(1)経営成績
当事業年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、依然として厳しい状況が続いております。感染症拡大による社会経済活動への影響や金融資本市場の変動等の影響を引き続き注視していく必要があります。
農業を取り巻く環境は、世界的には人口増加や新興国の経済成長等に伴って農作物需要が拡大しており、中長期的にも成長が継続するものと思われますが、新型コロナウイルス感染症の農業及び農薬市場における影響を十分に注視していく必要があります。
このような中、当社の状況は、海外向けダコニール関連剤(原体及び製剤)や緑化関連剤の出荷が好調に推移した一方で、国内向けダコニール関連剤の在庫調整や水稲除草剤原体の出荷減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により一部製品の販売や製造に遅れが生じました。
その結果、当事業年度における売上高は 119億99百万円 (前年比 3億87百万円減 、 3.1%減 )となりました。 利益面につきましては、フィリピン事業を中心に販売価格の改定を進めていることや横浜工場の稼働安定化もあって利益率が改善していることに加え、新型コロナウイルス感染症対策として国内外出張や会食等の自粛を行っていることから旅費交通費を中心に活動経費が減少し、 営業利益は12億38百万円 (前年比 1億63百万円増 、 15.2%増 ) となりました。さらに、中国出資会社からの受取配当金5億83百万円を計上したことで、経常利益は18億48百万円(前年比3億92百万円増、27.0%増)、当期純利益は13億71百万円(前年比1億83百万円増、15.5%増)となりました。
当社は農薬事業のみの単一セグメントではありますが、事業の傾向を示すために品目別に販売実績を記載いたしま
す。
(殺菌剤)
当事業年度における売上高は42億74百万円(前年比86百万円増、2.1%増)となりました。これは主に、国内向
けダコニール関連剤の在庫調整による出荷減少があったものの、海外向けダコニール関連剤の出荷が増加したこと
によるものです。
(水稲除草剤)
当事業年度における売上高は42億65百万円(前年比1億34百万円減、3.1%減)となりました。これは主に、海外
向けベンゾビシクロン原体の出荷が好調に推移している一方で、国内向けダイムロン原体の出荷時期ずれによる減
少やカフェンストロール原体の出荷減少があったことによるものです。
(緑化関連剤)
当事業年度における売上高は27億44百万円(前年比1億11百万円増、4.3%増)となりました。これは主に、国内
向けカルブチレート関連剤の出荷が好調に推移していることによるものです。
(殺虫剤)
当事業年度における売上高は5億41百万円(前年比82百万円減、13.3%減)となりました。これは主に、D-D関連剤の出荷が減少したことによるものです。
(その他)
当事業年度における売上高は1億74百万円(前年比3億67百万円減、67.8%減)となりました。これは主に、ダコニール原材料の出荷が減少したことによるものです。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当事業年度末(2021年3月31日)における総資産は152億19百万円(前期末比8億68百万円の増加)となりました。
①流動資産
流動資産は 108億49百万円 (前期末比 6億1百万円の増加 )となりました。主な内訳は、現金及び預金 8億円 (前期末比 7億32百万円の増加 )、売掛金 37億33百万円 (前期末比 12億96百万円の減少 )、商品及び製品 37億54百万円 (前期末比 5億95百万円の増加 )、未収入金 13億76百万円 (前期末比 6億62百万円の増加 )です。
②固定資産
固定資産は43億70百万円(前期末比2億67百万円の増加)となりました。主な内訳は、有形固定資産23億1百万円(前期末比39百万円の増加)、無形固定資産16百万円(前期末比9百万円の減少)、投資その他の資産20億51百万円(前期末比2億37百万円の増加)です。
③流動負債
流動負債は42億95百万円(前期末比74百万円の増加)となりました。主な内訳は、買掛金6億8百万円(前期末比1億75百万円の減少)、1年内返済予定の長期借入金13億22百万円(前期末比33百万円の減少)、未払金9億2百万円(前期末比3億96百万円の増加)、未払費用9億64百万円(前期末比55百万円の減少)です。
④固定負債
固定負債は 29億35百万円 (前期末比 5億34百万円の減少 )となりました。主な内訳は、長期借入金 28億43百万円 (前期末比 5億51百万円の減少 )、退職給付引当金 83百万円 (前期末比 16百万円の増加 )です。
⑤純資産
純資産は79億88百万円(前期末比13億28百万円の増加)となりました。主な内訳は、利益剰余金68億37百万円(前期末比11億40百万円の増加)、その他有価証券評価差額金2億63百万円(前期末比1億88百万円の増加)です。
(3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末(2021年3月31日)における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して7億32百万円増の8億円となりました。主な要因は以下のとおりとなります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は19億89百万円となりました。主に、税引前当期純利益の計上18億32百万円、売上
債権の減少9億32百万円、たな卸資産の増加7億8百万円、利息及び配当金の受取額3億89百万円、法人税等の支払いによる支出4億31百万円によるものです。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は3億4百万円となりました。主に、有形固定資産の取得による支出2億83百万円によるものです。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は9億44百万円となりました。主に、長期借入金による資金調達8億円、長期借入金の返済による支出13億84百万円と配当金の支払2億30百万円によるものです。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の売上高は約40%が海外向け輸出となっているため為替レートの影響を、その原価は取扱製品の大半が化学製品であるため主に原油価格、ナフサ価格の影響をそれぞれ受けております。
当事業年度は米ドルの平均レートは106.10円となり、前事業年度(前期平均レート109.06円)と比較して円高に推移致しました。また、継続している原油・ナフサ安の市況の影響もあり、当事業年度の売上原価率は63.3%(前期比3.3%減)となりました。
(5)経営上の目標の達成状況
当社は重要な経営上の利益を売上高営業利益率とし、10%レベルを継続的に達成することを目標としております。また、財務健全性に関する重要な指標をD/Eレシオとし、継続的に1.0倍以下を達成することを目標としております。
当事業年度における売上高営業利益率は10.3%であり、目標数値の10%を達成しました。
主な要因としては、コロナ禍による物流遅延による製品供給の影響は一部で見られたものの、年度後半には各国でのロックダウン状況の緩和などで物流機能が回復したことにより販売機会を逃さなかったことやこれまで取り組んできた製品値上げによる利益率の改善効果の顕現、活動自粛に伴う経費の削減等によるものです。今後も引き続きコロナ禍の経済動向を注視しながら、中長期的に取り組んでおります製造プロセスの再検討や新規原材料調達先の開拓等を通して製造原価低減に取り組みながら販売の維持拡大に取り組んでまいります。
D/Eレシオは0.52倍となり、目標である1.0倍以下を達成しました。引き続き効率的な資金管理を実行してまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社の資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは、生産活動に必要な運転資金(原材料費、外注加工費、工場固定費等)のほか、人件費・研究開発費を中心とする販売費及び一般管理費等の支出によるものであります。
設備資金需要のうち主なものは、農薬製造設備の維持更新や研究設備の更新及び取得のためのものであります。
②財政政策
当社は現在、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金、大口取引先債権の流動化や各金融機関からの借入を中心に資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、現在の低金利環境と各金融機関との安定した取引を継続する観点から、返済期間が1年を超える長期借入金を中心に実施しております。
当事業年度末において、長期借入金の残高は約41億円で、円建てでの借入であります。
なお、将来キャッシュフローの安定化を目的として金利スワップの利用等を含め金利の固定化を図っております。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
該当事項はありません。
(8)生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりとなります。
|
品目別 |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
殺菌剤(千円) |
3,169,258 |
△8.6 |
|
水稲除草剤(千円) |
2,402,498 |
91.0 |
|
緑化関連剤(千円) |
2,034,373 |
0.6 |
|
殺虫剤(千円) |
412,180 |
△7.5 |
|
その他(千円) |
160,647 |
△64.3 |
|
合計(千円) |
8,178,958 |
7.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、水稲除草剤において翌期の需要増加を見込んだ増産を行ったこと等によるものであります。
(9)受注実績
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(10)販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりとなります。
|
品目別 |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
殺菌剤(千円) |
4,274,107 |
2.1 |
|
水稲除草剤(千円) |
4,265,195 |
△3.1 |
|
緑化関連剤(千円) |
2,744,435 |
4.3 |
|
殺虫剤(千円) |
541,312 |
△13.3 |
|
その他(千円) |
174,932 |
△67.8 |
|
合計(千円) |
11,999,983 |
△3.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
日産化学株式会社 |
1,572,997 |
12.7 |
1,243,339 |
10.4 |
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