当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症といいます。)のワクチン接種の促進により新規感染者が減少しましたが、新たな変異株感染症の再拡大による影響で経済活動に制限と緩和が繰り返されました。また、ウクライナ情勢を背景に原油をはじめとする国際商品市場の急騰、世界的な半導体の供給不足などが見られ、世界経済の先行きについて不透明感が増していると考えております。
このような状況の中、当社グループは、経営基本方針である「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」のもと、当社グループの価値として掲げる「塗る・切る・磨くで世界を変える」ための取組みを強化してまいりました。
当社グループの事業環境におきましては部材不足の影響を受けたものの、半導体市場は前連結会計年度から引き続き感染症防止のためのテレワークやリモート会議等の社会的な促進があったため、データセンターやPC向け需要が増加し、ハイテク分野におけるハードディスク関連、光ファイバー関連、半導体関連共に市況が堅調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は売上高104億49百万円(前年同期比41.9%増)、営業利益は14億67百万円(前年同期は3億59百万円の営業利益)、経常利益は16億13百万円(前年同期は3億1百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億50百万円(前年同期は87百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
製品事業の売上高は、75億70百万円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は8億84百万円(前年同期比160.6%増)となりました。ハードディスクや光ファイバー、半導体といったハイテク分野関連市場での売上が増加し、相対的に利益率の高い製品の売上構成が高まったこと等により増収増益となりました。
受託事業の売上高は、28億79百万円(前年同期比204.8%増)、セグメント利益は5億82百万円(前年同期は19百万円のセグメント利益)となりました。受託コーティング・スリットサービスについては、次世代ディスプレイ用部材の生産が本格稼働したことが主要因で売上が増加いたしました。また、半導体関連の受託研磨サービスについても需要増となり増収増益となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ33億5百万円増加の146億6百万円となりました。
主な内容は、売掛金の増加1億81百万円、仕掛品の増加2億44百万円、前払金の増加27億55百万円、繰延税金資産の増加1億98百万円等であります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ4億12百万円減少の65億15百万円となりました。主な内容は、支払手形及び買掛金の増加1億39百万円、未払法人税等の増加2億56百万円、賞与引当金の増加1億1百万円、長期借入金の減少7億16百万円、繰延税金負債の減少2億37百万円等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ37億18百万円増加の80億91百万円となりました。主な内容は、新株の発行による資本金の増加10億13百万円及び資本剰余金の増加10億13百万円、親会社株主に帰属する当期純利益15億50百万円、為替換算調整勘定の増加1億40百万円等であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、55.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ6億28百万円減少の22億34百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、16億56百万円の増加(前年同期は1億14百万円の減少)となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益14億19百万円、減価償却費3億29百万円、減損損失82百万円、賞与引当金の増加99百万円、関係会社整理損失引当金の増加71百万円、売上債権の増加による減少1億58百万円、棚卸資産の増加による減少3億25百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、33億36百万円の減少(前年同期は2億25百万円の減少)となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出33億1百万円等であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、9億32百万円の増加(前年同期は5億75百万円の増加)となりました。主な内容は、長期借入金の返済による支出11億58百万円、株式の発行による収入20億14百万円等であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当社グループの事業は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度は、感染症による規制と緩和が繰り返され、半導体をはじめとする各種部材・製品の需給逼迫やウクライナ情勢等による原油などの資源価格の高騰の影響もあり、国内外の景気の見通しについては不透明な状況が続いております。
当連結会計年度は前連結会計年度同様にリモートワークやWEB会議等の普及が引き続き広がり、ハイテク分野におけるハードディスク関連や半導体関連、光ファイバー関連の製品及び受託事業が堅調に推移いたしました。その結果、売上は昨年同期と比較し増収を確保し、営業利益及び経常利益は、構造改革によるコスト削減等の影響もあり、大幅に増加いたしました。
現在、2022年4月1日に取得した鹿沼工場を軸に生産体制の再編を実施しており、今後更なる製品事業及び受託事業の生産能力拡大、生産体制の効率化、事業拡大を目指してまいります。
2023年3月期の業績予想につきましては、引き続き感染症やウクライナ情勢の影響による経済活動等への不透明感があるものの、ハードディスク関連及び光ファイバー等利益率の高い製品事業や受託事業が堅調に推移するものと思われ、売上高は105億円、営業利益は10億円、経常利益は11億円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億円を見込んでおります。
当社グループは、国内外での事業活動について中長期的な視野から資金需要を認識しており、運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金の他、社債の発行、エクイティファイナンス及び金融機関からの借入等による資金調達にて対応しております。
資金調達については、調達コストとリスク分散を勘案し、調達手段の多様化を図ることで、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。
また、これらの資金需要に対応するため、GCMS(グローバル・キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、当社グループにおける資金の可視化、資金の有効活用や金融費用の削減、またリスク管理の高度化を図っております。
当連結会計年度末における社債及び借入金、リース債務を含む有利子負債残高は、10億23百万円減少し、40億90百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22億34百万円となりました。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響や主要顧客の情勢等については、先行きが不透明な状況ではありますが、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、翌連結会計年度の前半までは足元の状況が継続し、その後緩やかに回復するという一定の仮定のもと、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項」の「追加情報」に記載のとおりであります。
なお、見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、過去の実績や状況に応じて最も合理的と考えられる方法等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
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