研究開発活動

5 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発活動におきましては、当社経営基本方針に掲げる「エンジニアリングアプローチによる製品事業の付加価値向上」「受託事業からエンジニアリングサービス事業への転換」「早い変化と多様性に対応できる経営基盤の整備」に基づき進めてまいりました。

次世代半導体の「課題」解決に対して、半導体市場の中でも付加価値の高い化合物半導体、酸化物半導体及び複数の材料で構成されるハイブリットウェハに重点を置き、次世代ハイブリットウェハ「Engineered Substrate」の創出を目指した取組みを行いました。

この結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は48百万円となりました。

主な研究開発活動は次のとおりであります。

 

(製品事業)

(1) ハードディスク関連

既存の垂直磁気記録方式のハードディスクに対して大容量化に伴い、より高精度な研磨とスクラッチレスの両立が求められており、新しい研磨材と当社塗布技術を用いた研磨フィルムの開発を、また近い将来登場する次期方式であるエネルギーアシスト磁気記録方式のハードディスク向け研磨フィルム用に、新しい塗布技術の確立に向けた開発を進めてまいりました。

 

(2) 光ファイバー関連

5G等の高速データ通信の開始及びテレワークの普及によるデータセンター用コネクタ市場の拡大に伴い、同コネクタ向けの初期工程の粗研磨フィルムから最終工程の精密仕上げ用の研磨フィルム及び研磨スラリーの製品開発に取組んでまいりました。

 

(3) ウェハ関連

シリコンウェハの需要増に応えるために、12インチ向けを主とした研磨フィルム式エッジ/ノッチ研磨の加工効率向上に関する開発(アプリケーション開発)を進めてまいりました。従来機と比較して柔軟な研磨条件設定が可能になった新ソフトウェアを筆頭に、炭化ケイ素砥粒系研磨フィルムを用いる従来からの工法を改め、ダイヤモンド砥粒を積極的に使用するアプリケーションを開発してまいりました。制御とハード(研磨材)両者を組み合わせた開発(改善)により、高スループットでのエッジ/ノッチ研磨加工を実現した事に加え、接合ウェハ(貼り合わせ基板)等の特殊ウェハにも対応出来るよう、応用(横展開)を意識した開発を継続しております。

 

(4) 不織布研磨紙の開発

電解銅箔製造に用いられるチタン製ドラムのクリーニング研磨に使用される不織布研磨材の開発に取組んでまいりました。半導体はもちろんのこと、プリント配線板やリチウムイオン電池の需要が増しており、電子産業における不織布研磨材のシェア拡大を目指しております。

 

(5) 半導体結晶観察装置の開発

国立研究開発法人からの事業委託、大学と共同研究契約を締結し研究開発を行い、新たな光学検査装置の開発に着手してまいりました。2、3年の研究開発事業として計画されており、来年度以降本開発をベースにした観察サービスの提供を予定しております。

 

この結果、当連結会計年度における製品事業の研究開発費は30百万円となりました。

 

 

(受託事業)

次世代パワー半導体材料として市場で期待が高まっているダイヤモンド基板について、その基板化に不可欠なエッジ面取り工程、及び平面研磨(CMP)工程の工法確立に重点を置いた開発を進めてまいりました。自社製研磨フィルムや液体研磨剤(スラリー)を本用途に向けカスタマイズした事に加え、従来のレンジを遥かに超えた研磨加工条件を実現出来る開発環境を整え、開発を継続しております。また、研磨加工工程の後に控える常温接合プロセスとの組合せも図り、トータルで市場の期待に応えられるワンストップ体制で臨んでおります。 また、同基板(材料)は放熱基板用途としてのニーズもあり、既存のSiCやGaN等を使用したパワーモジュールの性能向上にも寄与する優れた材料であります。受託コーティング・スリットサービスについては、製品事業で培った「塗る・切る」の技術ノウハウを生かし、当社91期に新規受注した次世代ディスプレイ用部材に取組みました。継続的にお客様のご要望に合わせて新たな付加価値を付けたものづくりに努めてまいります。

 

この結果、当連結会計年度における受託事業の研究開発費は18百万円となりました。

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