(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染の波が未だに収束の兆しを見せず社会経済活動が停滞し、景気悪化の状況が継続することとなりました。ワクチンの普及が進み一時的に景気の持ち直しが見られたものの、依然として先行きが不透明な状況が続いております。海外経済においても新型コロナウイルスの感染拡大は続き、米中間貿易摩擦や世界経済の減退による影響から厳しい経済状況が続くこととなりました。
このような状況のもとでも当社は、経営方針として、“重点指向”を掲げ、電線事業及びトータルソリューション事業の二つの事業により、営業基盤の強化と拡充に努めております。
a.財政状態
当事業年度末における資産合計額は、前事業年度末より85,706千円増加し、8,542,686千円となりました。
当事業年度末における負債合計額は、前事業年度末より77,291千円増加し、4,105,316千円となりました。
b.経営成績
当社の業績につきましては、当事業年度の売上高は4,784,478千円(前事業年度比9.6%増)、営業利益169,018千円(前事業年度比820.6%増)、経常利益217,148千円(前事業年度比239.8%増)、当期純利益37,437千円(前事業年度は当期純損失67,022千円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当事業年度より非連結決算に移行したことから、セグメント別の業績について、前事業年度との比較は行っておりません。
電線事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、客先において、コネクタなどの材料調達が困難になり、それに伴う電線の買控えなどがみられ、当社としてはファクトリーオートメーション(FA)関係品全般において特に厳しい状況が続きました。設備投資関連や住宅建設関連の工事延期、またOEM製品の受注量につきましても全体的に厳しい状況が続くこととなりました。
これにより、売上高4,381,245千円、セグメント利益203,895千円となりました。
トータルソリューション事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により海外渡航制限や移動自粛などの制限された現場での対策ツールとして使用されることが多く、スマートグラスを使用した遠隔作業支援システム(nvEye’sⓇ)の売上高は高い水準で安定しておりましたが、世界的半導体不足の影響は例外なく受けております。
これにより、売上高403,232千円となりましたが、新製品開発による研究開発コストの増加や一部外注によるコスト増加により、利益率が低下し、セグメント損失34,876千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社は、前連結会計年度においては連結キャッシュ・フロー計算書を作成しており、単体のキャッシュ・フロー 計算書は作成していないため、前年同期との比較分析は行っておりません。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は526,790千円となり、前事業年度末に比べ34,907千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は177,237千円となりました。これは主に仕入債務の増加額361,272千円、減価償却費187,459千円、減損損失128,312千円等の増加要因が、たな卸資産の増加額216,943千円、売上債権の増加額124,748千円、未払消費税の減少額99,067千円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は49,299千円となりました。これは主に投資不動産の賃貸による収入67,416千円等の増加要因が、有形固定資産の取得による支出28,664千円等の減少要因を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は191,629千円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,114,583千円、配当金の支払額42,074千円等の減少要因が、長期借入れによる収入1,000,000千円による増加要因を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
電線事業(千円) |
4,373,213 |
- |
トータルソリューション事業(千円) |
448,672 |
- |
合計(千円) |
4,821,885 |
- |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当事業年度より非連結決算に移行したことから、前事業年度との比較は行っておりません。
b 商品仕入実績
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
電線事業(千円) |
158,750 |
- |
トータルソリューション事業(千円) |
121,868 |
- |
合計(千円) |
280,619 |
- |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当事業年度より非連結決算に移行したことから、前事業年度との比較は行っておりません。
c 受注実績
トータルソリューション事業で一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が僅少であるため、受注実績は記載しておりません。
d 販売実績
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
前年同期比(%) |
電線事業(千円) |
4,381,245 |
- |
トータルソリューション事業(千円) |
403,232 |
- |
合計(千円) |
4,784,478 |
- |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度より非連結決算に移行したことから、前事業年度との比較は行っておりません。
4.当事業年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
当事業年度 (自 2021年3月1日 至 2022年2月28日) |
|
金額(千円) |
割合(%) |
|
泉州電業株式会社 |
1,522,092 |
31.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における総資産残高は8,542,686千円となり、前事業年度末に比べ85,706千円増加いたしました。これは主に売掛金111,682千円、原材料及び貯蔵品114,815千円、仕掛品72,808千円等による増加要因が、土地128,312千円、建物99,051千円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における総負債残高は4,105,316千円となり、前事業年度末に比べ77,291千円増加いたしました。これは主に電子記録債務315,062千円、買掛金49,674千円等による増加要因が、長期借入金104,503千円、未払消費税等99,067千円、退職給付引当金47,755千円等による減少要因を上回ったことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産残高は4,437,370千円となり、前事業年度末に比べ8,414千円増加いたしました。その要因は当期純利益37,437千円、剰余金の配当46,859千円、その他有価証券評価差額金の増加17,836千円によるものであります。
この結果自己資本比率は51.9%となりました。
b.経営成績の分析
当事業年度の売上高は4,784,478千円(前事業年度比9.6%増)、営業利益169,018千円(前事業年度比820.6%増)、経常利益217,148千円(前事業年度比239.8%増)、当期純利益37,437千円(前事業年度は当期純損失67,022千円)となりました。
これらの要因については、3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載のとおりであります。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、企業価値及び株主共同の利益を確保し、または向上させるため、自己資本当期純利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)を経営指標とし、ROE 5.0%以上、EPS 24.10円以上を目標としておりますが、当事業年度におけるROE及びEPSは、新型コロナウイルスの影響等を受け、それぞれ0.8%、7円99銭となりました。
今後も、事業の安定基盤を強化するため、付加価値の高い電線の販売と、トータルソリューション事業強化による売上の拡大を通じて、ROE及びEPSの向上に努めてまいります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社の資金需要のうち主なものは、原材料費、外注費及び人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備投資等によるものであります。当社の運転資金および設備投資資金は、内部資金または借入により資金調達することとしております。
⑤ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<電線事業>
電線事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、客先において、コネクタなどの材料調達が困難になり、それに伴う電線の買控えなどがみられ、当社としてはファクトリーオートメーション(FA)関係品全般において特に厳しい状況が続きました。設備投資関連や住宅建設関連の工事延期、またOEM製品の受注量につきましても全体的に厳しい状況が続くこととなりました。
これにより、売上高4,381,245千円、セグメント利益203,895千円となりました。
<トータルソリューション事業>
トータルソリューション事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により海外渡航制限や移動自粛などの制限された現場での対策ツールとして使用されることが多く、スマートグラスを使用した遠隔作業支援システム(nvEye’sⓇ)の売上高は高い水準で安定しておりましたが、世界的半導体不足の影響は例外なく受けております。
これにより、売上高403,232千円となりましたが、新製品開発による研究開発コストの増加やパッケージ製品バージョンアップ等によるコスト増加により、利益率が低下し、セグメント損失34,876千円となりました。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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