(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中、総じて持ち直しの動きが続きました。我が国経済においてもワクチン接種の拡大や世界経済の持ち直しにより全般的には同様の動きが続いているものの、経済活動の急速な再開に伴う原材料価格の上昇や供給面での制約により景気の持ち直しに足踏みがみられました。また当第4四半期においてはウクライナ情勢の緊迫による更なる原材料価格上昇や円安進行がありました。
このような状況に対して、当社グループでは各国・地域の規制に応じ新型コロナウイルス感染症拡大防止策を講じながら販売量に合わせた操業や勤務体制の見直し等の生産体制の調整、社内の遊休設備の活用等による設備投資の抑制等による経費削減等に取り組んでまいりましたが、当連結会計年度における世界的な半導体や部品の供給不足による自動車生産の減少、原材料価格の高騰による調達コスト増加が収益を圧迫し、営業赤字の計上を余儀なくされております。
当社グループでは、2019年度より取り組んできた1921中期経営計画に基づき、原価低減・生産性改善による収益性の更なる改善、体質強化に加えて、設備投資の一層の抑制、受注量に見合った稼働体制の確保に努めてまいりました。このような取り組みの結果、ラインの工夫や生産規模に合わせた適正な人員配置によるリーンな生産体制構築、損益分岐点低下については相応の成果がありました。また電動車搭載部品の受注や非自動車分野である完成品事業(フリーアクセスフロア)の売上拡大も進展しました。このような取り組みを継続、発展させるべく当社グループは2021年度において長期経営計画である2030年を目標年度とする10年ビジネスプランと、その最初の3年間のマイルストーンとなる2224中期経営計画を策定しました。2224中期経営計画においては「生産時のCO2の排出量が少ない」、「軽い」、「リサイクル可能」というアルミニウムダイカストについて長年培ってきた知見に一層磨きをかけ、自動車業界の電動化の加速やカーボンニュートラルなどの外部環境変化に機敏に対応しながら、事業ポートフォリオの再構築と、稼ぐ力を高めていくことを目指してまいります。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は131,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ921百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債は77,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,144百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産は53,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,065百万円の減少となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高116,313百万円(前期比25.1%増)、営業損失2,422百万円(前期は2,554百万円の営業損失)、経常損失2,032百万円(前期は2,094百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失5,189百万円(前期は2,843百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
ダイカスト事業 日本は、売上高51,746百万円(前期比13.5%増)、セグメント損失1,372百万円(前期はセグメント損失2,491百万円)となりました。ダイカスト事業 北米は、売上高28,111百万円(前期比30.0%増)、セグメント損失1,096百万円(前期はセグメント利益94百万円)となりました。ダイカスト事業 アジアは、売上高26,488百万円(前期比32.9%増)、セグメント損失547百万円(前期はセグメント損失598百万円)となりました。
アルミニウム事業は、売上高6,463百万円(前期比85.6%増)、セグメント利益265百万円(前期比694.7%増)となりました。
完成品事業は、売上高3,503百万円(前期比49.4%増)、セグメント利益312百万円(前期比2.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,892百万円減少し9,356百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、8,259百万円(前期は7,942百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失3,968百万円、売上債権の増加額3,470百万円、棚卸資産の増加額1,940百万円等の資金減少要因に対し、減価償却費11,919百万円、仕入債務の増加額4,861百万円、減損損失4,228百万円等の資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、6,083百万円(前期は11,570百万円の減少)となりました。これは主に、投資有価証券売却による収入3,020百万円等の資金増加要因に対し、有形固定資産の取得による支出9,248百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、5,101百万円(前期は11,940百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入れによる収入117,253百万円及び長期借入れによる収入7,057百万円の資金増加要因に対し、短期借入金の返済による支出120,287百万円及び長期借入金の返済による支出8,570百万円の資金減少要因があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
ダイカスト事業 日本(百万円) |
49,389 |
112.6 |
ダイカスト事業 北米(百万円) |
28,052 |
136.1 |
ダイカスト事業 アジア(百万円) |
27,803 |
144.2 |
アルミニウム事業(百万円) |
7,534 |
147.0 |
完成品事業(百万円) |
1,675 |
211.8 |
合計(百万円) |
114,455 |
127.6 |
(注) 金額は製造原価によっており、セグメント間取引の相殺消去前の数値によっております。
b. 受注実績
当社グループの事業の大部分は、顧客からの受注内示に基づいた見込み生産を行い、納入指示日の数日前に確定する受注に基づいて出荷(売上計上)する形態であるため、受注実績の記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
ダイカスト事業 日本(百万円) |
51,746 |
113.5 |
ダイカスト事業 北米(百万円) |
28,111 |
130.0 |
ダイカスト事業 アジア(百万円) |
26,488 |
132.9 |
アルミニウム事業(百万円) |
6,463 |
185.6 |
完成品事業(百万円) |
3,503 |
149.4 |
合計(百万円) |
116,313 |
125.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
株式会社SUBARU |
12,454 |
13.4 |
12,452 |
10.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループでは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果と異なる可能性があります。
以下、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明いたします。
なお、重要な会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積りに関する注記」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積りに関する注記」に記載しております。
(投資有価証券及び投資)
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する少数持分を所有しております。これらの投資有価証券には価格変動性が高い公開会社の株式と株価決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。
当社グループは、公開会社株式については市場価格などの時価をもって連結貸借対照表に計上し、評価差額は税効果会計適用後の金額を全額純資産の部に計上しております。しかし、時価が著しく下落した場合(50%以上下落した場合)に下落した額について、原則として減損を認識しております。また30%以上~50%未満下落している銘柄については、3年間の時価の推移を捉え時価が回復しない場合に減損を計上しております。
また、非公開会社株式については、投資先の純資産価額の当社持分と、当社グループの帳簿価額とを比較することにより減損の判断を行っております。減損の判断にあたっては、下落幅及び当該投資先会社の財政状態及び将来の業績見通し等を考慮しております。
(貸倒引当金)
当社グループは、将来の顧客の支払不能時に発生する損失に備えるため、債権を一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権に分類し、一般債権については過去3年間の貸倒実績率に基づいた貸倒見積高、貸倒懸念債権及び破産更生債権については回収可能額を控除した全額を貸倒見積額として引当計上しております。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(平成15年10月31日)に基づく固定資産の減損会計を適用しております。有形固定資産等、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。
その資産の市場価額及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては不動産鑑定評価額及び動産評価額を合理的に調整した価格とし、使用価値については見積将来キャッシュ・フローの現在価値とすることを会計方針としております。今後、事業計画や市場環境の変化等によりこれらの見積りが変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損損失認識の可能性があります。
(繰延税金資産)
企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり連結グループ内の個々の会社について今後5年間の利益計画をもとに将来の課税所得の十分性、タックスプランニングの存在の有無及び将来加算一時差異の十分性により繰延税金資産の回収可能性を判断しております。繰延税金資産のうち、将来において実現が不確実であると考えられる部分に対して評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しておりますが、将来の課税所得の見込額の変化や、その他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の減額部分の増減変更により法人税等調整額が増減し親会社株主に帰属する当期純利益(又は親会社株主に帰属する当期純損失)が増減する可能性があります。
(退職給付に係る負債)
当社グループは、将来の従業員の退職金の支払に備え、確定給付型の制度として退職一時金制度及び確定給付企業年金制度、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しております。一部の連結子会社においては、従業員が少ないため高い信頼性をもって数理計算上の見積りを行うことが困難であるため簡便法による処理を行っております。簡便法では決算日における従業員の自己都合退職によった場合における要支給額より年金資産額を控除した額を引当計上しております。当社及び一部の連結子会社においては、原則法により数理計算上の見積りを行っております。原則法によった場合、従業員の退職給付費用及び債務は数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されます。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。割引率は主に日本の国債の市場利回りを基礎に算出しております。長期期待運用収益率は年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響額は累積され将来にわたって規則的に認識されていくため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
資産は、131,302百万円となり、前連結会計年度末に比べ921百万円の減少となりました。流動資産は53,419百万円で、前連結会計年度末に比べ8,035百万円の増加となり、その主な要因は、現金及び預金が2,892百万円減少した一方、売上債権が6,759百万円、棚卸資産が3,759百万円増加したことによるものです。固定資産は77,883百万円で、前連結会計年度末に比べ8,956百万円の減少となり、その主な要因は、有形固定資産が4,961百万円、投資有価証券が3,064百万円及び繰延税金資産が780百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
負債は、77,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,144百万円の増加となりました。流動負債は53,261百万円で、前連結会計年度末に比べ2,522百万円の増加となり、その主な要因は、短期借入金が2,518百万円、設備債務が358百万円減少した一方、仕入債務が5,546百万円増加したことによるものです。固定負債は24,474百万円で、前連結会計年度末に比べ1,377百万円の減少となり、その主な要因は、長期借入金が802百万円、繰延税金負債が636百万円減少したことによるものです。
(純資産合計)
純資産は、53,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,065百万円の減少となりました。その主な要因は、為替換算調整勘定が4,611百万円増加した一方、利益剰余金が5,075百万円、その他有価証券評価差額金が1,596百万円減少したことによるものです。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末41.9%から40.7%となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、各国における経済活動の再開を受け主要顧客である自動車メーカーのグローバルでの自動車販売が回復したことで、当社の受注量も回復基調となり、前連結会計年度から23,339百万円増加し116,313百万円(前期比25.1%増)となりました。
そのうち、国内売上高は61,713百万円(前期比10,299百万円増)、海外売上高は54,599百万円(前期比13,039百万円増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業損益)
売上原価は、受注量の増加及び原材料価格の上昇による調達コスト増加等により、前連結会計年度から22,286百万円増加し108,689百万円(前期比25.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から921百万円増加し10,046百万円(前期比10.1%増)となりました。
以上の結果、営業損失は2,422百万円(前期は2,554百万円の営業損失)となりました。
(経常損益)
営業外収益は前連結会計年度から279百万円減少し940百万円(前期比22.9%減)となりました。これは主に為替差益が276百万円、スクラップ売却益が120百万円増加した一方、雇用調整助成金が673百万円減少したことによるものです。
営業外費用は前連結会計年度から210百万円減少し550百万円(前期比27.7%減)となりました。
以上の結果、経常損失は2,032百万円(前期は2,094百万円の経常損失)となりました。
(特別利益)
特別利益は前連結会計年度から2,376百万円増加し2,537百万円(前期比1,478.0%増)となりました。これは主に投資有価証券売却益が2,303百万円、補助金収入が52百万円増加したことによるものです。
(特別損失)
特別損失は前連結会計年度から3,576百万円増加し4,473百万円(前期比398.7%増)となりました。これは主に新型コロナウイルス感染症関連損失が590百万円消滅した一方、減損損失が4,139百万円増加したことによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は5,189百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,843百万円)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の1株当たり当期純損失は201円23銭(前期は1株当たり当期純損失111円06銭)となりました。
(EBITDA)
当連結会計年度のEBITDA(営業利益+減価償却費)は9,496百万円(前期比8.2%減)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッ
シュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要及び財務政策
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び事業拡大のための設備投資資金、配当金の支払等であります。これらの資金需要に対して当社グループでは、主として金融機関からの借入金と自己資金(手元資金と営業活動によって獲得した資金)により事業活動に必要な運転資金や将来の設備投資等に向けた充分な資金を確保しております。
資金調達手段としては、金融機関からの短期借入金、長期借入金で行っており、短期借入金については、月次の売上高の2分の1程度を運転資金として借入を行っております。長期借入金については、設備投資に3年~5年の借入期間で調達を行っております。また、短期借入金については、月次の資金繰り状況に応じ当座借越限度額の範囲内で反復利用を行い、長期借入金については、新規調達を行う一方で約定計画に基づき返済を行っております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標は下記のとおりであります。
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
自己資本比率(%) |
47.4 |
47.7 |
46.5 |
41.9 |
40.7 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
17.7 |
12.8 |
7.3 |
9.4 |
7.4 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
186.6 |
191.9 |
204.5 |
578.2 |
519.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
26.0 |
29.4 |
38.2 |
16.7 |
15.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
資金の流動性
当社及び国内連結子会社はCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っており、余剰資金が生じた場合には有利子負債の返済に充てる方針であります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ダイカスト事業においては、日本、北米、アジアの各セグメントとも各地域の自動車市場では、前年第2四半期以降、各国の経済活動の再開を受けて主要顧客である自動車メーカーのグローバルでの自動車販売も回復基調にありました。当連結会計年度においては世界的な半導体不足や東南アジア地域での新型コロナウイルス感染症の拡大による自動車部品生産への影響を受けて、回復基調にあった当社グループの受注量も前年下期の水準(2018年度平均を100とした指標で84)から当連結会計年度通期で再度減少いたしました(同指標で74)。
収益面においては、受注量減少の影響とともに、当社グループの原材料であるアルミニウム地金の市況が高騰しており、原材料価格の変動を販売価格へ転嫁することに一定のタイムラグがあることから、利益圧迫要因となりました。第4四半期以降においては、受注量はほぼ横ばい(同指標74)での推移となりましたが、顧客の販売価格への改定も進んだことや製造コスト低減効果もあり、当第4四半期期間では営業利益黒字を回復いたしました。
上記の結果、当連結会計年度のダイカスト事業各セグメントは、売上高はコロナ感染症からの受注増加やアルミニウム地金市況の上昇、為替の円安影響を受けて前期比で増加となりましたが、半導体不足等での自動車生産への影響やアルミニウム地金市況により、セグメント損失の計上を余儀なくされております。
以上の状況を踏まえた各セグメントの状況は次のとおりです。
(ダイカスト事業 日本)
ダイカスト事業日本においては、売上高は51,746百万円(前期比13.5%増)となりました。収益面においては、セグメント損失1,372百万円(前期はセグメント損失2,491百万円)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4,223百万円減少し51,717百万円となりました。
(ダイカスト事業 北米)
ダイカスト事業北米においては、売上高は28,111百万円(前期比30.0%増)となりました。収益面においては、セグメント損失1,096百万円(前期はセグメント利益94百万円)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,277百万円増加し31,064百万円となりました。
(ダイカスト事業 アジア)
ダイカスト事業アジアにおいては、売上高は26,488百万円(前期比32.9%増)となりました。収益面においては、セグメント損失547百万円(前期はセグメント損失598百万円)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4,321百万円増加し42,128百万円となりました。
(アルミニウム事業)
アルミニウム事業においては、半導体不足等に伴う自動車メーカーの減産による影響があるものの、販売重量が前年同期比で19.7%増となり、売上高は6,463百万円(前期比85.6%増)となりました。収益面においては、アルミニウム相場の高騰に伴う売上高の増加と原価低減活動等が寄与し、セグメント利益は265百万円(前期比694.7%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,592百万円増加し4,350百万円となりました。
(完成品事業)
完成品事業においては、主要販売先である半導体関連企業のクリーンルーム物件や通信会社のデータセンター向け物件等の受注が増加し、売上高は3,503百万円(前期比49.4%増)となりました。収益面においては、個別受注物件による変動影響等により、セグメント利益は312百万円(前期比2.3%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1,555百万円増加し2,573百万円となりました。
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