業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が普及したことなどにより、経済活動の正常化に向けた動きが見られたものの、年明け以降の感染再拡大やロシア・ウクライナ情勢を起因とした原材料価格の高騰、及びサプライチェーンの混乱が生じるなど、依然として先行き不透明な状況が継続しております。

当社の属する電炉小棒業界におきましては、主原料の鉄スクラップ価格が13年ぶりの高値をつけるなど製造コストの大幅な上昇により、特に採算面で厳しい経営環境となりました。

このような中で、当社は主力製品であるネジ節棒鋼のネジテツコン並びにその関連商品の拡販に注力するとともに、製品価格への転嫁やコストダウンに取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a  財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億2千2百万円減少し、630億6千2百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ36億3百万円増加し、206億4千9百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ56億2千6百万円減少し、424億1千3百万円となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用したことにより、適用を行う前と比べて、当連結会計年度の資産合計は7百万円減少しております。

b  経営成績

当連結会計年度の経営成績は、連結売上高660億8千9百万円(前年同期比5.9%増)、営業損失1億9千2百万円(前年同期は営業利益75億1千4百万円)、経常損失6億4千4百万円(前年同期は経常利益75億2千4百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失47億2千4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益49億8千万円)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、適用を行う前と比べて、当連結会計年度の売上高は215百万円減少し、営業損失は207百万円増加し、経常損失及び税金等調整前当期純損失はそれぞれ7百万円増加しております。

また、セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

鉄鋼事業は、売上高653億7千8百万円(前年同期比5.4%増)、セグメント損失6億4千7百万円(前年同期比はセグメント利益73億1千6百万円)となりました。

その他は、売上高51億6千8百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益4億9百万円(前年同期比181.4%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は73億6千5百万円と前年同期と比べ39億9千5百万円減少(35.2%)しました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失が52億3千9百万円(前年同期は税金等調整前当期純利益72億3千2百万円)となり、減価償却費及び減損損失を主たる収入として、税金等調整前当期純損失、売上債権の増加及び棚卸資産の増加に伴う支出などを差し引きして、51億4百万円の支出(前年同期は78億9千4百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、33億5千8百万円の支出となり、前年同期と比べ支出が2億4千5百万円(7.9%)増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れ及び長期借入れによる収入などにより、44億6千6百万円の収入(前年同期は13億7千2百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a  生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼事業

41,912

+1.6

その他

合計

41,912

+1.6

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 その他における生産実績はありません。

 

b  受注実績

当社は、全製品について見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c  販売実績

当連結会計年度における外部顧客に対する販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼事業

65,164

+5.2

その他

924

+110.8

合計

66,089

+5.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社

23,732

40.2

20,974

31.7

エムエム建材株式会社

12,053

20.4

14,738

22.3

阪和興業株式会社

13,612

23.1

14,700

22.2

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。この見積りについては過去の実績や状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社業績への影響等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a  経営成績等

1) 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ20億2千2百万円減少し、630億6千2百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が13億8千2百万円、電子記録債権が5億9百万円、商品及び製品が26億1千9百万円増加した一方で、現金及び預金が39億9千5百万円、有形固定資産が51億2千4百万円減少したことによるものです。

(負債合計)

負債の合計は、前連結会計年度末に比べ36億3百万円増加し、206億4千9百万円となりました。これは主に借入金が増加したことによるものです。

(純資産合計)

純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ56億2千6百万円減少し、424億1千3百万円となりました。これは主に減損損失計上により利益剰余金が減少したことによるものです。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用したことにより、適用を行う前と比べて、当連結会計年度の純資産合計は7百万円減少しております。

 

2) 経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、出荷数量は減少したものの、販売価格の引上げなどにより、前連結会計年度に比べ36億9千8百万円増加し、660億8千9百万円(前年同期比5.9%増)となりました。セグメント別の売上高は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は、主原料である鉄スクラップ価格の急騰と電力エネルギーや副資材の上昇を主因に値差(製品価格と原材料価格との差)が大幅に縮小したことなどにより、前連結会計年度 に比べ81億3千5百万円減少し、70億4千1百万円(前年同期比53.6%減)となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、利益連動型の賞与のため賞与引当金繰入額が減少したことなどにより、 前連結会計年度に比べ4億2千8百万円減少し、72億3千4百万円(前年同期比5.6%減)となりました。

この結果、当連結会計年度の営業損益は、前連結会計年度に比べ77億6百万円減少し、1億9千2百万円の営業損失(前年同期は75億1千4百万円の営業利益)となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益及び営業外費用は、前連結会計年度において営業外収益で計上していた持分法による投資利益が、当連結会計年度では営業外費用の持分法による投資損失で計上したことなどにより、営業外収益は、前連結会計年度に比べ7百万円減少し、3億2千百万円(前年同期比2.2%減)となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ4億5千4百万円増加し、7億7千2百万円(前年同期比143.5%増)となりました。

この結果、当連結会計年度の経常損益は、前連結会計年度に比べ81億6千9百万円減少し、6億4千4百万円の経常損失(前年同期は75億2千4百万円の経常利益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、受取保険金を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ4億1千1百万円増加し、4億2千6百万円(前年同期は1千4百万円)となり、特別損失は、減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ47億1千5百万円増加し、50億2千1百万円(前年同期は3億6百万円)となりました。また、法人税等合計は、税金等調整前当期純損益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ27億7千2百万円減少し、マイナス5億2千万円(前年同期は22億5千2百万円)となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ97億5百万円減少し、47億2千4百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年同期は49億8千万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b  経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

c  資本の財源及び資金の流動性

1) 資金需要

当社グループの資金需要は、主に運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。

運転資金需要は製品を製造するための材料費、製造経費、また販売費及び一般管理費等の営業費用が主なものになります。

設備資金需要は製品を製造している工場の建物や機械装置等固定資産の設備投資が主なものになります。

 

2) 財務政策

当社グループは、運転資金については内部資金を充当し、不足が生じる場合は金融機関からの短期借入で資金調達しており、また設備資金については、短期及び中長期の設備投資計画に基づき将来発生する資金需要を把握し、内部資金の充当及び金融機関からの長期借入で資金調達しております。

また、資金調達の安定性と機動性を高めるため金融機関と総額210億円のコミットメントラインの設定契約を締結し、運転資金並びに設備資金に対応する体制としております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により不測の資金需要が発生した場合においては、現在の内部資金及びコミットメントラインで対応可能と判断していることから新規借入等の資金調達やコミットメントライン契約の設定枠の増額等は考えておりません。

 

 

d  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、財務体質を強化し、競争力強化のための投資を継続的に実施していくためには十分な営業キャッシュ・フローを獲得することが必要であると考え、連結売上高経常利益率5%以上を確保し、継続することを目標としています。

当連結会計年度における連結売上高経常利益率はマイナス1.0%(前年同期は12.1%)となりました。これは、主原料である鉄スクラップ価格の急騰と電力エネルギーや副資材の上昇を主因に値差(製品価格と原材料価格との差)が大幅に縮小したことにより経常利益が減少し、前連結会計年度に比べ連結売上高経常利益率が低下しました。

目標とする「連結売上高経常利益率5%以上の確保」を達成するためセグメントごとに、鉄鋼事業は適正な製品価格の確保及び一層のコストダウンに注力するとともに、省力化工法などの提案営業を強化し、ネジテツコン並びに関連商品などの高付加価値製品の拡販に取り組み、また、その他は貨物輸送の積載率の向上などのコストダウンに取り組んでまいります。

e  セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(鉄鋼事業)

売上高は、販売価格の上昇により、前連結会計年度比5.4%増の653億7千8百万円となりました。

セグメント損益は、主原料である鉄スクラップ価格の急騰と電力エネルギーや副資材の上昇を主因に値差(製品価格と原材料価格との差)が大幅に縮小したことにより、6億4千7百万円の損失(前年同期は73億1千6百万円の利益)となりました。

セグメント資産は、有形固定資産が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ18億8百万円減少の614億1千6百万円となりました。

(その他)

売上高は、鉄スクラップの仕入販売において鉄スクラップ価格が上昇したことなどにより、前連結会計年度比9.5%増の51億6千8百万円、セグメント利益は、前連結会計年度比181.4%増の4億9百万円となりました。

セグメント資産は、短期貸付金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ3億5千8百万円増加の26億4千5百万円となりました。

 

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