課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くものの、各種政策の効果もあり社会経済活動の正常化が進み、景気の持ち直しが期待されました。一方で、長期化するウクライナ情勢で加速する資源・エネルギーの供給不足に加え、急速な円安の進行等によって、仕入価格・物流コストの上昇等が企業活動に影響を及ぼし、依然先行きが不透明な経済情勢にて推移いたしました。このような状況のもと当社グループは、さらなる事業基盤の強化・拡大をすべく、下記事項を重要課題として取り組んでおります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「テクノロジーの力で自国の未来に希望を創る」をミッションに掲げ、デジタルマーケティングを活用したオリジナルブランドの化粧品の企画・開発、並びに新しい事業領域への進出により、お客様の期待を上回る商品やサービスをご提供していくことを目指しております。

また、株主、お客様、お取引先、従業員等のすべてのステークホルダーへの社会的責任を果たし、事業を通じて社会に貢献していくことを目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

高い成長性及び企業価値の向上を経営上の重要課題と認識しており、成長性については売上高、企業価値の向上については営業利益及び当期純利益を重視しております。

 

(3) 経営環境

当社グループの主要事業である物販系分野におけるBtoC-EC市場規模におきましては、2021年に13兆2,865億円で前年比8.61%増となっており、そのうち化粧品、医薬品のEC市場規模は、8,552億円で前年比9.82%増と伸長しております(経済産業省2022年8月12日公表「電子商取引に関する市場調査」より)。
 このような状況の中、当社グループの取り組みとしては、経費効率をふまえた広告宣伝費の投下とともに、ブランディング広告の強化による潜在的な顧客に対する認知度の向上、新たなカテゴリーの商品の発売等により新規顧客数の拡大に努め、各種CRM施策の実施による既存顧客の継続購入を促進してまいります。

 また、2022年8月10日には、当社グループの主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が代表を務めるSBCメディカルグループ株式会社(本社:神奈川県横浜市戸塚区)と業務提携契約を締結し、化粧品分野の多角展開のみならず、医薬品等の商品企画・開発領域への拡充や、再生医療領域並びに美容医療領域に重点を置いた事業展開を計画してまいります。
 2014 年の「再生医療等安全性確保法」の施行により、再生医療市場が誕生し、従来、医療機関にて行われていた細胞加工の外部委託が可能となりました。再生医療等製品市場は、上市する製品数の増加や処方者・患者への浸透に加え、難治性疾患の患者に対し高価な医薬品による対症療法で発症を抑えている現状に対して、安価で高品質の製品開発を行い上市化することで QOL(Quality of Life)の向上と医療費削減の実現が期待されていることから拡大して推移しており、2050 年には世界で 38 兆円、国内で 2.5 兆円の市場規模へと伸長するものと予測されております(出典:2020 年 3 月 経済産業省 第 1回再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業複数課題プログラム中間評価検討会資料)。再生医療に対する社会的認知度及び社会的意義の意識が一層高まるとともに、今後も優れた効果・効能を有する開発製品の上市が続くものと期待されております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ情勢等の影響に加えて、米国の金融引き締めに伴う急速な円安の進行によって、仕入価格・物流コストの上昇が企業活動に影響を及ぼし、今後も依然として先行き不透明な経済情勢が続くと見込まれます。
 主要事業である物販系分野におけるBtoC-EC市場においては、引き続き、新型コロナウイルスをきっかけに数多くの企業が EC に注力をし始め、企業規模に関わらず数多くの企業がデジタル広告に取り組むようになったことにより、競争環境が激化し、新規顧客獲得単価の高騰化傾向に拍車がかかり且つ高止まりする等、新規顧客獲得競争の激化の様相は大きく変わることなく推移すると思われます。
 そのような中、当社グループにおきましては、主要事業であるD2C事業の強化を図りつつも、将来に向けた新たなビジネスモデル構築の布石を打つべく、3つの成長戦略を掲げて推進してまいります。
 

 Ⅰ SBCメディカルグループとのコラボ商品の企画開発及びクロス販売の展開
 Ⅱ 医療クリニック向けの広告制作・運用サービスの積極推進
 Ⅲ SBCメディカルグループとの強固な業務提携による再生医療事業の展開
 

上記3つの成長戦略に基づく、各セグメントにおける主な取り組みについては、以下のとおりです。
 

 ①D2C事業
 SBCメディカルグループ株式会社が保持する「医療美容領域」における高度な知見と当社グループの「化粧品領域」における企画力といった双方の強みを生かしたコラボレーション商品を共同開発し販売してまいります。
 また、当社グループの主力オリジナルブランドである「HADA NATURE」をSBCメディカルグループの各クリニックへ商品販売を展開し、また、同グループが保有する「医療美容」の各種商品を当社グループが仕入れ、当社グループのECサイト等を通じて一般消費者に直接販売してまいります。
 

 ②メディカルサポート事業
 D2C事業にて培ってきた広告分析・企画提案、LP(Landing Page)制作等のノウハウ、並びに蓄積された各種データをベースとした、医療クリニックに向けた広告制作・運用サービスを展開してまいります。
 また、将来に向けた新たなビジネスモデルの構築を目指し、再生医療市場の活性化の実現を果たすべく、SBCメディカルグループ株式会社と当社グループの相互の強みを活かした「血液由来加工・脂肪由来幹細胞加工」の受託サービスを全国的に展開してまいります。
 

 

 

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