当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が長期化する中、ワクチン接種の進行により経済活動の回復が期待されたものの、オミクロン株の出現や感染拡大による各地でのまん延防止等重点措置の適用もあり、個人消費は低迷しました。
世界経済は、欧米を中心に持ち直しの動きがありますが、ウクライナ情勢の緊迫化による影響が世界的に拡大し、原材料や原油価格の高騰、急激な円安の進行や部材不足等、経営環境は依然として予断を許さない状況が続いています。
このようなさまざまな制限のある環境のもと、安定した生産の確保や高機能商品の品質を維持するための生産体制を構築し、さらなるグローバルな事業展開による収益力の安定と持続的な成長の実現を目指してきました。
これらの結果、当連結会計年度において売上高は5,414百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益は1,088百万円(前年同期比7.1%減)、経常利益は1,466百万円(前年同期比43.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,097百万円(前年同期比83.5%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
ヘルスケア事業
ヘルスケア事業は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生によるロックダウンや渡航・移動制限等で個人消費が停滞し、国際輸送の混乱から海外出荷が遅滞する等、国内需要の低迷をサガミオリジナル0.01(ゼロゼロワン)の海外売上で補うことに苦慮しました。
この結果、売上高は4,047百万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は1,458百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
プラスチック製品事業
プラスチック製品事業は、原油や天然ガスの国際価格が新型コロナウイルスの感染拡大による落ち込みから世界経済が回復に向かう中で上昇を続けていましたが、ウクライナ問題を機に価格高騰に拍車がかかりました。
そのような状況の中、原料価格の上昇によるコスト増に伴う事業収益の圧迫を回避すべく、販売価格の修正を行ってまいりました。
この結果、売上高は1,153百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は44百万円(前年同期比52.2%減)となりました。
その他
入浴・介護サービス及びその他の事業の売上高は213百万円(前年同期比4.6%増)、営業損失は72百万円(前年同期は営業損失93百万円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ56百万円増加し、1,531百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により獲得した資金は、905百万円(前年同期比35.6%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が1,460百万円、減価償却費が497百万円、棚卸資産の増加が389百万円、仕入債務の減少が297百万円、法人税等の支払額が359百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により使用した資金は、675百万円(前年同期比68.8%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が673百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により使用した資金は、189百万円(前年同期は671百万円の獲得)となりました。これは主に、長・短期借入金の減少が79百万円、配当金の支払が108百万円あったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
当社グループの製品は代理店等を通じて一般市場に販売しており、大部分が見込生産であります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ171百万円減少し5,414百万円(前年同期比3.1%減)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、それによる当連結会計年度の売上高への影響は130百万円の減少となっております。
ヘルスケア事業の売上高はポリウレタン製コンドームの輸出売上が堅調に推移したものの、国内売上の減少をカバーするには至らず、182百万円減少し4,047百万円(前年同期比4.3%減)となりました。またプラスチック製品事業の売上高は、販売単価の修正に努め1百万円増加し1,153百万円(前年同期比0.1%増)となりました。その他の事業の売上高は、9百万円増加し213百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、ヘルスケア事業が74.7%、プラスチック製品事業が21.3%、その他が4.0%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、売上の減少により前連結会計年度に比べ186百万円減少し2,239百万円(前年同期比7.7%減)となり、売上総利益率は41.4%(前年同期43.4%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ83百万円減少し1,088百万円(前年同期比7.1%減)となりました。営業利益率は販売費及び一般管理費が103百万円減少しましたが、20.1%(前年同期21.0%)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、為替差益375百万円を計上したことにより、前連結会計年度に比べ440百万円増加し1,466百万円(前年同期比43.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ473百万円増加し1,460百万円(前年同期比48.0%増)となりました。また法人税等合計349百万円と非支配株主に帰属する当期純利益を減算した親会社株主に帰属する当期純利益は499百万円増加し1,097百万円(前年同期比83.5%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は17,038百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,319百万円増加しました。棚卸資産が360百万円、建物及び構築物が176百万円、機械装置及び運搬具が3,338百万円増加し、建設仮勘定が各本勘定への振替等により2,644百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は8,115百万円となり、前連結会計年度末と比較し34百万円減少しました。支払手形及び買掛金並びに電子記録債務が98百万円増加し、流動負債のその他が185百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は8,923百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,353百万円増加しました。利益剰余金が989百万円、その他有価証券評価差額金が6百万円、為替換算調整勘定が327百万円増加しました。自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.1ポイント増加し50.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
主な経営指標は、次のとおりであります。
当社グループの2022年3月期の計画は、売上高5,600百万円、営業利益1,200百万円、経常利益1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円でした。これに対し実績は、売上高5,414百万円(達成率96.7%)、営業利益1,088百万円(達成率90.7%)、経常利益1,466百万円(達成率122.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,097百万円(達成率137.2%)となりました。
売上高は収益認識に関する会計基準等の適用もあり185百万円の減少となりました。また、為替差益375百万円を計上したことにより、経常利益及び親会社に帰属する当期純利益が計画を大幅に上回る実績となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
(a) 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b) 固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(c) 退職給付に係る負債及び退職給付に係る資産
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算されております。割引率は、従業員の平均残存期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に設定しております。割引率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
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