課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 会社の経営理念

当社グループは、「誠実で、公正、公平、誰からも愛される会社」として、「良い製品、良いサービスを提供し、地球環境に貢献し続ける」ことを経営ビジョンに掲げ、企業価値向上に努めております。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

2018年度における当社グループは、主力事業である鉄鋼建設資材事業や農業資材事業を取り巻く事業構造の変化に対応すべく、「スペシャリティ分野(強みを有する分野)への経営資源シフト」の強化とスピードアップを進めてまいりました。このような中、当社と同じく普通鋼電炉メーカーである合同製鐵株式会社より、当社株式に対する公開買付けの提案を受け、両社で検討・協議を重ねた結果、「スペシャリティ分野への経営資源シフト」の早期実現のためには、多くのシナジーを見込める合同製鐵グループとの提携が有効であると判断いたしました。

これを踏まえ、2019年2月4日から2019年3月18日にかけ公開買付けが実施され、この結果、当社は合同製鐵株式会社の連結子会社となりました。さらに、公開買付けの結果、合同製鐵株式会社の保有する当社の議決権数が3分の2以上となったため、当社は合同製鐵株式会社の完全子会社となることを予定しております。

このような体制の下、当社は合同製鐵グループとの連携を早急に進め、シナジー効果を最大限かつ早期に獲得することを目指してまいります。また、農業資材事業や砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業については、現行の生産・販売体制を継続し、今まで同様スペシャリティある事業展開を図ってまいります。そして、次の飛躍に向けて各事業の施策を加速させ、これまで以上に存在感のある企業を目指してまいります。

 

 事業(セグメント)別の重点施策は次のとおりです。

 

<鉄鋼建設資材事業>

 製造・販売・開発・調達・物流等のあらゆる面で合同製鐵グループとの連携を深めるとともに、高強度鉄筋やねじ節鉄筋、構造用鋼の特殊鋼の販売拡大による鋼種シフト、OEM等の新規プロジェクトの取り組みにより、高付加価値品への鋼種構成比変革を推進いたします。

 

<砕石砕砂・マテリアルリサイクル事業>

砕石砕砂事業では、生コンクリート向け、アスファルト合材向け需要は引き続き堅調に推移することが予想されます。

今後、2016年に取得した新砿区の良質な資源を活用し更なる生産性向上を図るとともに、新規先開拓など販売拡大を目指し、埼玉県ナンバー1の地位を盤石なものとします。

 

<農業資材事業>

農業資材事業の業績に影響を与える肥料需要は、作付面積の減少、施肥の省力化等により引き続き緩やかに減少する傾向となっております。また、農林水産省の「農業競争力強化プログラム」における生産資材価格引き下げの取り組みが進んでおり、構造変化が進展しております。

このため、肥料事業では、製造技術に強みを有する有機質肥料への経営資源シフトを行い、未利用資源活用による原料開発や3工場一体運営による生産効率化を通した更なるコストダウンを推進いたします。

種苗事業では、自社品種である大玉トマト「有彩(ありさ)」やカボチャ「プリメラ」、野菜の台木、新たに導入したブロッコリーを中心に、国内外への販売を拡大してまいります。

乾牧草事業では、関連会社であるジョンソン朝日との一体運営により、中国を中心としたアジア諸国への販売拡大を目指してまいります。

 

 (3)株式会社の支配に関する基本方針

  ① 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について

当社は、2008年5月19日開催の取締役会において、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」を定め、2017年5月18日開催の取締役会において一部変更を決議いたしました。基本方針の具体的な内容は以下のとおりです。

当社は金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、当社株式に対する大規模な買付行為につきましても、当社の企業価値・株主共同の利益の確保または向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。大規模な買付行為の提案に応じるべきか否かの判断は、当社の経営を誰に委ねるべきかという問題に関連しますので、最終的には、株主の皆様の自由な意思によってなされるべきであると考えております。しかしながら、大規模買付行為の中には、株主の皆様に対して当該買付行為に関する十分な情報が提供されないまま株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるものや、株主の皆様が当該買付行為の条件・方法等について検討し、また、対象企業の取締役会が代替案の提案等を行うための十分な時間が確保されていないもの、その他真摯に合理的な経営を行う意思が認められないと判断されるもの等、対象企業の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうことに繋がるおそれのあると判断される買付行為があることは否定できません。

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、循環社会の実現を目指し、事業特性ならびに株主の皆様をはじめとする国内外の顧客・社員・取引先などの各ステークホルダーとの間に築かれた関係や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることを目指す者であることが必要と考えております。したがいまして、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

  ② 当社の基本方針の実現に資する特別の取組みについて

  イ 当社の企業価値および企業価値の源泉

   当社ならびに当社グループは、資源循環型社会の担い手として「スペシャリティ(明確な強み)」を持ち、高品質へのこだわりをもって技術・開発力を更に強化し、「スペシャリティ分野(強みを有する分野)」のリーダーを目指してまいります。

    ・「誠実で、公正、公平、誰からも愛される会社であり続けます。」

    ・「良い製品、良いサービスを提供し、地球環境に貢献し続けます。」

と定める当社グループの経営理念のもと、事業の拡大発展に努めることこそが、当社グループ全体の企業価値・株主共同の利益の確保、向上に資するものと考えております。

  ロ 企業価値向上のための取組み

   企業価値向上のための基本戦略は、以下のとおりです。

   a.「スペシャリティ分野(強みを有する分野)」への経営資源のシフト

当社が優位性を持つ技術・開発力を更に強化し、各事業におけるスペシャリティ分野(強みを有する分野)でのリーダーを目指します。

また、当社事業を、基盤事業、収益事業、挑戦事業に分類し、経営資源の投下、事業ポートフォリオの見直しを適時適切に行ってまいります。

   (基盤事業) 鉄鋼建設資材事業、肥料事業、砕石砕砂事業

   (収益事業) 乾牧草事業

   (挑戦事業) 種苗事業

   各事業の戦略は次のとおりです。

   <鉄鋼建設資材事業>

鉄鋼建設資材事業においては、関東の電炉メーカー小形棒鋼シェアにおいてトップグループを目指します。特に、製造技術の優位性を活かし、今後も底固い需要が見込まれる高強度鉄筋、太径鉄筋、ねじ節鉄筋の製造・販売に注力し、中計期間以降の需要減少にも対応可能な収益基盤を構築します。

    (重点施策)

    ・高強度鉄筋、太径鉄筋、ねじ節鉄筋への経営資源のシフト

    ・電力原単位の低減など本源的なコストダウンの追求

    ・製品ポートフォリオの見直しなどによる生産性の向上

   <農業資材事業>

     農業資材事業においては、肥料事業を「基盤事業」(農業資材事業のコア事業)、乾牧草事業を「収益事業」(安定的高収益の維持)、種苗事業を「挑戦事業」(選択と集中による収益改善)と位置付け、種子と牧草というスペシャリティを持った肥料メーカーとしての発展を目指します。また、各事業の海外展開を成長分野と位置付け、更なる拡大を図ります。

   (重点施策)

   肥料事業

     ・製造技術に強みを有する粒状有機質肥料の製造・販売数量拡大

     ・未利用資源活用による原料開発と、3工場一体運営による生産効率化

    乾牧草事業

    ・アジアを中心とした需要拡大を背景に、安定した利益構造を持つジョンソン朝日との一体運営

    種苗事業

     ・自社品種の開発と国内外への販売拡大

    <砕石砕砂事業(株式会社上武)>

      砕石砕砂事業においては、埼玉県ナンバー1の地位堅持と新砿区確保によるシェア拡大を目指します。

     (重点施策)

      ・新砿区を確保し良質な製品の製造、販売拡大

 ・強みである多品種・安定供給を活かし、底固い需要が見込まれる生コンクリート、アスファルト合材向け単砕・砕砂を販売

      b.ガバナンス体制、業務執行における経営の刷新(迅速性・透明性の向上)

 監査等委員会設置会社への移行、組織改正等により、ガバナンス体制を刷新するとともに、関係会社への管理業務集約による業務効率化に取り組みます。また、執行役員制度の導入、人事制度の改定等により、「人財」基盤の充実を図ります。

 c.強固な財務基盤の再構築
    安定収益による有利子負債の圧縮を通じて、財務基盤の再構築を図ります。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて

 当社は、2008年5月19日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針」(以下「原対応方針」といいます。)の導入を決定し、2008年6月25日に開催した当社第17期定時株主総会においてご承認いただきました。

 そして、原対応方針の有効期間満了に伴い、2017年6月23日に開催した当社第26期定時株主総会において、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下「本対応方針」といいます。)の継続に関する議案をお諮りしご承認をいただいております。なお、本対応方針の有効期間は2020年6月に開催予定の当社第29期定時株主総会の終結時までとしております。

    本対応方針の具体的な内容は以下のとおりです。

当社取締役会は、株券等保有割合が20%以上となる大規模買付者に対し、本対応方針に定められた手続きに従って大規模買付行為を行う旨の誓約等を記載した「大規模買付意向表明書」および大規模買付行為に対する株主の皆様のご判断および当社取締役会の評価・検討等のために必要かつ十分な情報(以下「大規模買付情報」といいます。)の事前提供と当該大規模買付行為の評価、検討、交渉、意見形成および代替案の立案のための期間として原則60日間の取締役会評価期間の確保を求めます。

 当社取締役会は、取締役会評価期間の間、大規模買付者が本対応方針に基づくルールを遵守したか否か、あるいは、当該大規模買付行為が会社に回復しがたい損害をもたらす等、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであるか、という観点から、評価、検討し、取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、開示するとともに、必要に応じて、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件・方法について交渉し、取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。

 当社取締役会は、本対応方針で定める発動条件に照らしあわせ、本対応方針に基づくルールを遵守しない大規模買付者、または、提出された「大規模買付情報」を評価・検討した結果、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうと判断した大規模買付者に対して、対抗措置を発動できることとしております。

 対抗措置は原則として新株予約権の無償割当としておりますが、会社法その他の法令および当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合は、その他の対抗措置が用いられることもあります。

 また、本対応方針の合理性および公平性を確保し、取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するため、当社取締役会から独立した組織として特別委員会を設置し、対抗措置発動の際、取締役会は特別委員会に対抗措置発動の是非を諮問し、特別委員会の勧告を最大限尊重することとしております。

 

④ 上記②および③の取組みが上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものでなく、また、当
  社役員の地位の維持を目的とするものでないことおよびその理由について

  イ 上記②の取組みについて当社取締役会の判断

当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、上記②の取組みを実施しております。これらの取組みを通じて、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させ、それを当社株式の価値に適正に反映させていくことにより、上記のような当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある大規模な買付行為は困難になるものと考えられ、これらの取組みは、上記①の基本方針に資するものであると考えております。

したがいまして、上記②の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

ロ 上記③の取組みについて当社取締役会の判断

上記③の取組みは、上記①の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針決定が支配されることを防止する取組みであり、また当社の企業価値・株主共同の利益を確保しまたは向上させることを目的として、大規模買付者に対して必要な情報の事前の提供、およびその内容の評価・検討に必要な時間の確保を求めるためのものであります。

さらに、当社取締役会から独立した組織として特別委員会を設置し、対抗措置発動の際、取締役会は特別委員会に対抗措置発動の是非を諮問し、特別委員会の勧告を最大限尊重することとしていること、また、上記③の取組みの継続については、2017年6月23日に開催した当社第26期定時株主総会でご承認いただいており、今後継続する場合も当社株主様のご承認を要することとしていることなど、合理性および公平性を確保し、取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するための制度および手続きが確保されております。

したがいまして、上記③の取組みは上記①の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 (ご参考)

 本対応方針は、2019年6月20日開催の当社取締役会において廃止することを決議し、同日をもって廃止しております。

 

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