事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、以下の項目には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2022年3月30日)現在において判断したものであります。

(1) 内製化比率の上昇

 基板事業においては、液晶ディスプレイ用ガラス素材メーカーあるいはその系列会社も当社と同様の加工(内製加工)を行っており、得意先でもあるガラス素材メーカーがガラス基板加工の内製化比率を高めた場合、当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。

(2) 需給バランスの崩れによる在庫の増加
 液晶ディスプレイ業界では、液晶パネルメーカーの生産量と液晶搭載製品の販売量との間の需給バランスが一時的に崩れる時期があり、その場合、各流通段階で液晶パネルの市況価格が下落するとともに在庫が増加し、当社への発注量が減少する可能性があります。

(3) 材料等の調達リスク

 当社における材料等(成膜用ターゲット材、研磨剤等)は、レアメタル・レアアースに分類される特殊な部材であります。これらの輸出制限や国際紛争・国際市況における価格高騰、生産状況の大幅変動などにより、生産に必要な数量を確保できなかった場合、当社の業績は影響を受ける可能性があります。

(4) 国内外の競合他社との競争状況、主要得意先の購買方針の変更等
 当社は、何れの事業におきましても国内外の競合他社と厳しい競争状況にあることから、販売価格の急落や販売数量の大幅減少などにより業績が悪化する可能性があります。また、基板事業においては、販売比率が高い得意先の購買方針の変更は当社の業績に大きな影響を与える可能性があります。

(5) 自然災害リスク

 当社は、地震や台風・洪水等のコントロール不能な大規模自然災害を受け製造中断や輸送不能の事態が長期間にわたった場合、当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。

(6) 業務提携等に関するリスク

 当社は、当社の精密加工技術を生かした分野としてサファイア研磨等の事業を立ち上げ、当社が直面している厳しい経営環境へ対応していくとともに、Novocare社と業務提携し、新規事業としてNOVOCARE事業を立ち上げ、より安定的な事業基盤を構築していくことを企図し、2020年9月15日付で同社との間で業務提携契約を締結いたしましたが、これらの業務提携等が、事業環境の悪化や提携に際して想定していた前提と異なる事象の発生等により、期待される効果を発揮しない可能性があり、そのような場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 新型コロナウイルス感染症の拡大

 世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、わが国においても2020年4月以降、現在に至るまで数次にわたり政府から「緊急事態宣言」が発せられる事態となり、わが国の経済環境は激変するとともに、多くの企業の事業運営に少なからず影響を与えております。現在、「緊急事態宣言」は全国的に解除されておりますが、感染再拡大の懸念が解消されたとは必ずしも判断されておらず、当社におきましても、今後の事業運営上、取引先との円滑な関係の停滞等により、業績に一定の影響を与える可能性があります。

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等

 当社は、前事業年度までに7期連続で営業損失、経常損失を計上しております。

 当社は、2020年4月14日に第三者割当による新株式の発行の払込みがなされ、同年4月30日に借入金返済条件の変更及び債務免除を受けた結果、債務超過は解消したものの、当事業年度においても、引き続き受注が低迷したこと及び新型コロナウイルス感染症の影響により売上が低調に推移し、営業損失42百万円を計上するに至っております。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社は、当該状況を解消し、収益構造の改善を推進するため、以下の諸施策を実施しております。

①財務基盤の改善

 当社は、2021年4月16日に那須マテリアル株式会社他2社及び個人10名を割当先とした第三者割当による新株式を発行し、同日に305百万円の払込みを受けました。また、新株式の発行と同時に第2回新株予約権を発行し、第2回新株予約権の行使による調達金額は180百万円を予定しております。なお、当事業年度において第2回新株予約権の一部行使等を受け、72百万円の払込みを受けました。

 当社は、この資金を金融債務の弁済資金及び運転資金とし、財務基盤の改善を図ります。

②事業上の改善

イ.売上高の改善

 営業力の強化、成膜・シリコンウェーハ再生事業の製品群増加・新規顧客獲得、技術力の強化、経営資源活用による新規事業の構築等を実施してまいります。

ロ.収益力の改善

 既存技術のブラッシュアップ・経営資源活用による新規案件(切断、研磨技術を活用した精密加工事業の新規市場への参入、成膜技術を活用した金属特殊コーティング事業への参入)の収益化、既存技術・設備の海外展開、中国法人である深圳康医疗设备股份有限公司(Shenzhen Novocare Medical Devices Inc.(Novocare社))との業務提携を軸としたスポンサーによる新規事業(医療支援機器・プラットフォーム)の構築に加え、原価低減・電力費削減・役員報酬カットなどの全社コスト削減を実施してまいります。

ハ.企業力の向上

 PDCAサイクルの確立、人事システムの運用見直しによる従業員のモチベーションとパフォーマンス向上、計画のモニタリング・プロジェクト管理の強化等を実施してまいります。

 しかし、これらの諸施策は実施途上であり、現時点で継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 なお、当社の財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表には反映しておりません。

 

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