業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が残るものの、一部地域では感染対策と経済活動の両立が進み、回復に向かいました。米国や中国などでは、ワクチン接種の拡大を受け、緩やかな景気回復が進んだものの、その他の地域では、新型コロナウイルス感染症の変異株による感染拡大が再発するなど、依然として不透明な状況が続きました。

当社グループの光事業の関連市場については、デジタルカメラは、ミラーレスカメラ向けを中心に需要の持ち直しが見られ、堅調に推移しました。また、エレクトロニクス事業の関連市場については、半導体露光装置、FPD露光装置ともに堅調に推移しました。

なお、当連結会計年度における米ドル及びユーロの平均為替レートは、108.22円及び129.15円となり、前年度に比べて米ドルが約0.6%の円安、ユーロは約6.6%の円安で推移しました。

このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。

売上高は、光学機器向けレンズ材や極低膨張ガラスセラミックスの販売が増加したことなどから、23,521百万円(前年同期比31.6%増)となりました。

損益面では、売上総利益は、生産設備の稼働率が改善したことや減価償却費の減少などにより、6,480百万円(同81.6%増)となりました。販売費及び一般管理費は、5,112百万円(同3.4%減)となり、営業利益は1,368百万円(前年同期は1,724百万円の営業損失)となりました。経常利益は、営業外収益として受取配当金や助成金収入を計上したことなどにより、1,733百万円(前年同期は1,319百万円の経常損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券売却益を計上したことや法人税等の計上額が減少したことなどにより1,460百万円(前年同期は4,243百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

なお、第1四半期連結会計期間より、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご覧ください。

 

(光事業)

当事業の売上高は、ミラーレスカメラを中心としたデジタルカメラ市場の回復により光学機器向けレンズ材の販売が増加したことなどから、13,943百万円(前年同期比46.4%増)となりました。損益面では、光学ガラスの需要増加により、生産設備の稼働率が改善したことなどから、営業利益は745百万円(前年同期は977百万円の営業損失)となりました。

 

(エレクトロニクス事業)

当事業の売上高は、旺盛な半導体需要により、半導体露光装置向け高均質ガラス、石英ガラスの販売が堅調に推移したことや、中小型向け有機ELパネルの需要増加により、FPD露光装置向け極低膨張ガラスセラミックスの販売が増加したことなどから、9,577百万円(前年同期比14.8%増)となりました。損益面では、生産設備の稼働率が改善したことや販売費及び一般管理費が減少したことなどにより営業利益は622百万円(前年同期は747百万円の営業損失)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加による支出や長期及び短期借入金の返済による支出があったものの、税金等調整前当期純利益を計上したほか、仕入債務の増加による収入があったことなどにより、前連結会計年度末に比べて413百万円増加し、当連結会計年度末には12,967百万円(前連結会計年度末比3.3%増)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,938百万円(前年同期比21.8%減)となりました。

これは、税金等調整前当期純利益1,863百万円(前年度は3,861百万円の税金等調整前当期純損失)や仕入債務の増加による収入735百万円(前年度は145百万円の減少)があったものの、売上債権の増加による支出2,812百万円(前年度は805百万円の減少)があったことなどが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は780百万円(前年同期比67.5%減)となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出803百万円(同21.8%増)があったことなどが主な要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,409百万円(前年同期は1,380百万円の収入)となりました。

これは、配当金の支払額244百万円(前年同期比33.4%減)や長期及び短期借入金の減少による支出(純額)834百万円(前年度は2,072百万円の収入)があったことなどが主な要因であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日

前年同期比(%)

光事業(千円)

14,147,763

187.7

エレクトロニクス事業(千円)

8,904,469

94.9

合計(千円)

23,052,233

136.2

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年11月1日

至  2021年10月31日

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光事業

15,142,448

156.6

3,799,493

146.7

エレクトロニクス事業

11,936,027

135.6

4,237,399

224.2

合計

27,078,476

146.6

8,036,892

179.4

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日

前年同期比(%)

光事業(千円)

13,943,941

146.4

エレクトロニクス事業(千円)

9,577,995

114.8

合計(千円)

23,521,936

131.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

キヤノン株式会社

2,966,577

16.6

4,591,588

19.5

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

売上高

売上高は、23,521百万円(前年度比31.6%増)となり、前年度と比較して5,648百万円の増収となりました。

売上高をセグメントごとに分析すると、光事業の売上高は、13,943百万円(同46.4%増)となり、エレクトロニクス事業の売上高は、9,577百万円(同14.8%増)となっております。

光事業において、新型コロナウイルス感染症の影響で急減した前期の反動に加え、ミラーレスカメラ向け交換レンズのラインナップ拡充により光学機器向けレンズ材の販売が増加しました。

エレクトロニクス事業において、旺盛な半導体需要により、半導体露光装置向け高均質ガラス、石英ガラスの販売が増加したことに加え、中小型向け有機ELパネルの需要増加により、FPD露光装置向け極低膨張ガラスセラミックスの販売が増加しました。

・売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、17,041百万円(同19.1%増)となり、前年度と比較して2,737百万円の増加となりました。売上原価率は72.4%となり、前年度比7.6ポイント減少しております。これは光学ガラスの需要増加に伴う生産設備の稼働率改善や前年度に計上した固定資産の減損損失により、減価償却費が減少したことが主な要因です。

販売費及び一般管理費は、5,112百万円(同3.4%減)となりました。売上の増加に伴い運搬費が増加したものの開発テーマや費用の見直しを行ったことなどから研究開発費が減少しました。なお、売上高販売管理費比率は21.7%と前年度比7.9ポイント減少しております。

・営業利益

営業利益は、1,368百万円(前年同期は1,724百万円の営業損失)となりました。光学ガラス需要の増加により、生産設備の稼働率が改善したことに加え、販管費が減少したことなどが主な要因であります。

・営業外損益

営業外収益は、415百万円(前年度比27.8%減)となりました。これは、受取配当金や助成金収入を計上したことなどが主な要因であります。

営業外費用は、50百万円(同70.3%減)となりました。これは、支払利息を計上したことなどが主な要因であります。

・親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は、1,863百万円(前年同期は3,861百万円の税金等調整前当期純損失)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,460百万円(前年同期は4,243百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

b. 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は53,606百万円(前連結会計年度末比8.0%増)となりました。これは、受取手形及び売掛金や投資有価証券が増加したことなどが主な要因であります。

流動資産の残高は31,411百万円(同10.5%増)となりました。これは、受取手形及び売掛金や電子記録債権が増加したことが主な要因であります。固定資産の残高は22,194百万円(同4.8%増)となりました。これは、投資有価証券が時価評価により増加したことなどが主な要因であります。

流動負債の残高は8,385百万円(同17.3%増)となりました。これは、支払手形及び買掛金が増加したことや固定負債からの振替により、リース債務が増加したことなどが主な要因であります。

固定負債の残高は5,109百万円(同18.8%減)となりました。これは、リース債務が減少したことなどが主な要因であります。

当連結会計年度末における純資産の残高は40,111百万円(同10.9%増)となりました。

これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したことや為替換算調整勘定が増加したことなどが主な要因であります。

 

c. キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、光学ガラス需要増加に伴う売上債権の増加や有利子負債の返済があったものの、税金等調整前当期純利益の改善や生産量の増加に伴い仕入債務が増加したことなどにより前連結会計年度末に比べて413百万円増加し、当連結会計年度末には12,967百万円(前連結会計年度末比3.3%増)となりました。詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については主に銀行借入にて必要な資金を調達しております。

 

② 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。

なお、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

a.  固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピング行い、収益性が著しく低下した資産グループにつきまして、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

固定資産の回収可能価額につきまして、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

減損損失の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載しております。

 

 

b. 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産につきまして、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、事業環境等の変化により課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

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