業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、米国の保護主義的な通商政策や中国経済の先行きに留意する必要はあるものの、雇用・所得情勢が堅調に推移するなど、依然として緩やかな回復基調が続いています。
 このような状況の中、当社グループは、2016年5月に公表した2018年度を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「ASAHI2018プロジェクト」に基づき、諸施策を着実に推進してまいりました。
 しかしながら、当社グループの主力事業は建設・肥料業界の構造変化の影響を受け、引き続き厳しい事業環境に晒されており、原料価格やエネルギーコストの上昇等を販売価格改善や販売数量で吸収できず、減益となりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ894百万円増加し、31,328百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,875百万円増加し、24,436百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ980百万円減少し、6,892百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は40,367百万円(前連結会計年度比12.5%増)、営業損失は342百万円(前連結会計年度は営業損失64百万円)、経常損失は388百万円(前連結会計年度は経常損失74百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は848百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失362百万円)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりです。

 

<鉄鋼建設資材事業>

鉄鋼建設資材事業の業績に影響を与える建設需要は、企業収益の改善による設備投資等の増加により、底堅く推移しましたが、人手不足による工期短縮化を背景とした鉄筋コンクリート造から鉄骨造への構造変化が進み、鉄筋業界には先行きの不透明感が続いております。

このような状況の中、物流費や合金鉄・電極・耐火物等の副資材価格やエネルギー関連価格の上昇によりコストアップを余儀なくされました。しかし、中期経営計画で販売強化を掲げているねじ節鉄筋、高強度鉄筋や特殊鋼(構造用鋼)を中心に販売数量が拡大したことに加え、主力である鉄筋用棒鋼の販売価格引き上げが徐々に浸透したことにより、売上、利益ともに改善しております。この結果、当連結会計年度における業績は、売上高は25,465百万円(前連結会計年度比21.3%増)、セグメント利益は139百万円(前連結会計年度比62.5%増)となりました。

<砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業>

砕石砕砂事業では、販売エリアにおける生コンクリート向け、アスファルト合材向けともに需要が引き続き好調に推移したことに加え、販売先新規開拓の進展により増収増益となりました。

マテリアルリサイクル事業では、単価の高い集荷品が増加した事により増益となりました。

この結果、当連結会計年度における業績は、売上高は2,545百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益は160百万円(前連結会計年度比15.0%増)となりました。

<農業資材事業>

農業資材事業の業績に影響を与える肥料需要は、作付面積の減少、施肥の省力化等により引き続き緩やかに減少する傾向となっております。

このような状況の中、主力事業である肥料事業では、肥料原料価格の高騰に対し、農林水産省の「農業競争力強化プログラム」における生産資材価格引き下げの取組みの影響により販売価格引き上げが小幅に止まったことに加え、受託生産品の出荷量が大きく減少したことから、減収減益となりました。

種苗事業では、自社品種であるトマトの販売数量が減少したものの、カボチャ「プリメラ」や海外向けトマト台木などの販売拡大と、新たに開始したブロッコリーの販売が順調に推移したことで、増収となりました。

乾牧草事業では、国内における需要が底堅く、販売数量が前年同期と比べ増加しました。しかし、豪州合弁会社の業績は、確実に収益を上げているものの、中国における価格競争の高まりに加え、本年の豪州の干ばつの影響により、大幅な減益となりました。この結果、当連結会計年度における業績は、売上高は12,304百万円(前連結会計年度比1.3%減)、セグメント利益は447百万円(前連結会計年度比44.6%減)となりました。

<その他>

報告セグメント以外の事業業績は、売上高は450百万円(前連結会計年度比3.0%減)、セグメント利益は13百万円(前連結会計年度比15.1%減)となりました。

 

以上の結果、当連結会計年度における売上高は、上記各セグメント別売上高の合計からセグメント間の内部売上高398百万円を差引き、40,367百万円となり、営業利益は、上記各セグメント別利益の合計からセグメント間の取引消去額、持分法による投資利益および管理部門経費など各事業に帰属しない全社費用の合計1,103百万円を差引き、342百万円の損失となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ127百万円減少の4,110百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1,419百万円(前連結会計年度に比べ36.8%増)となりました。これは主として、仕入債務の増加額が1,334百万円、減価償却費が1,207百万円、有形固定資産処分損が278百万円となったことと、税金等調整前当期純損失が745百万円、たな卸資産の増加額が529百万円となったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、901百万円の資金支出(前連結会計年度は615百万円の資金支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出が1,231百万円となったことと、有形固定資産の売却による収入が337百万円になったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、628百万円の資金支出(前連結会計年度は476百万円の資金増加)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出が2,605百万円、長期借入れによる収入が2,100百万円となったこと等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

前年同期比(%)

鉄鋼建設資材事業(百万円)

24,939

133.5

砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業(百万円)

1,861

107.8

農業資材事業(百万円)

10,179

99.7

 

(注) 1  金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値であります。

2  砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業は砕石砕砂事業、農業資材事業は肥料事業の生産実績を記載しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

 

 

 

 b.受注実績

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

鉄鋼建設資材事業

23,245

112.2

5,023

77.3

 

(注) 1  砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業および農業資材事業は見込み生産等のため記載を省略しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

前年同期比(%)

鉄鋼建設資材事業(百万円)

25,465

121.3

砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業(百万円)

2,540

107.7

農業資材事業(百万円)

12,304

98.7

報告セグメント計(百万円)

40,310

112.5

その他(百万円)

57

96.5

合計(百万円)

40,367

112.5

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

全国農業協同組合連合会

7,442

20.7

7,429

18.4

阪和興業株式会社

3,590

10.0

6,676

16.5

伊藤忠丸紅住商テクノスチール株式会社

5,907

16.5

5,141

12.7

エムエム建材株式会社

3,546

9.9

4,449

11.0

 

3  本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(2019年6月21日)現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度における流動資産は、前連結会計年度末に比べ426百万円増加し、18,280百万円となりました。主な要因は、商品及び製品が408百万円、原材料及び貯蔵品が120百万円増加し、現金及び預金が127百万円減少したこと等によります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ468百万円増加し、13,047百万円となりました。主な要因は、機械装置及び運搬具が441百万円、建物及び構築物が353百万円増加し、投資有価証券が216百万円、関係会社出資金(投資その他の資産 その他)が75百万円減少したこと等によります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ894百万円増加し、31,328百万円となりました。

当連結会計年度における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,356百万円増加し、18,599百万円となりました。主な要因は、電子記録債務が727百万円、設備関係未払金(その他)が650百万円、支払手形及び買掛金が607百万円、営業外電子記録債務が368百万円増加したこと等によります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ480百万円減少し、5,837百万円となりました。主な要因は、長期借入金が255百万円、社債が90百万円減少したこと等によります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,875百万円増加し、24,436百万円となりました。

当連結会計年度における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ980百万円減少し、6,892百万円となりました。

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末25.9%から22.0%となりました。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は、鉄鋼建設資材事業で鋼材の販売数量が拡大したことにより、40,367百万円と前連結会計年度(35,878百万円)に比べ4,489百万円の増収となりました。

売上総利益は、鉄鋼建設資材事業で鋼材の販売価格が上昇したことから、6,616百万円と前連結会計年度(6,431百万円)に比べ185百万円の増益となりました。

販売費及び一般管理費は、鉄鋼建設資材事業での販売数量増加に伴う運送費増加を主因に、6,959百万円と前連結会計年度(6,496百万円)に比べ463百万円増加いたしました。この結果、営業損失は342百万円と前連結会計年度(営業損失64百万円)に比べ277百万円の減益となりました。

営業外損益は、△46百万円と前連結会計年度(△9百万円)に比べ36百万円悪化いたしました。この結果、経常損失は、388百万円と前連結会計年度(経常損失74百万円)に比べ314百万円の減益となりました。

特別損益は、中国における肥料事業からの撤退による特別損失計上を主因に、△356百万円となり、前連結会計年度(26百万円)に比べ383百万円減益となりました。この結果、税金等調整前当期純損失は、745百万円と前連結会計年度(税金等調整前当期純損失47百万円)に比べ697百万円の減益となりました。

親会社株主に帰属する当期純損失は、848百万円と前連結会計年度(親会社株主に帰属する当期純損失362百万円)に比べ486百万円の減益となりました。

この結果、1株当たりの当期純損失は121.27円、自己資本利益率は△11.5%となりました。

 

  

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

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