<経営方針>
当社グループは、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」という企業理念のもと、セメントをはじめとする各種製品の安定供給を推進するとともに、持続的発展のため、グループを挙げて事業拡大およびコスト削減等に取り組んでまいります。
<事業環境>
今後のわが国経済は、ウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症の影響等による下振れリスクが存在しており、景気の先行きは不透明な状況にあります。
セメント業界におきましては、都市部における再開発工事等の民間設備投資が増加することにより、民需は、増加すると見込まれるものの、公共事業関係費予算の減額等により、官公需は、減少すると見込まれることから、セメント国内需要は、前年並みで推移するものと思われます。
<中期経営計画の進捗状況および今後の取り組み>
当社グループは、2020年度から「2020―22年度 中期経営計画」をスタートさせました。本中期経営計画では、「セメント関連事業および高機能品事業の両事業分野で、市場を拡大し、安定的に成長し続ける企業グループとなる。」ことを将来目指すべき方向性としております。
本中期経営計画の当期の進捗状況および今後の取り組みは、以下のとおりであります。
①セメント関連事業(セメント事業・鉱産品事業・建材事業)
(イ)セメント・固化材の収益力向上と事業基盤整備
セメント国内需要減少下において国内販売と輸出両面における数量の確保とコスト削減に努めており、引き続き、外部環境に影響されにくい体制を構築してまいります。
また、セメントタンカーのリプレース等による物流の合理化や当社子会社である八戸セメント株式会社における排ガス処理設備更新工事等の環境対策投資を行いました。引き続き、物流合理化の拡大や生産物流体制の整備、環境対策など必要な投資を進め、事業基盤を強化してまいります。
(ロ)関連事業の拡大
海外セメント事業の立ち上げに注力し、当社が出資するオーストラリアの事業会社においてセメントターミナルが稼働いたしました。
引き続き、海外セメント事業の立ち上げに注力してまいります。また、鉱産品事業・建材事業は、安定的な成長を目指してまいります。
②高機能品事業(光電子事業・新材料事業・電池材料事業)
(イ)既存主力商品の競争優位性の確保と新製品の開発
技術力強化と生産性向上により、顧客ニーズへ的確に対応していくとともに、基盤技術の応用と外部リソースの活用などによって、研究開発を強化し、新製品の開発に取り組みました。引き続き、市場拡大を見込む成長分野として積極的に事業を推進してまいります。
③環境対策
(イ)環境対策強化
社会的課題となっている廃プラスチックや一般ゴミ焼却灰の受入に努めました。引き続き、廃プラスチックや一般ゴミ焼却灰の受入に注力し、そのための設備投資を実施してまいります。
(ロ)CO2排出削減への取り組み
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業において、「多様なカルシウム源を用いた炭酸塩化技術の確立」が事業テーマとして採択されました。本事業テーマに基づき、今後、セメント生産工程で分離されたCO2と廃棄物由来のCaOを再結合させることで得られる人工石灰石(CaCO3)を原料としたカーボンリサイクルセメントの製造に向けた検討を進め、将来的なセメント産業でのカーボンニュートラルを目指してまいります。
また、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」へ賛同し、「TCFDコンソーシアム」に参加いたしました。今回の賛同表明に際し、当社グループ全事業における気候変動の影響について、シナリオ分析を行い、TCFDの推奨項目に沿って「戦略(リスクと機会)」等を情報開示いたしました。
引き続き、「2050年カーボンニュートラル」に向けた当社グループの具体的な中期目標および長期取組方針である「SO-CN2050」に基づき、CO2排出削減への取り組みを進めてまいります。
これらの取り組みにより、中長期的な数値目標として、ROE(自己資本当期純利益率)8%以上を目指すとともに、当社グループの安定的成長と社会的課題の解決を図っていくことにより、当社グループの5つのマテリアリティ(①「豊かな社会の維持・発展に貢献」、②「地球環境への配慮」、③「循環型社会への貢献」、④「人材の育成・活用」、⑤「ガバナンスの充実」)を実現してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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