(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が国内外の経済に大きな影響を及ぼし、 かつ長期化していることから、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社におきましては引き続きこれまでの、成長性と安定性を重視する事業ポートフォリオの構築に傾注して、注力する得意分野におけるマーケティング力を強化して優位性ある商品開発に取り組む一方、これまで以上に企業の堅固さと安全性を意識して、一層のコスト節減や経営資源の有効活用に向けた事業の再編を急ぐことといたしました。
また、連結子会社でありました株式会社越後伝衛門については、2021年7月1日に保有株式の全てを譲渡いたしました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高15,522百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益486百万円(前年同期比24.8%減)、経常利益475百万円(前年同期比27.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益168百万円(前年同期比77.9%減)となりました。
当社グループの各事業の概況は、次のとおりであります。
(食品流通事業)
当事業におきましては、前期は新型コロナウイルス感染症の拡大による事業への影響が非常に大きく、外出自粛等による内食需要の高まりにより来店客数が増加し、売上、利益ともに大きく伸長しておりました。
2021年7月以降におきましては、前年同期と比較して、売上はほぼ横ばいに推移したものの、 当初予定していたよりも大幅なリニューアル工事を2021年6 月~2021年7月にかけて行った事により、減価償却費及び水道光熱費が予定よりも増加したこと及び一部設備の老朽化に伴う修繕費等が増加した事などが要因となり、利益は前年同期と比べると減少しました。
その結果、売上高11,940百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益(営業利益)751百万円(前年同期比2.9%減)となりました。
(酒類製造事業)
当事業におきましては、前年同期と比較して、主に台湾向けの輸出による売上が好調であった反面、清酒、焼酎及びリキュール類の国内販売が低調な結果となり、全体としては、長引く新型コロナウイルス感染症による首都圏を中心とした緊急事態宣言の発令、飲食店の休業、酒類の提供自粛等の影響により売上高が減少しました。
また、設備の老朽化等によって35百万円以上修繕費が発生した事などの影響もありましたが、セグメント利益は前年を上回る事となりました。
その結果、売上高1,768百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益(営業利益)165百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
(教育関連事業)
当事業におきましては、長引く新型コロナウイルス感染症拡大の影響により会場テストがほとんど実施できなかった事など、教育関連事業を取り巻く環境の先行きの見通しが難しい状況の中、売上、利益ともに減少いたしました。
なお、会場テストに関しては、2022年3月以降は予定どおり実施できる見通しであり、来期以降は売上、利益に寄与できるものと考えております。
その結果、売上高1,811百万円(前年同期比11.1%減)、セグメント損失(営業損失)37百万円(前年同期 セグメント利益(営業利益)90百万円)となりました。
(その他)
当事業におきましては、その他教育関連事業等を行っており、売上高1百万円(前年同期比62.2%減)となり、セグメント損失(営業損失)0百万円(前年同期 セグメント利益(営業利益)1百万円)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計期間年度末における総資産は5,588百万円となり、前連結会計年度末に比べ226百万円減少いたしました。
これは主として、現金及び預金について893百万円減少したものの、有価証券について172百万円、未収入金について120百万円、有形固定資産について66百万円、無形固定資産について61百万円、投資有価証券について98百万円それぞれ増加したことなどによります。
当連結会計期間年度末における総負債は2,326百万円となり、前連結会計年度末に比べ56百万円増加いたしました。
これは主として、長期借入金について37百万円、訴訟損失引当金について186百万円それぞれ増加したものの、未払金について43百万円、未払消費税等について63百万円、社債について40百万円それぞれ減少したことなどによります。
当連結会計期間年度末における純資産は3,262百万円となり、前連結会計年度末に比べ283百万円減少いたしました。
これは主として、利益剰余金を原資とする配当を149百万円、親会社株主に帰属する当期純利益168百万円が増加したものの、その他有価証券評価差額金が301百万円減少したことなどによります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて834百万円減少し、1,339百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は下記のとおりです。
営業活動の結果として獲得した資金は、247百万円(前連結会計年度 793百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、減価償却費160百万円、売上債権の減少額53百万円、訴訟損失引当金の増加額186百万円などであります。支出の主な内訳は、未払又は未収消費税等の増減額63百万円、負ののれん償却額12百万円、仕入債務の減少額21百万円、供託金の預入による支出144百万円などであります。
投資活動により支出した資金は、928百万円(前連結会計年度 10百万円の獲得)となりました。支出の主な内訳は、有価証券の純増加額157百万円、有形固定資産の取得による支出253百万円、無形固定資産の取得による支出66百万円、持分法適用関連会社株式の取得による支出480百万円などであります。収入の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入31百万円などであります。
財務活動により支出した資金は、153百万円(前連結会計年度 37百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入150百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出112百万円、社債の償還による支出40百万円、配当金の支払額149百万円などであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 酒類製造事業以外は生産実績がないため、記載を省略しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 外部顧客への売上高を記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、経営上の目標の指標として連結ROE(自己資本利益率)15%以上を目指しており、当期につきましては、食品流通事業においてセグメント利益751,437千円、酒類製造事業においてセグメント利益165,884千円、教育関連事業においてセグメント損失37,589千円が主要な事業のセグメント利益及び損失となり、その結果連結ROE(自己資本利益率)は5.0%となりました。
財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況」の「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資本の財源については、固定資産は長期借入金及び社債等で充当し、運転資金は自己資金で充当しており、事業規模に応じた現金及び現金同等物の適正額を維持することとしています。
また、資金の流動性に関しては、営業活動については事業活動に必要な運転資金(商品仕入、製造費、製作費、外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費が主な内容となっております。
投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした設備投資が主な内容となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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