文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、社会に対するSERVICE(奉仕)とTRUST(信頼)を信条とし、お客様に最も信頼される製品を提供することにより、社会に貢献することを経営理念としています。社是は「誠実」、企業スローガンに「空気をかえよう」を掲げて、空気を通して暮らしを明るく元気にし、世界中のお客様や社会から愛される会社を目指しています。その実現に向けて、絞り込みと集中・世にない商品の開発・スピード経営を継承しつつ、「ブランド価値経営」を基本方針に進めています。
<成長の方向性>
今後の成長の方向性として、「空気ビジネス」を企業価値創造の核とし、以下三つの軸を成長軸と定めています。この三軸に沿って、家庭内に留まらず事業所や公共空間へも当社グループが価値を提供しつづけ、保有する全ブランドがカテゴリーの代名詞となることを目指します。
① 「空気ビジネス」の新機軸
第一は「空気ビジネス」の新機軸です。当社は創業当時から、その時々の社会課題を解決するために、新機軸を打ち出し、新技術で市場を切り拓いてまいりましたが、今後も「空気ビジネス」の新機軸を第一の成長軸として新技術による市場創造に取り組みます。
② 社会の構造変化への対応
第二の成長軸は日本社会の構造変化と世界共通課題への対応です。人口減少・高齢化・要介護の方の急増といった社会課題とグローバルな環境意識の高まりに対して、独自の空気ビジネスの新技術や温熱技術等を活かして新分野・新市場の開拓に挑戦するとともに、循環型事業に取り組みます。
③ グローバル化の加速
第三の成長軸はグルーバル化を加速することです。新型コロナウイルスの影響により、インバウンド需要は激減しましたが、世界からの日本製品への信頼感は根強いものがあります。当社グループは、国内の社会課題解決に向き合う事で培ったノウハウ・新技術を、世界へ展開してまいります。
(2)経営戦略
長期的に目指す将来像は、グローバルな「トータルエアビズ企業グループ」です。その実現のために、「ブランド価値経営」の下、顧客の創造、高収益体制の構築、組織の活性化を図ります。一方で、企業が果たすべき社会的な役割、責任に対する要請は、時代とともに変化しています。当社グループは、事業を通して社会課題の解決に貢献し、社会からの要請に応えます。そして、中長期的にESG経営を進めるために「空気をかえようAction 2030」プランを掲げ、ステークホルダーの皆様と良好な関係を築きながら、持続的成長を図っていきます。
<経営計画の骨子>
中長期的な経営戦略は、以下4つの戦略からなる重点ポイントに取り組み、既存事業の「深化」と新分野・新市場の「探索」を進めます。
① 既存事業収益構造の抜本的見直し
・国内主力カテゴリーシェア№1
・ブランド力を活かした隣接カテゴリーへの進出
・高付加価値品の拡大とコスト構造改革による原価低減
② 成長領域へのリソース集中(海外、B2B、EC)
・アジアに集中
・グローバル競争力あるユニークな商品展開
③ 事業開発体制の明確化
・未来を拓く市場創造力の強化
・未来型エアケア事業開発
④ 長期ESG戦略の策定と開示
・中長期的な企業価値の向上
・空気をかえようAciton2030
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標は、経営環境の変化に左右されない強い事業基盤の構築です。目標とする主な指標等は次のとおりです。
① 営業利益率11%
② 国内既存事業(家庭用芳香消臭剤、脱臭剤、防虫剤)市場シェア№1
③ 成長牽引事業(海外、B2B、EC)の連結売上高構成比25%以上
(4)経営環境並びに対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、長引く新型コロナウイルス感染症や原材料価格の高騰、急激な為替変動、地政学上のリスクなど、先行き不透明な状態が続いています。また、国内人口の減少と高齢化の進行、経済・社会のグローバル化の進展と変容、地球規模の気候変動、サステナビリティへの要請の高まりなど、大きく変化しています。このような変化を成長の機会ととらえ、事業を通じて社会課題の解決に貢献することで社会の期待に応えてまいります。
また、環境・社会のサステナビリティ重要課題への取り組みを強化し、ガバナンスの推進を加速、実行していくために、2030年までの中長期ESG推進プラン「空気をかえよう Action 2030」を策定しました。
「空気を通して、暮らしを明るく元気にし、世界中のお客様や社会から愛される会社になる」、この考え方をエステーのESG活動の基盤として、世界の誰もの暮らしが、より良く、そして限りなく続くために、わたしたちは「空気をかえる」取り組みを続けていきます。
「空気をかえようAction 2030」では次の3つのテーマに取り組みます。
<環境>みんなの地球の空気のために
(脱炭素化の推進・再資源化の推進)
<社会>明るく元気なくらしのために
(誰もが明るく元気になる取り組みの推進・働く社員が明るく元気になる取り組みの推進)
<ガバナンス>誰に対しても、『誠実』で最も信頼される会社であるために
(透明性と実効性のある体制の構築)
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