課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは、石油事業(受託精製)および電気事業(受託発電)を主たる事業としております。当社グループの使命は、長年培ってきたプラント運転技術と設備管理技術を基盤として、変化に柔軟に対応し、社会が求めるエネルギーを提供することにあるとの認識を基本として、以下の経営理念を定めております。
  ①HSSE(健康・安全・危機管理・環境)の確保を経営の基盤とする。
  ②創意工夫と技術革新により常に改善を進め、持続的発展をはかる。
  ③グループ及び協力会社との協力関係を一層促進し、相互の繁栄をはかる。
  ④人材・能力の開発に努め、相互理解と信頼に基づく活力溢れる人間集団を形成する。
  ⑤公明正大で透明性のある経営を行い、社員が会社の発展と明るい未来に誇りと喜びを語れる
    企業風土をつくる。
 上記経営理念の実現に向けて、当社グループは石油事業と電気事業を柱として、付加価値の高い重質油分解装置の高稼働維持や、立地を最大限に活かした効率的な製品出荷等により、競争力の向上を図ってまいります。

 

(2) 対処すべき課題

今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症流行による落ち込みから回復傾向にあるものの、先行きが見通せない状況にあります。石油業界においても、ウクライナ情勢を背景とした世界的なエネルギー資源価格の高騰や、従来から続く構造的な国内製品需要減少に加え、世界的な脱炭素の流れが加速していること等により事業構造の変革が迫られており、厳しい事業環境が想定されます。

 

当社グループにおいては、経験に基づく技術と知識を持った社員の多くが定年を迎え、引き継ぐ社員が急激に若返るといった大規模な世代交代の時期にあり、定期修繕工事の周期延長による経験の機会の減少等、人材配置や技術伝承についての課題が顕在化しております。

また、経年による多くの設備のメンテナンスコスト増加に対し、石油製品の需要減少による設備稼働率減少の傾向もみられており、これまで以上に生産効率向上やコスト管理が重要な状況にあります。

 

このような状況の中、エネルギー供給を社会的使命とする当社グループは、製油所としての勝ち残りを果たすため、「首都圏トップの効率/精製コストと設備信頼性を備え、社員のやりがいが溢れ安全文化が根付いた会社」をありたい姿とし、「安全」「設備信頼性」「効率」「従業員満足度」の四項目について目標を設定し取り組むことで、首都圏へのエネルギー供給の一翼を担う石油精製・発電のエキスパートとして社会が求めるエネルギーを提供してまいります。

 

①安全

製油所・発電所という危険物を取り扱う大規模で高度な設備の操業を行う当社にとって、安全は経営の基盤であり、当社はHSSE(健康・安全・危機管理・環境)の確保を経営理念の第一に掲げております。事故ゼロ・災害ゼロ・環境トラブルゼロおよび品質事故ゼロの取り組みを継続するとともに、管理者・監督者がルール遵守を自ら行動をもって示す「率先垂範」の活動を継続し、安全文化の浸透と定着を進めてまいります。

また、2022年度冬季に実施する京浜製油所の定期修繕工事および水江発電所の定期点検工事は製造・発電設備を全て停止する大規模なものになります。これら工事の実施にあたっては、運転停開始時の環境保全、工事施工時の安全の確保を確実なものとするため、万全を期した体制を取ってまいります。

 

 

②設備信頼性

当社の強みである「付加価値の高い設備構成」と「一大需要地である京浜地区への立地」を最大限に活かすためには、京浜製油所および水江発電所の設備信頼性を向上させ、エネルギーを安定的に供給することが大前提だと認識しております。設備の老朽化が進行する中、計画的で無駄のないメンテナンスを実施するとともに、IT等の最新技術を積極的に導入することで予防保全を充実させ、設備の信頼性向上を図ってまいります。

また、世代交代や経験の機会の減少等の課題に対しては、積極的な経験者採用や将来を見据えた要員計画の整備、さらなる教育研修機会の創出に取り組み、技術力と設備信頼性の維持向上を図ってまいります。

 

③効率

石油製品の需要減少や脱炭素の世界的な流れ等、競争が激化する環境において、設備投資による付加価値の向上だけでなく、省エネ、ロス削減、原油・原料油確保による増産等、日々の操業における付加価値向上策により収益を拡大してまいります。

また、収益効率のみでなく、適正な人員配置や先端技術の導入による業務の自動化や日々の業務効率向上に対する取り組みも進めてまいります。

 

④従業員満足度

「首都圏トップの効率/精製コストと設備信頼性を備え安全文化が根付いた会社」を実現するには、当社グループで働く全ての従業員がやりがいを感じ、組織としての一体感のある会社となることが重要と考えております。

業務改善活動を推進し、生産性を向上させるのみならず、従業員一人ひとりが改善活動を通じて成功や成長を実感しやりがいを向上すると同時に、当社グループで働くことの役割を認識し、安心感と納得感を高めて、風通しの良い、持続的に発展する会社を目指してまいります。

また、リモートワークの推進や人材流動化等、新しい働き方が世の中で広まっていく中で、当社グループにおいても固定観念に捉われず、労働環境の改善に取り組んでまいります。

 

 なお、当社は2022年4月、当社が過去に生産しました石油製品において、揮発油等の品質の確保等に関する法律および販売を担当する出光興産株式会社との取り決めに則った製品試験項目の一部を実施していなかったことが判明しました。

  当該不適切行為は判明後ただちに是正を行い、2022年4月27日以降 すべての製品試験を実施しております。また、出荷した製品の品質については調査の結果、安全上問題ないことを確認しております。当社は本件を重大に受け止め、2022年5月18日に外部の専門家および当社独立社外取締役を委員とする特別調査委員会を設置し、調査を実施しております。

  本件につきましては、お客様ならびに関係先の皆様の信頼を損なう事態を招きましたことを深く反省し、心からお詫び申し上げます。今後は、品質管理体制の強化を図り、再発防止に全力で取り組んでまいります。

 

 

 

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