研究開発活動

5【研究開発活動】

めっき薬品・機械設備・浴管理装置の三位一体の開発を継続しながら、難易度の高いテーマに積極的に取り組み、最先端技術を追求するとともに、将来技術の探索や環境対応技術への取り組みを行っております。また、台湾・マレーシア・中国・タイ等にある海外開発・技術拠点との連携も一層深めています。

当連結会計年度におけるセグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2,280百万円であります。

(1)表面処理用資材事業

① プリント配線板(PWB)/半導体パッケージ(PKG)対応技術の強化

PWB/PKG関連の表面処理は当社の最も得意とする分野であり、高密度化する実装技術や次世代通信、カーエレクトロニクス、半導体向けめっきプロセス等に対応した製品開発に注力しております。

イ. 最終表面処理関連

当社の強みである無電解ニッケル/パラジウム/金プロセスを中心として顧客ニーズの多様化に合わせた製品開発を継続するとともに、ファインパターン基板、高周波デバイス向け基板等へ対応できる独自性のある新たなめっき浴やプロセス開発を行っております。半導体向けめっきプロセスについては、主にパワーデバイスやロジックデバイス向けに、主に無電解めっき浴の開発を行っております。

ロ. 銅めっき関連

次世代通信向け基板、フレキシブル基板、部品内蔵基板等に対応するため、さらなる細線化や新しい基板材料への配線形成が可能な前処理プロセスや無電解銅めっき浴の開発を行っております。また、電解銅めっきにおいてもプリント基板や半導体の微細配線や3D実装に適応できる技術として、スルーホールフィリング、ビアフィリング、再配線やポスト用のめっき浴の開発を行っております。

② 汎用無電解ニッケル並びに電子部品への電気めっき製品の強化

 カーエレクトロニクスに適合した無電解ニッケルや機械要素部品へのめっきプロセス並びにアルミニウム基板のハードディスク用めっき液の開発を行っております。また、半導体の3D実装用途の電解錫バンプめっきや、電子部品の電解めっき浴の開発を行っております。さらに、装飾品用等、幅広い製品の開発も行っております。

③ SDGs(持続可能な開発目標)を見据えた環境・資源問題への配慮

有害重金属フリーの無電解ニッケル浴、PFOAフリーのPTFE複合めっき浴、シアンフリーの無電解金めっき浴、シアンフリーの電解金及び電解銀めっき浴、ホルマリンフリーの無電解銅めっき浴等、SDGsを見据えた環境・資源問題に配慮した製品開発に注力しており、エコフレンドリーな製品の品揃えに努めるとともに、めっき廃液の処理システムの開発も行っております。

④ 海外開発拠点との技術協力推進

現在、海外の研究開発拠点は台湾桃園・マレーシアジョホール・中国深圳・タイナワナコン等にあり、各地域に適合した製品開発を行っております。これからも、日本の中央研究所を核としながら、海外拠点を活用して地域に密着したグローバルな研究開発体制を推進してまいります。

⑤ 基礎研究分野における産官学の連携

国内外の大学や公的研究機関並びに大手民間企業との共同研究において理論的解析等を行い、製品開発方向を定める一助とするとともに、国家プロジェクトへの参画による将来技術の探索を行っております。また、国内外での学会発表も行い、業界トップの技術力を維持強化してまいります。

⑥ プロパテント政策

当連結会計年度末時点において当社が保有及び出願中の特許は627件(国内176件、海外451件)、実用新案は1件(国内0件、海外1件)で、申請中の商標は352件(国内90件、海外262件)です。当社は知的財産権の取得も開発戦略に含めており、特許・商標の海外での権利化を重視しております。

表面処理用資材事業に係る研究開発費は2,213百万円であります。

 

(2)表面処理用機械事業

 装置及び浴管理装置の開発

 当社独自の技術であるSAP対応縦型連続搬送装置(U-VCP及びU-VCPS)の開発を継続し、実機ベースの装置と薬液を使用しためっきつけが可能となっております。浴管理装置についても、半導体向けだけでなくプリント基板用等、幅広い浴に対応した管理装置を開発・提供しております。

表面処理用機械事業に係る研究開発費は67百万円であります。

 

今後も投資対効果を常に意識し、無駄のないメリハリの利いた重要テーマへの積極的投資を続けてまいります。

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