課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

「オハラグループは、常に個性的な新しい価値を創造して、強い企業を構築し、オハラグループ全員の幸福と社会の繁栄に貢献します」という経営理念をグループ全体で共有するとともに、全社員の行動規範としています。

また、当社グループが今後進むべき道や未来のありたい姿を明確化すべく、以下のコーポレート・メッセージを策定しています。


 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

①長期ビジョン2035

経済環境やテクノロジーは加速度的に変化しており、将来の経営環境を見通すことはますます困難になっています。このような状況の下、変化の後追いではなく、主体的に変化し機敏に対応できる企業となることを志向しつつ、創立100年となる2035年、さらにその先の成長を見据えて、「長期ビジョン2035」を策定しました。長期ビジョン2035は、2020年度に発表した「コーポレート・メッセージ」に加え、それをどのように実現するかという視点で新たに整理した「価値創造モデル」により構成されています。「ひかる素材で、未来をひらく」をブランドスローガンに、いつの時代も新たな素材の可能性を追求し、お客様、加工先様との価値協創を通じて事業活動を加速させ、「生活・文化の向上」、「フロンティア開拓」、「地球環境の改善」に貢献することを使命としています。
また、以下の経営方針、財務指標のもと、コーポレート・ガバナンスの強化を図るとともに、当社グループ全体で長期ビジョン2035の実現に向けた取り組みを展開してまいります。

 

長期ビジョン2035経営方針
『オプティクス技術への貢献』
『価値協創による新ビジネス創出』
『価値創造力・効率性・収益力向上』

 

財務指標(2035年)

ROE(自己資本利益率)         8.0%以上

 

②中期経営計画(第113期 2021年10月期~第115期 2023年10月期)

第113期にスタートした3ヵ年の中期経営計画は、「市場変化のスピードに負けない機敏性」、「新陳代謝の加速」を方針に、コロナ禍により落ち込んだ業績の回復を最優先事項とし、事業構造の立て直しと財務体質の改善を進めてまいりました。初年度となる第113期(2021年10月期)の業績が概ねコロナ禍前(第111期 2019年10月期)の水準まで回復したこと、及び長期ビジョン2035の策定を踏まえ、一部内容を更新いたしました。

長期ビジョン2035で掲げた3つの経営方針に加え、「コア組織能力・コアプロセスの強化」、「社会課題・環境問題への取り組み」を加えた5つの改革ポイントを軸に、第115期(2023年10月期)の財務指標を以下のとおり修正し、長期ビジョン2035の実現に向けた活動を展開してまいります。

 

財務指標(第115期 2023年10月期)

売上高                        265億円以上

営業利益                       30億円以上

ROE(自己資本利益率)           6.5%以上

 

(3) 事業環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループは、経営理念のもと、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化を図り、企業として社会に貢献できるよう努めるとともに、国際連合で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献すべく取り組んでまいります。

優先的に対処すべき課題としては、デジタルカメラ市場向け光学ガラスに次ぐ新しい収益基盤の確立であると認識しております。

 

セグメント別の事業環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。

 

① 光事業

デジタルカメラ市場は、新型ミラーレスカメラの需要増により市場縮小に歯止めがかかりつつあるものの、高解像度レンズを搭載した高級スマートフォンの登場により今後も緩やかな市場縮小が続く可能性があります。一方、プロジェクター、監視カメラ、車載カメラなどの分野では、画像の高精細化の進展により、品質の高い光学ガラスに対するニーズが高まることが見込まれます。こういった状況を踏まえ、モバイル、モビリティ、メディカルなど、デジタルカメラ以外の用途での拡販を強化すべく、市場ニーズに合わせた材料開発を進め、またガラスモールドレンズなどの付加価値の高いレンズ加工品の販売比率を高めることで、売上規模を確保していきます

 

② エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業の関連市場においては、露光装置は半導体向け、FPD向けともに需要の増加が見込まれます。また、光通信市場では、第5世代移動通信システム(5G)の環境整備に向けた設備投資が見込まれます。

こういった環境を踏まえ、 露光装置や光通信関連については、需要動向を的確に捉え、受注を獲得していきます。耐衝撃・高硬度クリアガラスセラミックス「ナノセラム™」は、スマートフォン用途としての採用を目指して活動しておりますが、素材の特性を生かした用途展開を目指し、スマートフォン用途以外への拡販にも注力していきます。リチウムイオン伝導性ガラスセラミックス「LICGC™」は、全固体電池における実用レベルの特性実現を目指すとともに、液系リチウムイオン電池の特性向上につながる添加材としての拡販を進めていきます。

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