(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、2020年初頭からの世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による影響から、企業収益や個人消費の二極化が見られるほか、世界的な資材価格やエネルギー価格の高騰、ウクライナ情勢の悪化等、依然として景気の先行きの見通しが難しい状況が続いております。
当社グループが事業を行うエネルギー業界においては、2015年の国連による持続可能な開発目標(SDGs)(※1)の提唱や、パリ協定(※2)締結を契機に、引き続き世界的にエネルギーの脱炭素化に向けた取り組みが加速しております。日本においても、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画(※3)では、2050年カーボンニュートラルの実現と、2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標(2013年度比から46%削減)の達成に向けたエネルギー政策の道筋が示されました。徹底した省エネルギーの更なる追求が求められると共に、2030年には国内電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を36~38%程度(2019年度は18%)にする目標が掲げられております。
このような外部環境の中、当社グループは、「Total Energy Saving & Solution」の経営理念のもと、「再生可能エネルギーの主力電源化」「省エネルギーの徹底」及び「エネルギーのスマート化」の3つの事業領域に注力しながら事業を展開しております。
当連結会計年度の経営成績として、売上高は34,945百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は5,146百万円(前年同期比17.0%増)、経常利益は4,654百万円(前年同期比21.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,695百万円(前年同期比35.4%増)となりました。
1)セグメントごとの経営成績について
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
調整額 (注) |
合計 |
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エンジニアリング事業 |
エネルギー サプライ事業 |
計 |
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売上高 |
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一時点で移転される財 |
918 |
14,481 |
15,400 |
- |
15,400 |
一定の期間にわたり移転される財 |
15,906 |
3,638 |
19,544 |
- |
19,544 |
顧客との契約から生じる収益 |
16,825 |
18,120 |
34,945 |
- |
34,945 |
外部顧客への売上高 |
16,825 |
18,120 |
34,945 |
- |
34,945 |
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
671 |
- |
671 |
△671 |
- |
計 |
17,496 |
18,120 |
35,616 |
△671 |
34,945 |
セグメント利益 |
2,204 |
2,584 |
4,788 |
357 |
5,146 |
(注)セグメント利益の調整額には、セグメント間取引消去及び全社費用が含まれております。
なお、セグメント間取引には、当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が、同じく当社の連結子会社であるプライムソーラー3合同会社に向けて行った「TESS茨城桜川ソーラー発電所(茨城県桜川市、発電容量約1.4MW)」及び「TESS兵庫朝来ソーラー発電所(兵庫県朝来市、発電容量約0.3MW)」のEPC(Engineering:設計、Procurement:調達及びConstruction:施工)等が含まれております。また、当社の連結子会社であるテス・エンジニアリング株式会社が、同じく当社の連結子会社である合同会社熊本錦グリーンパワーに向けて行った「TESS錦町木上西バイオマス発電所(熊本県球磨郡錦町、発電容量約2.0MW)」のEPC等が含まれております。
①エンジニアリング事業
(受託型)
省エネルギー系設備における顧客の省エネ、コスト低減、環境対策等のニーズに応じたエンジニアリング、再生可能エネルギー系設備の一部における、顧客取得のFIT認定(※4)を活用した発電施設や自家消費用発電設備のエンジニアリング等、顧客からEPCを受託する形態であります。
当連結会計年度においては、脱炭素化への取り組み、BCP対策としての安定電源確保、使用エネルギーの効率化による省エネルギー、再生可能エネルギーへの取り組み等、顧客ニーズに応じたソリューション提案を行った結果、コージェネレーションシステム(※5)及び自家用発電設備のEPC、LNGサテライト設備等の燃料転換設備(※6)のEPC、顧客企業のユーティリティ設備(※7)に係るEPC、国内の産業用太陽光発電システムのEPC、バイオマス発電システムのEPCによる売上を一定の期間にわたり収益を認識する方法に従って計上しております。
なお、これらEPCの内、コージェネレーションシステム及び自家用発電設備のEPC5件(発電容量約13.7MW)、LNGサテライト設備等の燃料転換設備のEPC1件、顧客企業のユーティリティ設備に係るEPC4件、国内の産業用太陽光発電システムのEPC13件(発電容量合計約106.0MW)につきましては、当連結会計年度において工事が完了しております。
(開発型)
当社グループが用地取得(又は賃借)、許認可及び権利等の取得、EPC等を主体的に関与し、開発に関する一連のソリューションを顧客に提供する形態であります。
当連結会計年度においては、固定価格買取制度(FIT制度)(※8)を活用した開発型案件である福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所(発電容量約67.0MW(北発電所約23.2MW、南発電所約43.8MW)、2023年6月期に完工予定)のEPCが順調に進捗したことによる売上8,716百万円を計上しております。なお、本EPCの内、北発電所につきましては、当連結会計年度において工事が完了しております。また、当社グループで保有していたFIT制度を利用する再生可能エネルギー発電事業2案件の権利を譲渡したことによる売上を計上しております。
以上の結果、エンジニアリング事業につきましては、売上高は17,496百万円(前年同期比25.4%減)、セグメント利益は2,204百万円(前年同期比60.4%増)となりました。
②エネルギーサプライ事業
(再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電)
当社グループでは、当連結会計年度末において、日本全国に78件、発電容量合計約215.1MW(内、オンサイトPPAモデル(※9)8件、約7.4MW)の再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電を行っております。
当連結会計年度においては、再生可能エネルギーのFIT制度を利用するもの、利用しないもの共に、運転開始済みの当社グループの再生可能エネルギー発電所(持分法適用関連会社を除く77件、発電容量合計約209.3MW)における発電量が順調に推移し、それに伴う売電収入による売上を計上しております。なお、当該売電収入による売上の中には、福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所に関して、北発電所をSPC(合同会社福岡みやこソーラーパワー)へ引渡しを行うまでの売電収入相当額154百万円が工期短縮に伴う開発報酬として含まれております。
当連結会計年度においては、FIT制度を利用するものとしては、当社グループで開発及びEPCを行った「TESS茨城桜川ソーラー発電所(茨城県桜川市、発電容量約1.4MW)」及び「TESS兵庫朝来ソーラー発電所(兵庫県朝来市、発電容量約0.3MW)」の合計2件が新たに稼働を開始し、稼働済み発電所(セカンダリ案件)として、「TESS香川善通寺ソーラー発電所(香川県善通寺市、発電容量約0.4MW)」、「TESS福島東白川ソーラー発電所(福島県東白川郡塙町、発電容量約0.3MW)」、「TESS秋田河辺ソーラー発電所(秋田県秋田市、発電容量約3.0MW)」及び「TESS徳島阿南第三ソーラー発電所(徳島県阿南市、発電容量約0.5MW)」の合計4件を新たに取得いたしました。また、FIT制度を利用しないものとしては、停電時にも必要な電力を供給できる機能を有した自家消費型太陽光発電システムによるオンサイトPPAモデルを活用した電力供給サービスを5件開始しております。
〈当連結会計年度に当社グループにおいて運転を開始したFIT制度を利用する再生可能エネルギー発電所〉
発電所名称 |
発電者名称 |
発電容量 (MW) |
発電種別 |
固定買取価格 (1kWh当たり) (円) |
発電開始年月 |
発電所取得 年月 |
TESS香川善通寺ソーラー 発電所 |
プライムソーラー3合同会社 |
0.4 |
太陽光 発電 |
40 |
2014年3月 |
2021年10月 |
TESS福島東白川ソーラー 発電所 |
プライムソーラー3合同会社 |
0.3 |
太陽光 発電 |
36 |
2015年6月 |
2021年12月 |
TESS茨城桜川ソーラー 発電所 |
プライムソーラー3合同会社 |
1.4 |
太陽光 発電 |
36 |
2021年12月 |
- |
TESS兵庫朝来ソーラー 発電所 |
プライムソーラー3合同会社 |
0.3 |
太陽光 発電 |
21 |
2022年1月 |
- |
TESS秋田河辺ソーラー 発電所 |
プライムソーラー3合同会社 |
3.0 |
太陽光 発電 |
32 |
2018年1月 |
2022年2月 |
TESS徳島阿南第三ソーラー 発電所 |
テス・エンジニアリング株式会社 |
0.5 |
太陽光 発電 |
40 |
2014年1月 |
2022年5月 |
(注)発電容量は、モジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記であります。
〈当連結会計年度に当社グループにおいて運転を開始したFIT制度を利用しない再生可能エネルギー発電所〉
所在地 |
発電者名称 |
発電容量 (MW) |
発電種別 |
供給開始年月 |
鳥取県米子市 |
テス・エンジニアリング株式会社 |
0.2 |
太陽光発電 |
2021年8月 |
広島県三原市 |
テス・エンジニアリング株式会社 |
0.4 |
太陽光発電 |
2022年2月 |
滋賀県甲賀市 |
テス・エンジニアリング株式会社 |
0.4 |
太陽光発電 |
2022年2月 |
静岡県駿東郡小山町 |
テス・エンジニアリング株式会社 |
0.5 |
太陽光発電 |
2022年2月 |
長崎県北松浦郡佐々町 |
テス・エンジニアリング株式会社 |
2.6 |
太陽光発電 |
2022年5月 |
(注)発電容量は、モジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記であります。
(オペレーション&メンテナンス(O&M))
当連結会計年度においては、メンテナンスサービス、オペレーションサービス、24時間遠隔監視サービス及びエネルギーマネジメントサービスが予定通りであったことから、オペレーション&メンテナンス(O&M)全体としての売上は順調に推移いたしました。
(電気の小売供給)
当社グループは、北海道、東北、東京、中部、北陸、関西、中国、四国及び九州の9電力エリアにて法人顧客向けに電気の小売供給を行っております。当連結会計年度においては、既存顧客への供給を中心に売上は順調に推移いたしました。電力の調達については、第1四半期連結会計期間においては、夏季の卸電力市場の取引価格の高騰による影響を避けるため、相対取引による電力量を増加させたことから売上原価が増加いたしました。第2四半期連結会計期間においては、秋季の卸電力市場の取引価格が例年以上に高騰したことに加え、相対取引による電力調達価格も上昇したことから売上原価が増加いたしました。第3四半期連結会計期間においては、燃料価格の高騰や冬季の電力需給のひっ迫、2022年3月に発生した福島沖地震等による影響から卸電力市場の取引価格が高騰したことに加え、相対取引による電力調達価格も上昇したことから売上原価が増加いたしました。第4四半期連結会計期間においては、2022年6月26日~30日にかけて東京電力管内で需給ひっ迫注意報が発令された影響も受け、引き続き卸電力市場の取引価格及び相対取引による電力調達価格が高止まりしていることに加え、2023年6月期の事業環境を鑑みて契約損失引当金を計上したことから売上原価が増加いたしました。
ERAB(※10)サービスでは、一般送配電事業者が実施する調整力公募に15件採択されており、リソースアグリゲーター(※11)及びアグリゲーションコーディネーター(※12)として調整力の拠出等による売上を計上しております。
(その他)
コージェネレーションシステムを運用する顧客に対して行う燃料供給による売上が順調に推移いたしました。また、2020年4月からは、日本国内のバイオマス発電所に向けたPKS(※13)燃料販売を開始しており、当連結会計年度においては当該燃料販売における売上899百万円を計上しております。
以上の結果、エネルギーサプライ事業につきましては、売上高は18,120百万円(前年同期比8.8%減)、セグメント利益は2,584百万円(前年同期比24.4%減)となりました。
2)投資有価証券評価損の計上について
当連結会計年度において非上場株式の投資有価証券評価損343百万円を特別損失として計上しております。
なお、当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。
(※1)持続可能な開発目標(SDGs):
2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で発展途上国のみならず先進国自身が取り組むべき事項として掲げられた国際社会共通の目標であり、エネルギー、経済成長と雇用、気候変動等に対する取り組みをはじめとして計17の目標にて構成されております。
(※2)パリ協定:
第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)にてCO2排出量に削減目標を定める温暖化対策の世界的枠組みとして日本を含め196の国々による合意に基づき2015年12月に採択された国際協定であります。日本は本協定に対して2030年までに2013年比で温室効果ガス排出量を46%削減することを目標として掲げております。
(※3)エネルギー基本計画:
エネルギー政策基本法第12条に基づき制定される、エネルギーの需給に関する施策の長期的、総合的かつ計画的な推進を図るためのエネルギーの需給に関する基本的な計画のことであります。
(※4)FIT認定:
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に規定される、経済産業大臣による再生可能エネルギー発電事業計画の認定をいいます。
(※5)コージェネレーションシステム(CGS:Co-Generation System):
分散型エネルギーリソースの一つで、発電と同時に発生する熱を冷暖房や生産プロセスに利用する熱電併給システムのことをいいます。CHP:Combined Heat & Powerと呼称される場合もあります。
(※6)燃料転換設備:
工場の熱源として利用する燃料を石油から天然ガスへ転換するための設備のことをいいます。
(※7)ユーティリティ設備:
工場の生産設備の稼働に必要な電気、蒸気、水、圧縮空気、燃料等を供給する設備のことをいいます。
(※8)固定価格買取制度(FIT制度):
「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づき、太陽光、風力、バイオマス等の再生可能エネルギーで発電した電力を、電気事業者が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度であります。
(※9)オンサイトPPAモデル:
当社グループが発電事業者として、自家消費型太陽光発電所等の所有・維持管理等を行い、当該発電所等から発電された電力を需要家に供給する契約方式のことであります。
(※10)ERAB(Energy Resource Aggregation Business):
DR(※14)やVPP(※15)を用いて、一般送配電事業者、小売電気事業者、需要家、再生可能エネルギー発電事業者といった取引先に対し、調整力、インバランス(※16)回避、電力料金削減、出力抑制回避等の各種サービスを提供することをいいます。
(※11)リソースアグリゲーター:
需要家と需給調整契約を締結してエネルギーリソース制御を行う事業者のことであります。
(※12)アグリゲーションコーディネーター:
リソースアグリゲーターが制御した電力量を束ね、一般送配電事業者や小売電気事業者と直接電力取引を行う事
業者のことをいいます。
(※13)PKS:
Palm Kernel Shellの略称で、パーム椰子の種からパーム油を搾油した後に残った椰子殻のことであります。
(※14)デマンドレスポンス(DR):
需要家側エネルギーリソース(※17)の保有者若しくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させることをいいます。
(※15)バーチャルパワープラント(VPP):
IoT技術を活用して分散型エネルギーリソースを遠隔から統合制御し、1つの発電所のように機能させることによって、電力の需給バランスを調整することをいいます。
(※16)インバランス:
電気の小売供給において小売電気事業者が事前に策定した需要調達計画と実績の差分のことであります。
(※17)需要家側エネルギーリソース:
需要家の受電点以下(behind the meter)に接続されているエネルギーリソース(発電設備、蓄電設備、需要設備)を総称するものであります。
b.財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ11,306百万円減少し、38,834百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少3,435百万円、未成工事支出金の減少10,148百万円及び前渡金の増加1,836百万円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ4,838百万円増加し、55,422百万円となりました。主な要因は土地の増加803百万円及び関係会社株式の増加932百万円によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ8,741百万円減少し、21,584百万円となりました。主な要因は短期借入金の減少7,124百万円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ152百万円減少し、47,432百万円となりました。主な要因は長期借入金の減少934百万円及び繰延税金負債の増加683百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,425百万円増加し、25,239百万円となりました。主な要因は利益剰余金の増加2,158百万円によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は18,369百万円と前年同期末と比べ3,800百万円(17.1%)の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、14,646百万円(前連結会計年度は431百万円の収入)となりました。営業活動による資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益4,310百万円、売上債権の減少額13,741百万円等であります。資金減少の主な要因は、契約資産の増加額3,593百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、6,215百万円(前連結会計年度は4,475百万円の支出)となりました。投資活動による資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,102百万円、無形固定資産の取得による支出1,277百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,799百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの支出は、12,397百万円(前連結会計年度は17,098百万円の収入)となりました。財務活動による資金減少の主な要因は、短期借入金の純減少額7,127百万円、長期借入金の返済による支出10,689百万円等であります。資金増加の主な要因は、長期借入れによる収入6,842百万円等であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリング事業 |
16,825 |
117.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。エネルギーサプライ事業につきましては、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|||
受注高 (百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリング事業 |
6,096 |
85.9 |
6,210 |
22.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
エンジニアリング事業 |
16,825 |
117.1 |
エネルギーサプライ事業 |
18,120 |
91.2 |
合計 |
34,945 |
102.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年7月1日 至 2021年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
合同会社福岡みやこソーラーパワー |
- |
- |
8,765 |
25.1 |
3.前連結会計年度において当該販売実績はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、引当金等に関する見積り及び判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、上記期間における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要」も併せてご参照ください。
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ695百万円増加し、34,945百万円(前年同期比2.0%増)となりました。これは主に、エンジニアリング事業において、福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所(発電容量約67.0MW)の開発型EPCが順調に進捗したことや、物流倉庫や再エネ事業者からのリピートオーダーにより太陽光発電の受託型EPCが堅調であったことに加え、エネルギーサプライ事業において、自社再生可能エネルギー発電所の発電容量が拡大し売電電力量が増加したことや、オペレーション&メンテナンス(O&M)が順調に推移したためであります。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比べ218百万円減少し、26,489百万円(前年同期比0.8%減)となりました。売上総利益は、前連結会計年度と比べ913百万円増加し、8,455百万円(前年同期比12.1%増)となりました。これは主に、売上高の増加に加え、開発型EPCである福岡県京都郡みやこ町における大型太陽光発電所による利益貢献によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ166百万円増加し、3,309百万円(前年同期比5.3%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ747百万円増加し、5,146百万円(前年同期比17.0%増)となりました。これは主に、業容拡大等に伴うものであります。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、主に為替差益の増加等により前連結会計年度に比べ70百万円増加し、経常利益は前連結会計年度に比べ817百万円増加し、4,654百万円(前年同期比21.3%増)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損益は特別損失343百万円となりました。当社の連結子会社における投資有価証券評価損を特別損失として計上しております。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ704百万円増加し、2,695百万円(前年同期比35.4%増)となりました。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金の調達方針
当社グループの所要資金調達は、主に運転資金及び設備資金需要によるものであります。運転資金については主にエンジニアリング事業における設備工事及びシステム工事の用途として調達しており、原則として完工時一括入金の工事については銀行借入により資金の調達を行っていく方針であります。設備投資については、主にエネルギーサプライ事業において、当社グループでFIT制度に基づく再生可能エネルギー発電所等の設備を所有するためのSPCを設立し、プロジェクトファイナンスによる資金調達を行っております。プロジェクトファイナンスでは、プロジェクトの工事期間にわたり分割して資金調達を実施し、発生費用に対応する借入金額が確定した時点で利息等の条件を確定し、返済は借入金額が借入限度額まで達した後または借入金額が確定した後に行います。FIT制度の固定買取期間は20年間のため、プロジェクト期間に応じて主に10年から18年の長期借入契約を締結していく方針であります。
2)資金調達の方法
当社グループは、運転資金及び設備資金について長期借入金及び短期借入金により調達しており、手元流動性預金と合わせ、緊急な支出にも対応可能な体制を整えております。現在、社債の発行は行っておりません。
グループ各社の資金調達方法については、基本的には各社で金融機関から資金調達を行っており、合同会社の一部の子会社は、他のグループ会社より資金調達を行っております。
当連結会計年度末における有利子負債残高は61,110百万円となっております。
③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、事業の収益性を評価するために売上総利益を、グループ全体の経営状況を評価するために経常利益を重視しております。また、エネルギーサプライ事業における再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電については、自社発電所の累積発電容量(MW)にて評価を行っております。
当社グループは、取り扱う商材や提供サービスが多様であり、各商材やサービス、またそれぞれの組み合わせによって利益率が変わってくることから、事業活動によって生み出される売上総利益に加え、グループ全体の収益性評価のために経常利益を重視しており、今後もその方針としております。
なお、当連結会計年度においては、売上総利益は、前連結会計年度と比べ913百万円増加し、8,455百万円(前年同期比12.1%増)となりました。経常利益は、前連結会計年度と比べ817百万円増加し、4,654百万円(前年同期比21.3%増)となりました。
また、エネルギーサプライ事業における再生可能エネルギー発電所の所有・運営・売電においては、当連結会計年度末時点で累積発電容量は約215.1MW(合計78件)であり、今後も累積発電容量を増加させる方針としております。なお、前連結会計年度末の累積発電容量は約205.0MW(合計67件)、前々連結会計年度末時点の累積発電容量は約197.4MW(合計62件)であります。
なお、当社グループは、2022年8月15日に発表した「TESSグループ 中期経営方針」において、新たに中期目標(2030年6月期に向けた目標水準)を定めております。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。
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