課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営の基本方針

  当社グループは、線材加工製品の総合メーカーとして、時代と環境の変化に柔軟に対応しながら、和親協同・信用保持・創意工夫の社是の下、株主や取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの負託と信頼に応えて、当社グループの健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、社会の発展に貢献していく。

 

(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  わが国経済は、新型コロナウイルス感染症蔓延下での個人消費の低迷、ウクライナ情勢や円安進行の影響を含めた輸入資源・原材料等の価格高騰、国内外におけるサプライチェーン寸断等の複合的な要因が相俟って、本格的な回復にはなお相当程度の期間を要する見通しにある。
 線材加工製品業界においては、普通線材製品及び特殊線材製品の需要動向が依然不透明である中、鉄鋼原料市況及び非鉄・原油相場の更なる高騰により、主副原料やエネルギー等の価格が一層大幅に上昇しつつあり、事業環境が一段と厳しさを増している状況にある。
 当社グループとしては、こうした経営環境や鉄鋼市場の変化に的確に対応し、一層強靭な企業体質を構築していくために、主副原料及びエネルギー等のコスト上昇を踏まえた販価転嫁の着実な実行をはじめ、市場競争力の強化、シェアの拡大、需要の創出、高付加価値化による品種構成の改善、諸コストの低減、国内外の子会社・関連会社の経営基盤強化等を図り、収益の確保・拡大と持続的な成長に努めていく。
 当社は、めっき・成形加工の高度な技術と商品開発力に支えられたナンバーワン・オンリーワン商品をはじめとする高付加価値の多彩な商品群を有している。こうした差別化商品と東西製造拠点からの短納期デリバリーを武器に、製販技一体で需要家へのソリューション営業を展開し、既存市場での拡販と新規市場の開拓を推進している。当社は、従来より養殖金網や製紙向け等の用途開拓に加え、補強土壁『ハイパープレメッシュ』の需要家との共同開発など、数々の需要開拓を推し進めてきた。今後とも社会のニーズを踏まえた戦略的な商品を積極的に市場に投入し、公共事業を含めた一定の需要が期待できる建設向け、リピート性の高い製造業向け、他素材の代替を含めた農業・水産業向け等を中心に拡販を展開していく。また、事業や業容の拡大を図っていく中で、必要に応じて資本提携等も行っていく。さらに、海外の成長を取り込むべくグローバルな事業展開を行っており、中国とタイの拠点から世界各地域への輸出を推進している。
 当社は、「めっき技術で社会に貢献する」をキーワードに、ESGやSDGsを踏まえ、環境にやさしい商品(エコプロダクト)と需要家へのソリューション(エコソリューション)の提供、環境と脱炭素を意識した製造プロセスの変革(エコプロセス)等を通じて、持続可能な社会の実現に向け、積極的に貢献している。また、管理体制面においては、業務効率化を推進するとともに、内部統制の充実及びコンプライアンスの徹底を図っている。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは、収益性の面では、国際会計基準のEBITDAに準拠した減価償却前の利益率を指標とし、売上高に対する減価償却前営業利益率8%、同経常利益率10%を目標としている。財務の健全性を示すD/Eレシオ(有利子負債/自己資本)については0.3倍以下としている。

  当連結会計年度の減価償却前売上高営業利益率は11.2%(減価償却前営業利益3,443百万円)、同経常利益率は13.2%(同経常利益は4,050百万円)、D/Eレシオは0.1倍と目標値をそれぞれ達成した。なお、2023年3月期の業績予想については、今後の主副原料及びエネルギー等の価格動向並びに先行きの需要見通し等が不透明であることから、合理的に算定することが困難とし、現時点では未定としている。

 

 

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