文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2021年12月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社は創業以来、鋳物づくりにこだわり鋳物製品を通して各方面に展開してまいりました。この技術と経験を基礎に「品質・コスト・納期」の徹底した改善を取組むことで顧客満足に貢献するとともに、新しい鋳物づくりに挑戦してくことで技能向上を図り、時代の要求に応えられる企業体質づくりに努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、依然として景気の先行きは不透明な状況です。また、原料価格の上昇は今後も続くことが予想されます。このような経営環境のなかで、会社の経営の基本方針に則った経営基盤の確保のため、財務の健全性・安定性、収益性の向上が必要であると理解しております。今後とも経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の強化と製品開発、コストダウンの実現等に取組み、安定的な収益を確保し企業価値を高めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は産業機械関連事業と住宅機器関連事業の二つの事業を展開しており、大型鋳造技術を活かした新たな分野への営業展開、また新設やリニューアルするホテルを中心とした宿泊施設需要を取り込み、「鋳物ホーロー浴槽」の営業を強化するなど、受注・売上の拡大に取組んでおります。また、収益改善を図るため、原価の低減、諸経費の削減等の経営合理化にも取組んでまいります。
産業機械関連事業につきましては、工作機械分野は世界経済の動向による影響から、設備投資に慎重な姿勢が続いております。一方、当社の特徴である一貫生産体制を活かした付加価値の高い定盤については、取引先の潜在的ニーズを取り込み、営業を強化することで受注確保に取組んでまいります。
住宅機器関連事業につきましては、少子高齢化・人口減少により住宅着工件数の低迷が予測されるなか、高級旅館をターゲットとした、新型鋳物ホーロー浴槽「やまと」を発売するなど宿泊施設向けの商品を充実させ、営業を強化していく所存です。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、「顧客第一主義」を基本に長年培ってきた技術に裏打ちされた製品をユーザーに提供していくこと、即ち、徹底的に品質にこだわり、お客様に支持される製品を提供することで、事業環境に左右されにくい安定的な収益の確保が図れる強固な企業体質を構築していくことを目指しております。具体的には次のような施策に取組んでおります。
①生産管理の徹底、強化
顧客ニーズに的確に対応できる営業活動の推進及び製品競争力の強化のため、各工場において小集団活動に継続的に取組み、生産性向上によるリードタイム短縮や徹底したコスト削減を図っております。
本社工場では、当社の得意とする大型鋳物部品の主力受注先である工作機械やディーゼルエンジン分野に加え、その他産業機械関連分野からの要請にも柔軟に対応できる体制を整えております。
②製品の販売増大及び販売体制の強化
産業機械関連事業においては、当社の強みである一貫生産体制を活かした高付加価値製品である「定盤」の拡販を重点施策として取組んでおります。
住宅機器関連事業においては、高付加価値の自社製品である「鋳物ホーロー浴槽」やこだわりの風呂である「やまと風呂」(五右衛門風呂・羽釜風呂・陶器風呂・木風呂)の拡販を重点施策として掲げております。さらに近年では、介護施設用の「オーダーユニットバス」や「特注介護用浴槽」への取組みも積極的に行っております。
また、「鋳物ホーロー浴槽」の新機種の開発にも積極的に取組んでおります。
販売体制面では、OEM先・新規ルートの開拓等幅広い展開を行うとともに、首都圏及び西日本の営業強化を図っております。
③人材の育成
これまで培ってきた技能の伝承はもとより、さらに高度化させ、「ダイワブランド」として顧客から厚い信頼を寄せられる高い品質の製品を供給する企業として、人材の育成に取組み現場力の向上を図ってまいります。このため、日本鋳造協会主催の鋳造カレッジに計画的に人員を派遣し中核人材の育成に向けた取組みを強化しております。
④新型コロナウイルス感染症への対応
当社は、新型コロナウイルス感染症に関する情報収集及び同感染症の感染拡大に伴う影響を最小限に止めるための対応を迅速に行っております。
また、同時に従業員及びお客様をはじめとするステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に考えており、感染が拡大している地域に勤務する従業員においては在宅勤務体制に移行し、Web営業やWeb会議を実施するなどの取組みを行っております。
出勤部署においてもマスクの着用や衛生関連品の利用を徹底するなど、同感染症防止のための対策を講じております。
今後におきましても、同感染症の感染拡大に伴う経済活動への影響を注視するとともに、想定外のリスクや不測の事態など、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築を図ってまいります。
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