業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における国内経済は、情報・通信業において堅調に推移しましたが、緊急事態宣言の発令や、まん延防止等重点措置の適用を受け、外出の自粛が強まり、宿泊・飲食などサービス業における消費は低迷しました。国内自動車生産の回復に伴い、輸出は持ち直しの動きがみられました。企業の設備投資は先送りしていた投資を再開するなど、製造業、非製造業ともに積極的な投資姿勢に転じました。

海外では中国において、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込み他国に比べ経済成長を維持しました。また、生産制限をもたらした電力不足が緩和されたことで、製造業の生産稼働は回復しました。欧米諸国においては、ワクチンの普及を受け経済活動の再開が進む一方、新型コロナウイルス感染症の再拡大や原材料・半導体などにおける供給制約の長期化が製造業の生産回復の足かせになっています。

当社グループを取り巻く事業環境は、5Gの商用化・IoT・テレワークをキーワードに、技術革新及びデータ通信量の増加が進み、5G関連部品、データセンター等のインフラ、高機能電子デバイス向けのプリント基板の需要が増加しました。また半導体産業の力強い成長に伴い、半導体パッケージ基板の需要も好調に推移しました。自動車産業は、需要の拡大や一時的に半導体不足の緩和が見られ、主に中国において自動車の生産・販売台数が増加しました。

 

その結果、当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。

 

前連結会計年度

(自  2020年4月1日 

 至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年増減比

売上高

21,192百万円

24,256百万円

14.5%増

営業利益

6,799百万円

8,990百万円

32.2%増

経常利益

6,922百万円

9,231百万円

33.4%増

親会社株主に帰属する当期純利益

4,708百万円

6,370百万円

35.3%増

 

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の売上高は25百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ6百万円減少しております。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(薬品事業)

電子分野

中国 タブレットなどの高機能電子デバイス、サーバー向けプリント基板の需要が増加しました。新規に獲得したラインでの稼働が本格化したことで、薬品需要は大幅に増加しました。

台湾 高機能電子デバイス、サーバー向け半導体パッケージ基板の需要が増加しました。新規ラインの獲得により、薬品需要は増加しました。

韓国 半導体需要が旺盛なことを受け、半導体パッケージ基板の需要が増加しました。新規ラインの獲得により、薬品需要は増加しました。

 

装飾分野

日本 半導体などの不足により、自動車産業の回復基調は鈍化傾向にあるものの、第2四半期までは好調に推移したことで、薬品需要は増加しました。

中国 半導体などの不足が自動車の生産稼働に影響があったものの、自動車産業の回復基調が継続し、薬品需要は大幅に増加しました。

 

(薬品事業)

前連結会計年度

(自  2020年4月1日 

 至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年増減比

売上高

19,147百万円

22,948百万円

19.9%増

セグメント利益又は

セグメント損失(△)

7,788百万円

10,007百万円

28.5%増

 

なお、「収益認識会計基準」等の適用により、当連結会計年度の売上高が25百万円減少し、セグメント利益が6百万円減少しております。

 

(装置事業)

自動車部品向けめっき装置において、履行義務の充足に係る進捗が遅れたことで売上高は大幅に減少しまし た。しかし、先送り案件の再開、及び電子分野めっき装置の新規投資需要の増加により、受注残高は大幅に増加しました。

(装置事業)

前連結会計年度

(自  2020年4月1日 

 至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年増減比

売上高

2,035百万円

1,306百万円

35.8%減

セグメント利益

又はセグメント損失(△)

△108百万円

△88百万円

新規受注高

911百万円

3,199百万円

250.9%増

受注残高

131百万円

2,076百万円

1,473.1%増

 

  なお、「収益認識会計基準」等の適用による影響はありません。

 

(その他事業)

  その他事業におきましては、売上高は0百万円(前年同期比96.9%減)となり、セグメント損失は17百万円

(前年同期はセグメント損失57百万円)となりました。

 

 

生産、商品仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

薬品事業

(千円)

23,628,481

121.0

装置事業

(千円)

1,320,392

65.0

報告セグメント計

(千円)

24,948,874

115.7

その他

(千円)

        合計

(千円)

24,948,874

115.7

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

薬品事業

(千円)

1,072,490

144.4

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

3.装置事業においては、商品仕入は行っておりませんので、該当事項はありません。

 

③ 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

装置事業

3,199,723

350.9

2,076,115

1,573.1

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

3.上記の金額は、機械装置の製作・据付に関する請負契約等の受注状況を記載しており、表面処理薬品及び商品に関する受注は、売上計上までの期間が短期間であるため、記載を省略しております。

 

④ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

薬品事業

(千円)

22,948,955

119.9

装置事業

(千円)

1,306,821

64.2

報告セグメント計

(千円)

24,255,777

114.5

その他

(千円)

292

3.1

        合計

(千円)

24,256,069

114.5

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,668百万円(16.1%)増加し、40,892百万円となりました。流動資産は、主に、現金及び預金の増加、売掛金、受取手形、契約資産の増加により5,782百万円(21.6%)増加し、32,507百万円となりました。固定資産は、主に、投資有価証券の減少により114百万円(1.3%)減少し、8,385百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ205百万円(2.7%)増加し、7,726百万円となりました。流動負債は、主に支払手形及び買掛金の増加、未払法人税等の増加により661百万円(10.9%)増加し、6,712百万円となりました。固定負債は、主に、その他の減少により456百万円(31.0%)減少し、1,013百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,462百万円(19.7%)増加し、33,166百万円となりました。これは主として、自己株式の取得、その他有価証券評価差額金の減少の一方、為替換算調整勘定の増加、利益剰余金の増加によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、16,845百万円と前年同期と比べ4,159百万円(32.8%)の増加となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益が前年同期と比べ2,359百万円(34.5%)増加しましたが、売上債権及び契約資産の増加588百万円、棚卸資産の増加820百万円、前渡金の増加426百万円等により支出が増加し、営業活動によるキャッシュ・フローは5,091百万円と、前年同期と比べ収入が1,688百万円(24.9%)の減少となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは主に定期預金の減少及び有形固定資産の取得による支出の減少により、投資活動によるキャッシュ・フローは1,044百万円と、前年同期と比べ収入が1,602百万円の増加となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは主に自己株式の取得による支出が増加したことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは△2,873百万円と、前年同期と比べ支出が522百万円の増加となりました。

 

資金の流動性については、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性資産を確保しております。

これらの資金基盤を背景に、当社グループは、収益性・事業効率の向上に向けて、研究開発体制の強化や、中国・米国・インドといった海外市場への戦略的投資機会を追求することで、薬品事業の競争力強化、海外市場でのさらなる成長、次世代技術開発と新製品の早期市場投入や新市場・新分野への挑戦を図ってまいります。

株主への利益還元策につきましては、持続的な成長を達成するため手元流動性の確保を重視し、安定した財務基盤を維持しつつ、安定増配基調継続を目指してまいります。

「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は様々なリスクを伴っています。事業展開にあたっては、自己資金の充当が望ましいと考えておりますが、将来、それを上回る資金需要が発生した場合にも必要資金を円滑かつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性は常に維持していくよう努めてまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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