(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要はつぎのとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くものの、各種政策の効果もあり社会経済活動の正常化が進み、景気の持ち直しが期待されました。一方で、長期化するウクライナ情勢で加速する資源・エネルギーの供給不足に加え、急速な円安の進行等によって、仕入価格・物流コストの上昇等が企業活動に影響を及ぼし、依然先行きが不透明な経済情勢にて推移いたしました。
当社グループの主要事業である物販系分野におけるBtoC-EC市場規模におきましては、2021年に13兆2,865億円で前年比8.61%増となっており、そのうち化粧品、医薬品のEC市場規模は、8,552億円で前年比9.82%増と伸長しております(経済産業省2022年8月12日公表「電子商取引に関する市場調査」より)。
このような状況の中、当社グループの取り組みとしては、経費効率をふまえた広告宣伝費の投下とともに、ブランディング広告の強化による潜在的な顧客に対する認知度の向上、新たなカテゴリーの商品の発売等により新規顧客数の拡大に努め、各種CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)施策の実施による既存顧客の継続購入を促進して参りました。当連結会計年度は、EC市場の競争の激化により広告効率が低下し、新規顧客獲得単価の高騰化傾向に拍車がかかったため、販売が不調となり、販売見込に基づいて発注した卸販売目的の商品及び新商品の過剰在庫が発生して商品の評価損を計上しています。
2022年8月10日には、当社グループの主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が代表を務めるSBCメディカルグループ株式会社(本社:神奈川県横浜市戸塚区)と業務提携契約を締結し、化粧品分野の多角展開のみならず、医薬品等の商品企画・開発領域への拡充や、再生医療領域並びに美容医療領域に重点を置いた事業展開を計画して参りました。
また、第3四半期会計期間より、メディカルサポート事業を新たに立ち上げ、D2C事業にて培ってきた各種データ等をベースとした業務支援サービスを開始いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は2,731,376千円、営業損失39,779千円、経常損失21,640千円、親会社株主に帰属する当期純損失は57,156千円となりました。
収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更) をご参照ください。
セグメントの概況は、次のとおりであります。
当社グループの主力事業であるD2C事業につきましては、経費効率をふまえた広告宣伝費の投下とともに、ブランディング広告の強化による潜在的な顧客に対する認知度の向上、新たなカテゴリーの商品の発売等により新規顧客数の拡大に努め、各種CRM施策の実施による既存顧客の継続購入を促進してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスをきっかけに数多くの企業がECに注力をし始め、企業規模に関わらず数多くの企業がデジタル広告に取り組むようになったことにより、新規顧客獲得単価の高騰化傾向に拍車がかかり、競争環境が激化していることを受け、当連結会計年度の売上高は2,531,368千円、セグメント利益は122,956千円となりました。
メディカルサポート事業につきましては、第3四半期会計期間より、D2C事業にて培ってきた広告分析・企画提案、LP(Landing Page)制作等のノウハウ、並びに蓄積された各種データ等をベースとした業務支援サービスを開始しました。この結果、当連結会計年度の売上高は200,008千円、セグメント利益は156,266千円となりました。
連結会計年度末における流動資産は1,343,528千円となりました。主な内訳は、現金及び預金906,224千円、売掛金246,946千円、商品137,944千円、原材料及び貯蔵品13,365千円であります。
当連結会計年度末における固定資産は、219,633千円となりました。主な内訳は、長期貸付金200,000千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は554,977千円となりました。主な内訳は、短期借入金170,000千円、1年内返済予定の長期借入金209,987千円、未払金76,978千円、未払法人税等32,247千円であります。
当連結会計年度末における固定負債は265,651千円となりました。内訳は、長期借入金であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は742,533千円となりました。主な内訳は、資本金572,064千円、資本剰余金が564,064千円、利益剰余金が△393,652千円であります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、当連結会計年度末には906,224千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は168,547千円となりました。これは主に、売上債権の減少127,495千円、棚卸資産の減少136,349千円、仕入債務の減少38,062千円、未払金の減少96,173千円、前払費用の減少158,217千円、法人税等の支払額24,487千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は175,850千円となりました。これは、貸付による支出200,000千円、償却債権の回収による収入24,150千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は129,166千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出221,666千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの提供する事業の性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの提供する事業の性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。その内容等については、(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は801,972千円となり、売上原価率は29.4%となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上総利益は1,929,403千円となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,969,183千円となり、売上高に対する割合は72.1%となりました。
以上の結果、当連結会計年度における営業損失は39,779千円となりました。
d.経常利益
当連結会計年度における営業外収益は24,479千円となりました。これは、主に償却債権取立益24,150千円を計上したことによるものであります。また、当連結会計年度における営業外費用は6,340千円となりました。これは、主に支払利息4,201千円を計上したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における経常損失は21,640千円となりました。
e.当期純利益
当連結会計年度における当期純損失につきましては主に法人税、住民税及び事業税35,516千円の計上をしたことにより、57,156千円となりました。
ロ.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、1,563,162千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、820,628千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、742,533千円となりました。
主な増減内容については「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
以上の結果、財務指標としては、自己資本比率が47.5%になりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要の主なものは商品仕入、販売費及び一般管理費に含まれる広告宣伝費であります。これらの運転資金につきましては内部資金または銀行からの借入により資金調達することとしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表における当社グループの財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 中長期的な会社の経営戦略
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑦ 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (4)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、当該事象を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと認識しております。
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