましたが、今後は、継続的成長に備え、若手有望社員の獲得により積極的に注力してまいります。また、人材の育成につきましても、会社と社員の成長が有機的に連動し、社員のモチベーション向上につながる社内教育制度及び評価制度が整備されていることが重要であると考え、見直しも含めて充実させていくことに注力してまいります。

 

 ④ 内部管理体制の強化について

 健全な会社運営においては、内部管理体制の強化が必須であると認識しております。当社は、管理体制を強化するため担当部門人員の整備やコンプライアンス遵守のためのチェックフローを確立し、内部監査担当者によるモニタリングを定期的に実施し、監査等委員や会計監査人と連携をはかることで、適切に運用しております。今後も、更なる経営の安定性や健全性を目標に内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

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