業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化している新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、経済活動の停滞が懸念されるなど、依然として予断を許さない状況で推移いたしました。

当社グループの主な需要先であります建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資も持ち直しの動きが見られたものの、鋼材価格の高騰が顕在化するなど、依然として厳しい環境となりました。

このような経営環境のなか、当社グループでは、コロナ後の外部環境想定のもと、2024年12月期を最終年度とする中期経営計画「NEXT100-PHASE2.1」を新たに策定し、「社会とともに持続的な成長を図る」という方向性を維持しながら、脱炭素を含むSDGs経営・DX活用・グローバル展開加速の3つの施策を柱に、会社の持続的発展と企業価値の向上に向けて取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ23億6千7百万円増加し、920億1千8百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億6千万円増加し、316億4千8百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ20億6百万円増加し、603億6千9百万円となりました。

 

ロ 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は648億2千9百万円(前連結会計年度比2.7%増)、営業利益は43億3千4百万円(前連結会計年度比3.6%減)、経常利益は47億2千6百万円(前連結会計年度比0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億2千7百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

〔建設関連製品事業〕

国内における建設関連製品の売上高を製品別にみますと、仮設・型枠製品は、RC造の着工床面積の減少等により、主要製品の販売が低調に推移した結果、前連結会計年度に比べ4.1%の減少となりました。土木製品は、災害復旧工事案件が減少したことなどから、土砂災害の防止に使用される製品の販売等が伸び悩んだ結果、前連結会計年度に比べ3.6%の減少となりました。構造機材製品は、新型コロナウイルス感染症の影響によりホテル等の鉄骨造物件の着工件数が減少したことなどによりベースパックの販売が低調に推移した結果、前連結会計年度に比べ6.0%の減少となりました。

海外における建設関連製品の売上高は、米国において、新型コロナウイルス感染症による需要減少からの反動や、住宅市場の好調等を背景に、建材製商品の販売が好調に推移した結果、前連結会計年度に比べ32.7%の増加となりました。

この結果、建設関連製品事業における売上高は526億7千万円(前連結会計年度比0.5%増)となり、営業利益は37億8千9百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。

 

〔自動車関連製品事業〕

米国において、新型コロナウイルス感染症による需要減少から新車販売台数が復調したことを受け、バッテリー端子製品の販売が好調に推移した結果、売上高は88億7千1百万円(前連結会計年度比20.3%増)となり、営業利益は2億7千3百万円(前年同期は1億9千3百万円の営業損失)となりました。

 

〔その他の事業〕

海洋資材製品の販売は好調だったものの、産業機械製品の販売が低調に推移したことなどにより、売上高は32億8千7百万円(前連結会計年度比2.4%減)となり、釣り用錘製品の収益が改善した結果、営業利益は2億7千1百万円(前連結会計年度比78.0%増)となりました。

 

 

事業別・製品別売上高

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減率(%)

建設関連

製品事業

仮設・型枠製品

 

6,690

6,419

△4.1

土木製品

 

7,526

7,252

△3.6

構造機材製品

 

19,613

18,431

△6.0

建材商品

 

11,799

11,600

△1.7

国内計

 

45,629

43,704

△4.2

建材製商品

(注)1

6,755

8,966

32.7

海外計

 

6,755

8,966

32.7

当事業計

 

52,384

52,670

0.5

自動車関連製品事業

 

7,374

8,871

20.3

その他の事業

(注)2

3,368

3,287

△2.4

合計

 

63,127

64,829

2.7

(注)1 当連結会計年度より、インドネシアにおいて建材製品の製造販売等の業務を行うPT. フジボルトインドネシアが連結対象となったことにより、「建材商品(海外)」の名称を「建材製商品」に変更しております。

2 その他の事業は、当社のコア事業である建設関連製品事業及び自動車関連製品事業に属さない多角化事業であり、海洋資材製品の製造販売、米国における釣り用錘製品の製造販売及び産業機械製品の製造販売等の各業務を行っております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億9千3百万円増加し、235億7千5百万円となりました。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、55億4百万円となりました(前連結会計年度は48億8千1百万円の収入)。主な要因は、仕入債務の増加によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローにおける支出は、6億9千6百万円となりました(前連結会計年度は17億4千2百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローにおける支出は、33億4千6百万円となりました(前連結会計年度は19億7千9百万円の支出)。主な要因は、長期借入れによる収入の減少によるものであります。

③ 生産、受注及び販売の実績

イ 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

建設関連製品事業

18,439

△7.5

自動車関連製品事業

7,465

20.5

その他の事業

3,384

4.9

合計

29,288

△0.2

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ロ 受注実績

当社及び連結子会社は、建設関連製品事業、自動車関連製品事業、その他の事業において見込み生産を行っており、その一部について受注形態をとっておりますが、重要性がないため記載を省略しております。

ハ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

建設関連製品事業

52,670

0.5

自動車関連製品事業

8,871

20.3

その他の事業

3,287

△2.4

合計

64,829

2.7

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

エムエム建材株式会社

6,393

10.1

5,887

9.1

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5経理の状況(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

a.財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ23億6千7百万円増加し、920億1千8百万円となりました。

流動資産は主に現金及び預金の増加により前連結会計年度末に比べ30億9千7百万円増加し、588億2千5百万円となりました。

固定資産は主にのれんの減少により前連結会計年度末に比べ7億2千6百万円減少し、331億8千7百万円となりました。

 

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ3億6千万円増加し、316億4千8百万円となりました。

流動負債は主に短期借入金の増加により前連結会計年度末に比べ26億2千1百万円増加し、217億1千2百万円となりました。

固定負債は主に長期借入金の減少により前連結会計年度末に比べ22億6千万円減少し、99億3千5百万円となりました。

 

(純資産合計)

当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ20億6百万円増加し、603億6千9百万円となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.5ポイント増加し、65.6%となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

当社グループの売上高の約7割を占める国内建設関連製品事業においては、着工床面積は前年比増で着地したものの、依然として低水準で推移し、仮設・型枠製品及び構造機材製品の販売が低調に推移した結果、減収となりました。その一方で、売上高の約1割を占める海外建設関連製品事業においては、米国において、新型コロナウイルス感染症による需要減少からの反動や、住宅市場の好調等を背景に、建材製商品の販売が好調に推移した結果、増収となりました。

自動車関連製品事業においては、新型コロナウイルス感染症による需要減少から新車販売台数が復調したことを受け、バッテリー端子製品の販売が好調に推移した結果、増収となりました。

その他の事業においては、海洋資材製品の販売は好調だったものの、産業機械製品の販売が低調に推移したことなどにより、減収となりました。

以上の結果、売上高は648億2千9百万円(前連結会計年度比2.7%増)となりました。

 

(営業利益、経常利益)

自動車関連製品事業において、米国工場における環境問題対策のコストを計上した結果、営業利益は43億3千4百万円(前連結会計年度比3.6%減)となり、受取配当金や投資事業組合運用益の計上などにより、営業外損益が3億9千2百万円の利益となった結果、経常利益は47億2千6百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

自動車関連製品事業において米国における環境対策費を特別損失として計上したことや、その他の事業においてのれんの減損損失を計上したことなどにより特別損益は6億5千4百万円の損失となりました。前連結会計年度と比べ損失額が減少(前連結会計年度における特別損益は11億2千6百万円の損失)したものの、法人税等合計が増加した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は26億2千7百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性

a.資金需要

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)や、営業活動に必要な運転資金(人件費等の販売費及び一般管理費)であります。

また、設備資金需要としては、コア事業である建設関連製品事業及び自動車関連製品事業における生産拠点整備、生産設備増強、研究開発投資等であります。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大等による状況の急変に備えたキャッシュポジションを維持するという観点から、設備投資計画等については、より慎重な検討のうえ、実行してまいります。

b.財務政策

 当社グループは、事業の「選択と集中」により生産設備、研究開発、企業買収等の投資案件を厳選し、フリーキャッシュ・フローの増加を図るとともに、金融市場動向及び当社財務状況等に応じて最適な資金調達方法を選択し、健全な財務体質を維持することを基本的な財務方針としております。

 

ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

(経営上の目標の達成状況について)

 当社グループは中期経営計画「NEXT100 - PHASE2.1」において、中期的な業績目標(売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)を設定しております。また、企業価値の向上のため、資産及び株主資本の有効活用が重要との考えから自己資本利益率(ROE)の目標値を設定しております。

 当連結会計年度における業績目標に対する実績は、売上高は648億2千9百万円(予想比99.7%)、営業利益は43億3千4百万円(予想比88.5%)、経常利益は47億2千6百万円(予想比94.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億2千7百万円(予想比86.1%)となりました。また、自己資本利益率(ROE)は4.4%となり、目標値を0.8ポイント下回りました。

 

ニ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

〔建設関連製品事業〕

当セグメントの国内における売上高は、当セグメントの販売状況を左右する指標の着工床面積は前年比増で着地したものの、以前として低水準で推移し、仮設・型枠製品及び構造機材製品の販売が低調に推移しました。主要製品の値上げや高付加価値製品の拡販などの営業努力を実施しましたが、前連結会計年度に比べ4.2%の減収となりました。

その一方で、当セグメントの海外における売上高は、住宅市場の好調等を背景に連結子会社のOCM, Inc.の販売が好調に推移した結果、前連結会計年度に比べ32.7%の増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は526億7千万円(前連結会計年度比0.5%増)となり、セグメント利益は37億8千9百万円(前連結会計年度比16.5%減)となりました。

 

〔自動車関連製品事業〕

売上高は、新型コロナウイルス感染症による需要減少から新車販売台数が復調したことを受け、バッテリー端子製品の販売が好調に推移した結果、88億7千1百万円(前連結会計年度比20.3%増)となりました。

セグメント利益は、環境問題対策のコストが減少した結果、営業利益は2億7千3百万円(前連結会計年度は1億9千3百万円の営業損失)となりました。

 

〔その他の事業〕

売上高は、海洋資材製品の販売は好調だったものの、産業機械製品の販売が低調に推移したことなどにより、売上高は32億8千7百万円(前連結会計年度比2.4%減)となりました。

セグメント利益は、釣り用錘製品の収益が改善した結果、営業利益は2億7千1百万円(前連結会計年度比78.0%増)となりました。

 

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