業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の 概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響で急速に悪化した後、社会経済活動の段階的な再開や政府の各種経済対策の効果等により景気は持ち直していましたが、感染症再拡大の懸念により年度末にかけて再び悪化傾向となりました。

 今後は緊急事態宣言の再発令により個人消費の減少や雇用情勢の悪化が見込まれ、経済活動の水準がコロナ前の水準に戻るにはもう暫く時間を要すると思われることから、当面の間経済環境は不透明で厳しい状況が見込まれます。

 このような状況の下、セメント業界向けを中心とする耐火物事業については、セメントの国内生産量が2年連続でマイナスになる中、新規顧客の開拓及び生産性改善等の各種コスト削減に積極的に取り組んだものの、価格競争の激化、設備投資に伴う減価償却費負担の影響もあり売上高、利益ともに減少しました。

 プラント事業については、設備投資環境が低調に推移する中、企業収益の悪化や設備投資計画の延期等の影響もあり、売上高、利益ともに減少しました。

 建材及び舗装用材事業については、感染症の拡大及び天候不順による工事の一部遅延や中断・延期などの影響により、売上高、利益ともに減少しました。

 不動産賃貸事業については、遊休不動産の積極活用により売上高、利益ともに増加しました。

 これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前期末に比べ110百万円減少し、17,211百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前期末に比べ1,038百万円減少し、6,167百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前期末に比べ927百万円増加し、11,044百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高は 11,837百万円 (前年同期比 10.4%減 )、 営業利益は1,156百万円 (前年同期比 16.3%減 )、 経常利益は1,216百万円 (前年同期比 16.0%減 )、 親会社株主に帰属する当期純利益は857百万円 (前年同期比 15.3%減 )となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(耐火物事業)

 耐火物事業につきましては、当連結会計年度の売上高は 5,113百万円 (前年同期比 11.1%減 )、 セグメント利益は282百万円 (前年同期比 25.5%減 )となりました。

(プラント事業)

 プラント事業につきましては、当連結会計年度の売上高は 4,196百万円 (前年同期比 9.9%減 )、 セグメント利益は589百万円 (前年同期比 19.1%減 )となりました。

(建材及び舗装用材事業)

 建材及び舗装用材事業につきましては、当連結会計年度の売上高は 2,114百万円 (前年同期比 12.6%減 )、 セグメント利益は80百万円 (前年同期比 35.2%減 )となりました。

(不動産賃貸事業)

 不動産賃貸事業につきましては、当連結会計年度の売上高は 312百万円 (前年同期比 5.0%増 )、 セグメント利益は155百万円 (前年同期比 6.2%増 )となりました。

(その他)

 主に、外注品等を販売する事業であり、当連結会計年度の売上高は 100百万円 (前年同期比 12.3%増 )、 セグメント利益は22百万円 (前年同期比 28.1%増 )となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は 517百万円 (前年同期末比 16.2% )減少し、 2,673百万円 となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果 得られた資金は612百万円 (前年同期比 54.0 %減)となりました。

 収入の主な内訳は、 税金等調整前当期純利益1,219百万円 、たな卸資産の減少額 523百万円 及び減価償却費 406百万円 であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額 879 百万円、法人税等の支払額 422百万円 及び 売上債権の増加額 232百万円 であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果 使用した資金は925百万円 (前年同期比 33.1%増 )となりました。

 収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入 53 百万円及び有価証券の償還による収入 25 百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出 878 百万円及び投資有価証券の取得による支出 117 百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果 使用した資金は204百万円 (前年同期比 55.9%減 )となりました。

 支出の主な内訳は、配当金の支払額 164 百万円及び長期借入金の返済による支出 40百万円 であります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

耐火物事業

3,955,202

88.9

プラント事業

3,145,575

91.4

建材及び舗装用材事業

1,650,390

84.6

その他

合計

8,751,167

88.9

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 不動産賃貸事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

耐火物事業

5,041,980

94.7

1,919,029

96.4

プラント事業

2,896,349

61.4

1,852,951

58.8

建材及び舗装用材事業

2,023,865

84.1

93,053

50.8

その他

92,429

101.7

1,777

18.9

合計

10,054,625

80.2

3,866,811

72.5

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 不動産賃貸事業については、その性質上、該当事項がないため記載しておりません。

4 プラント事業、建材及び舗装用材事業において、受注残高が前年同期比で減少しているのは、コロナ禍に伴い得意先の設備投資が抑制されたこと等によるものであります。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

耐火物事業

5,113,911

88.9

プラント事業

4,196,578

90.1

建材及び舗装用材事業

2,114,062

87.4

不動産賃貸事業

312,790

105.0

その他

100,040

112.3

合計

11,837,383

89.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(資産の状況

 流動資産は、受取手形及び売掛金が増加したものの、現金及び預金やたな卸資産の減少などにより、全体としては 9,576百万円 (前期末比844百万円減)となりました。固定資産は、繰延税金資産が減少したものの、建物及び構築物(純額)や投資有価証券の増加などにより、全体としては 7,634百万円 (前期末比733百万円増)となりました。その結果、資産合計では 17,211百万円 (前期末比110百万円減)となりました。

負債の状況

 流動負債は、1年内償還予定の社債が増加したものの、支払手形及び買掛金の減少などにより、全体としては 4,777百万円 (前期末比 533百万円減 )となりました。固定負債は、社債や長期借入金の減少などにより、全体としては 1,389百万円 (前期末比504百万円減)となりました。その結果、負債合計では、 6,167百万円 (前期末比1,038百万円減)となりました。

純資産の状況

 純資産は、 利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加などにより、 11,044百万円 (前期末比 927百万円増 )となり、自己資本比率は 64.2 %(前期末比5.8ポイント増)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 売上高は、不動産賃貸事業については増加となったものの、新型コロナウイルス感染症の影響による得意先の設備投資計画の延期や価格競争の激化などにより、前連結会計年度に比べ 10.4%減 11,837 百万円となりました。

(各段階利益)

 営業利益は上記売上高の減少などにより 1,156 百万円(前年同期比 16.3%減 )となりました。経常利益は受取配当金や補助金収入などにより 1,216 百万円(前年同期比 16.0%減 )、親会社株主に帰属する当期純利益は税金費用の支払いなどにより 857 百万円(前年同期比 15.3%減 )となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、事業運営上必要な流動性を常に確保し、高い財務健全性を担保することを基本方針としております。必要な資金については、事業により創出されるフリー・キャッシュ・フロー、金融機関からの借入、及び社債の発行により資金調達をしており、運転資金及び設備資金につきましては、当社グループのものを含め当社において一元管理しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は 2,673 百万円、有利子負債残高は1,950百万円であり、手元流動性は十分に確保している状況であり、財務状況は健全であると認識しております。
 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しているとおりであります。

 

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