事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 中東合弁事業のリスク

当社は、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しております。2007年に中東地域への進出を決定し、中東事業の合弁パートナーであるFoulath社と共に、2009年にバーレーンにスルブカンパニーBSC(c)「以下SULB社」を設立し、主にH形鋼の生産・販売のため、直接還元鉄から製鋼、圧延の一貫工場を建設いたしました。また、Foulath社と共に2011年には特別目的会社を通じてサウジアラビアの中小型形鋼メーカーの資産買収を行い、ユナイテッド・スルブカンパニー(“サウジスルブ”)LLC「以下Saudi Sulb社」を設立し、中東地域での合弁事業を拡大いたしました。

 SULB社は2013年7月末より商業生産を開始し、早期にフル生産体制を確立いたしましたが、中東地域での公共投資の低迷、安価な輸入品の流入、政府補助カットに伴う湾岸諸国での電気、ガス、水道価格の実質上の値上げによるコスト増などその経営環境は当初想定していなかった様々な要因の影響を受けております。足元では世界的な鉄鋼需要の引き締まりを受け、GCC域外からの輸入材の圧力低下や鉄スクラップ高を背景とした鉄鋼製品・半製品の価格上昇などの市場環境の改善により黒字化したものの、経営環境は依然として楽観視できる状況には至っておりません。また、Saudi Sulb社においても同様の状況となっております。

当社は中東合弁事業に多額の投資(貸付、債務保証含む)を行っており、今後、中東の営業活動に伴う損失に加え、多額の投資損失が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 新型コロナウイルス感染症及び将来におけるパンデミックに係るリスク

 当社グループは、各国・地域における新型コロナウイルス感染症の拡大状況に応じて、不要不急の外出・出張・会合等の自粛などに加え、在宅勤務・交代勤務の活用、時差出勤や出退勤時の公共交通機関利用回避などを実施しております。引き続き感染者の発生や拡大防止に努め、社員ならびに関係者の皆様の安全を優先しながら事業継続に全力で取り組んでまいります。

 今後、新型コロナウイルス感染が再拡大し、各拠点の事業環境が悪化した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、将来において未知のウイルス等によるパンデミックが発生し、政治、経済環境の制限等が課された場合にも、経済活動の停滞により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外進出に潜在するリスク

 当社グループの生産及び販売活動は、国内のみならず、米国、タイ、韓国、バーレーン、サウジアラビア並びにベトナムで行われ、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しております。これらの海外市場への事業進出においては、各国で発生する恐れのあるテロ、戦争、その他の要因による社会的混乱により関係会社の業績と財務状況に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。また、各国での予期し得ない政治又は法環境の変化、経済状況の変化等により、事業の遂行に問題が生じる可能性もあります。

 

(4) 製品販売価格と主原料価格の変動

 当社グループの主力である鉄鋼事業の業績は、製品販売価格と主原料であるスクラップ価格の変動に大きく影響されます。また、SULB社では当社グループで唯一、鉄鉱石ペレットを主原料としております。これらの市場価格は、国内外の経済情勢をはじめ外部環境により大きく影響を受ける可能性があります。

 

(5) 為替レートの変動

 当社グループは、世界市場をターゲットとして、グローバルに事業を展開しており、在外子会社、関連会社等の業績が連結の経営成績に大きく影響を及ぼします。連結財務諸表は、各国の現地通貨を円換算して作成しているため、為替レートの変動により財務内容に影響を及ぼします。また、当社グループが保有する現金及び預金のうち、外貨の占める割合は高く、一般に、他の通貨に対する円高は、当社に悪影響を及ぼし、円安は当社に好影響をもたらすことになります。なお、為替レートの変動による為替換算調整勘定の増減が包括利益並びに純資産に大きく影響を及ぼしますが、為替換算調整勘定は在外子会社等を保有することで生じる連結財務諸表の報告上のものであり、当社の業績そのものを左右するものでなく、今後とも引き続き海外事業の展開を続ける方針であることから為替換算調整勘定の変動に対してヘッジは行っておりません。

 

(6) 電力リスク

 当社グループはグローバルに事業を展開する電炉メーカーであり、大量の電力を使用する当社グループにとって、大幅な電力単価の引上げや電力使用制限があれば、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 気候変動リスク

 気候変動リスクにつきましては、「1  経営方針、経営環境及び対処すべき課題等  (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」をご参照ください。

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