文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、基幹事業である土木用・建築用セメント製品事業を中心に、収益の確保を最優先とした事業展開を基本方針とし、市況の情勢に呼応する販売体制の確立や業務効率の向上を目指した企業体質改善への取り組みに加え、提案・設計営業の強化や土木用大型コンクリート構造物のプレキャスト化への推進により、販売力の強化とシェアの拡大を図り、市況動向への迅速な対応にも注力することを重点方針としております。
(2)経営戦略等
上記重点方針のもと、前年度より継続して社会資本の整備に向けた具体策への情報収集に加え、国土強靭化に向けた防災・減災対策や道路・橋梁等の老朽化対策等に対する各地方自治体の動向に今以上の注視を重ねております。また、自然災害による被災地に対しましては、工事の進捗に合わせ必要とされるコンクリート二次製品の安定的な供給が責務であると受け止め、当社グループの総力を結集させ全力にて取り組むとともに、業務効率の向上を目的とした同業他社とのアライアンスなど、根幹的な収益確保に向けた企業体質の改善にも取り組んでおります。
(3)経営環境
今後の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、気候変動による豪雨の激甚化・頻発化や切迫する巨大地震への備えが急務であることを背景に、2022年度国家予算の基本方針の一つである「国民の安全・安心の確保」に基づいた公共事業投資の方針は前年度と変わらず、新型コロナウイルス対策で財政が逼迫する状況においても、公共事業投資の今年度当初予算につきましては、防災・減災、国土強靭化の取り組みを加速化・深化させるべく前年度当初予算と同水準で決定されております。また、予算決定の経緯からも防災・減災及び老朽化した社会インフラ対策を中心とする国土強靭化計画の実現は喫緊の重要課題であるとの認識のもと、前年度以上に活発な動きになるものと予測しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営環境を踏まえ、当社グループは、国土強靭化計画に基づく防災・減災対策並びに道路・トンネル・橋梁等の各種インフラ老朽化対策に向けた各地方自治体の動向に注視するとともに、生活の基盤を支える社会資本整備への具体策に向けた情報収集にも注力してまいります。一方、原油の高騰、円安の進行、ウクライナ情勢等に起因する諸品目の大幅な価格高騰などを要因として、当社グループにおいても原材料並びに資材・経費の価格上昇は避けられない状況と受け止め、係る原価の上昇を販売価格へ転嫁することが企業存続の必須条件と心得て対処してまいります。
(5)課題に対する具体的な取組状況等
当社グループは当面の課題に対処するため、土木用セメント製品事業におきましては、2020年7月に熊本県南部の人吉球磨地区を中心に発生した豪雨災害にて被災した地域への復旧に向けた動きに合わせ、必要とされるコンクリート二次製品の安定的な供給が与えられた責務であるとの認識のもと、タイムリーな対応を心掛けるとともに、防災・減災及び老朽化した社会インフラ対策に基づく各地方自治体の方針に沿った具体的な動きにも注視してまいります。また、大型コンクリート構造物のプレキャスト化の普及拡大を推進すべく、積み上げてきた数々の納入実績をアピール材料として継続的かつ意欲的な営業活動に努めてまいります。
建築用セメント製品事業におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により抑制されていた社会活動も、ワクチン接種率の上昇に併せて徐々にその動きを取り戻していくとの期待のもと、先送りされていた既受注物件の着工とともに、民間需要の回復の動きにも遅れることがないよう積極的な対応を心掛けてまいります。また、人手不足や工期短縮に対応できる建築用コンクリート二次製品の利点についても事例を交えて積極的にアピールし、工場生産量の平準化に繋がる安定的な受注の確保に努めてまいります。
不動産関連事業におきましては、生活のイメージがつかみやすいリアルサイズの展示場として、販売用の土地区画内に一定期間展示した後でそのまま販売する「マチカドモデルハウス」の展開を強化するとともに、SNS等も最大限に活用して効率的な集客に取り組んでまいります。また、換気に優れ新型コロナウイルス対策にも効果的で、5つのデザインスタイルからセレクトできる自社ブランド「さらりの家」の特長をさらにアピールし、幅広い年齢層の顧客獲得を目指してまいります。そのほか、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて「ZEH」を当社の標準仕様とし、この普及拡大を推進してまいります。
また、当社はSDGsの取り組みの一環として「人と環境の最適な調和を目指し、あらゆる自然災害から人命並びに財産を守ることを目的に強靭な国土、強靭なインフラ構築の礎となるコンクリート製品の供給を当社の使命及び役割とする。」をSDGs達成に向けた経営方針として掲げ、今後も目標に向け日々取り組んでまいります。
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