業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要につきましては、以下のとおりです。

なお、当連結会計年度より、収益認識に関する会計基準等の適用及び有形固定資産の減価償却方法の変更を行っております。これらの変更が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)、(会計上の見積りと区別することが困難な会計方針の変更)及び(セグメント情報等)セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。

 

1.財政状態

当連結会計年度末の総資産は3,025億円となり、前連結会計年度末に比べ147億円(5.1%)の増加となりました。一方、負債は1,667億円となり、前連結会計年度末に比べ83億円(5.3%)の増加となりました。その結果、当連結会計年度末の純資産は1,358億円となり、前連結会計年度末に比べ63億円(4.9%)の増加となりました。

これに伴い、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末比0.3ポイントマイナスの40.6%となり、1株当たり純資産額は同113円31銭増の2,731円13銭となりました。

 

2.経営成績

当連結会計年度の連結業績は、売上高が2,544億円となり、前連結会計年度に比べ199億円(8.5%)の増加となりました。営業費用につきましては、売上原価が2,373億円となり、前連結会計年度に比べ145億円(6.5%)の増加、販売費及び一般管理費が246億円となり、前連結会計年度に比べ16億円(7.2%)の増加となりました。その結果、営業利益は75億円の損失となり、前連結会計年度(113億円の損失)に比べ37億円の増益となりました。

営業外損益につきましては、営業外収益が44億円となり、前連結会計年度に比べ4億円(10.4%)増加し、営業外費用は15億円となり、前連結会計年度に比べ2億円(16.1%)の減少となりました。その結果、経常利益は47億円の損失となり、前連結会計年度(91億円の損失)に比べ44億円の増益となりました。

特別損益につきましては、特別利益が95百万円、特別損失が4億円となり、前連結会計年度に比べそれぞれ34百万円の減少、53億円の減少となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は51億円の損失となり、前連結会計年度(148億円の損失)に比べ97億円の増益となりました。

税金費用につきましては、法人税、住民税及び事業税が21億円、法人税等調整額がマイナス69百万円の合計20億円となり、前連結会計年度に比べ10億円(34.2%)の減少となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は8億円の利益となり、前連結会計年度(3億円の損失)に比べ11億円の増加となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は79億円の損失となり、前連結会計年度に比べ損失が96億円減少しました。

なお、総資産利益率(ROA)は△1.6%、自己資本利益率(ROE)は△6.6%となり、前連結会計年度に比べそれぞれ1.6ポイント、7.2ポイント上がっております。

 

各セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

a. 日本

売上高は713億円となり、前連結会計年度に比べ21億円2.9%)の減収となりました。一方、セグメント利益(営業利益)は54億円の損失となり、前連結会計年度(91億円の損失)に比べ36億円の増益となりました。

b. 米州

売上高は694億円となり、前連結会計年度に比べ17億円2.6%)の増収となりました。また、セグメント利益は7億円の損失となり、前連結会計年度(23億円の損失)に比べ15億円の増益となりました。

c. 欧州

売上高は313億円となり、前連結会計年度に比べ79億円34.2%)の増収となりました。一方、セグメント利益は41億円の損失となり、前連結会計年度(36億円の損失)に比べ5億円の減益となりました。

d. アジア

売上高は822億円となり、前連結会計年度に比べ122億円17.5%)の増収となりました。また、セグメント利益は34億円となり、前連結会計年度に比べ70百万円2.1%)の増益となりました。

 

3.キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は307億円となり、前連結会計年度末に比べ73億円増加しました。

営業活動によるキャッシュ・フローは171億円の収入となり、前連結会計年度(57億円の収入)に比べ収入が113億円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは189億円の支出となり、前連結会計年度(282億円の支出)に比べ支出が93億円減少しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは68億円の収入となり、前連結会計年度(228億円の収入)に比べ収入が159億円減少しました。

 

4.生産・受注及び販売の状況

生産、受注及び販売の実績につきましては、次のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

64,128

93.6

米州

63,897

112.3

欧州

31,158

101.4

アジア

72,895

118.1

合計

232,079

106.5

 

(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。

 

②受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

日本

75,621

105.0

25,745

119.7

米州

66,499

95.4

18,720

86.3

欧州

31,294

150.4

8,089

99.6

アジア

84,997

128.2

18,795

117.1

合計

258,412

112.9

71,351

105.9

 

(注) 1.セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。

2.当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況の改善等により各地域で受注高が増加しておりますが、特に欧州セグメントで著しく増加 しております。

 

③販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

71,380

97.1

米州

69,480

102.6

欧州

31,330

134.2

アジア

82,258

117.5

合計

254,450

108.5

 

 

(注) 1.セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高
(百万円)

割合(%)

販売高
(百万円)

割合(%)

東風汽車有限公司

44,828

19.1

55,780

21.9

北米日産会社

27,098

11.6

31,906

12.5

日産自動車株式会社

34,930

14.9

30,696

12.1

メキシコ日産自動車会社

25,577

10.9

22,718

8.9

 

3.当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染状況の改善等により各地域で販売高が増加しておりますが、特に欧州セグメントで著しく増加しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5.1%増147億円増)の3,025億円となりました。これは主に新車部品立上げに伴い、得意先への金型等を販売したことにより棚卸資産が減少した一方で、為替換算影響等により増加したことによります。

他方、当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ5.3%増83億円増)の1,667億円となりました。これは将来に向けた設備投資等の資金需要に対し主として長短借入金による資金調達を行ったことや、生産活動の回復に伴い仕入債務が増加したこと等によるものであります。

これに伴い、当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4.9%増63億円増)の1,358億円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失(79億円)の計上に加え、配当金の支払い(4億円)等により株主資本が減少した一方、為替換算調整勘定の変動によるものであります。

 

2.経営成績

当連結会計年度の売上高は2,544億円となり、前連結会計年度に比べ199億円8.5%)の増加となりました。これは半導体の世界的な供給不足による得意先の大幅な減産の影響により、当社グループの各工場の操業度が低下したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大から脱しつつあり、為替影響による増加があったことによるものであります。

営業利益につきましては、上記の操業度低下による影響はあったものの、合理化活動等により、前連結会計年度に比べ 37億円 改善し75億円の損失となりました。

また、営業外損益につきましては、借入金の増加に伴う支払利息の増加があったものの、雇用調整助成金をはじめとする各国における補助金収入等もあり、営業外損益は28億円のプラスとなり、経常利益は 47億円 の損失(前連結会計年度は 91億円 の損失)となりました。 

当連結会計年度では、特別損失の額は4億円になりました。その結果、税金等調整前当期純利益は51億円の損失(前連結会計年度は148億円の損失)となりました。

さらに、非支配株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度におきましては、3億円の損失(当社にとっては利益)となっておりましたが、当連結会計年度におきましては8億円の利益(当社にとっての損失)となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は79億円の損失(前連結会計年度は176億円の損失)となりました。

 

なお、足元の生産状況につきましては、緩やかな回復傾向にあり、その結果、当第4四半期連結会計期間の連結業績は、売上高は771億円となり、第3四半期までの各連結会計期間の水準に比べて増加しております。また営業利益につきましても、当第4四半期連結会計期間は43億円の利益となり、黒字化を達成しております。また、半導体供給不足の影響が依然不透明な状況はあるものの、今年度に引き続き来年度も新車部品立上げとその量産効果が期待されており、当社グループの販売状況の更なる回復が見込まれております。

各セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

a. 日本

日本におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染長期化及び半導体供給不足に伴う得意先の減産影響等により、売上高は前連結会計年度比2.9%減713億円となりました。また、セグメント利益(営業利益)は減産影響はあったものの合理化効果等により、54億円の損失(前連結会計年度は91億円の損失)となりました。

b. 米州

米州におきましては、得意先の増産影響及び為替影響等により、売上高は前連結会計年度比2.6%増694億円となりました。セグメント利益につきましては、主として上記の増産影響により7億円の損失(前連結会計年度は23億円の損失)となりました。

c. 欧州

欧州におきましては、得意先の減産影響はあったものの金型・設備の販売に加え円安による為替影響等により、売上高は前連結会計年度比34.2%増313億円となりました。セグメント利益につきましては、主として上記の減産影響により41億円の損失(前連結会計年度は36億円の損失)となりました。

d. アジア

アジアにおきましては、得意先の減産影響はあったものの為替影響等により、売上高は前連結会計年度比17.5%増822億円となりました。また、セグメント利益につきましては、中国新拠点のコスト負担等もあり、34億円の利益(前連結会計年度は33億円の利益)となりました。

 

3.キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失による収入減少があったものの、減価償却費の計上等により171億円の収入となりました。前連結会計年度に比べて113億円の収入増加となり、これは主に税金等調整前当期純損失の減少と売上債権、棚卸資産、仕入債務等の増減によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、欧州、アジアを中心とした設備投資により189億円の支出となりました。前連結会計年度に比べて93億円の支出減少となり、これは、主に有形固定資産の取得の減少等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済や配当金の支払い等による支出があったものの、借入金による資金調達の結果、68億円の収入となりました。前連結会計年度は228億円の収入であり、159億円の収入減少となりました。

これらに為替変動の影響を加えた結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ73億円増307億円となりました。

資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性維持及び効率的な資金の確保を最優先としております。これに従い、営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めると共に、自己資金を効率的に活用しております。

 

当社グループの運転資金需要の主な内訳は、自動車部品製造、プレス用金型製作のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金需要の主な内訳は、得意先のモデルチェンジに対応するための自動車用部品の生産用設備及び生産性向上、品質向上のための設備投資であります。

こうした資金需要に対しては、営業活動から得られたキャッシュ・フローを主として充当し、必要に応じ銀行借入等でまかなっております。また、グループファイナンスを効率よく行うこと及び金融費用の削減を目的として、資金余剰となっている国内子会社から当社が資金を借り入れ、資金需要が発生している国内子会社に貸出を行うキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。

当社は、当連結会計年度末現在、資金の短期流動性を確保するため、シンジケーション方式のコミットメントライン契約による銀行融資枠及び当座貸越契約による銀行融資枠を567億円設定しており、その未使用枠は285億円となっております。また、当連結会計年度において、資金の長期安定化のため333億円の長期借入を行っており、当連結会計年度末における長期借入金残高は443億円となっております。

上記の状況及び今後の営業活動から得られるキャッシュ・フローに基づき、当社グループは、将来の債務履行のための手段を十分に確保しているものと考えております。

また、当社は、格付機関である㈱格付投資情報センター(R&I)から信用格付を取得しております。当連結会計年度末現在、当社の発行体格付けは、㈱格付投資情報センター(R&I):A-(長期)、a-1(短期)となっております。

 

4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積りや仮定の前提となる状況が変化した場合には、最終的な結果が異なるものとなる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

上記のほかに、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性のある事象につきましては、「第2 事業の状況」「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

    

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