(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、厳しい状況が続いておりましたが、9月末の緊急事態宣言解除後は緩やかながらも経済活動は持ち直しの動きを見せておりました。しかしながら、年明けからのオミクロン株の感染拡大による経済活動の制限や原材料の高騰による影響に加え、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの影響が懸念される等、依然として先行き不透明な状況となっております。
このような情勢下におきまして、当社もお客様と従業員の安全確保を最優先とし、新型コロナウイルス感染症対策を継続しながらできる限りの営業活動を行い、ショベル・スコップ等の拡販セールの実施に加え、10月以降の降雪準備による除雪関連用品の早期受注および12月以降の各地での降雪の影響で、除雪関連用品の売上が増加したことにより、売上高は8,555百万円(前期8,286百万円)となりました。
利益面につきましても、拡販セールの実施や除雪関連用品の売上が順調に推移した結果、営業利益は295百万円(前期182百万円)、経常利益は318百万円(前期220百万円)、当期純利益は214百万円(前期139百万円)となりました。
また、財政状態につきましては、前事業年度末と比べ、資産は259百万円増加し6,900百万円、負債は152百万円増加し3,579百万円、純資産は107百万円増加し3,320百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べて355百万円増加し、1,192百万円となりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、496百万円(前期は191百万円の収入)となりました。これは主に棚卸資産の増加額が181百万円となったものの、税引前当期純利益、売上債権の減少額および仕入債務の増加額の合計が685百万円となったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、52百万円(前期は152百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出61百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、88百万円(前期は42百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の純減額99百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
生活関連用品(ショベル類) |
1,123,925 |
126.8 |
(注) 金額は平均販売価格によっております。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
商品仕入高(千円) |
前期比(%) |
生活関連用品 |
4,672,789 |
113.8 |
物流機器 |
2,980,726 |
103.2 |
合計 |
7,653,515 |
109.4 |
(注) 金額は平均販売価格によっております。
c.受注実績
当社の製品(ショベル類)は受注見込による生産方法をとっております。
d.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
製品 生活関連用品(ショベル類) |
1,120,563 |
117.3 |
商品 生活関連用品 |
4,514,093 |
103.5 |
生活関連用品 計 |
5,634,657 |
106.0 |
物流機器 |
2,920,621 |
98.4 |
合計 |
8,555,278 |
103.2 |
(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
三菱ロジスネクスト株式会社 |
1,907,627 |
23.0 |
1,726,626 |
20.2 |
DCM株式会社 |
1,010,773 |
12.2 |
1,008,007 |
11.8 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における資産の合計は、前事業年度末と比べ259百万円増加し6,900百万円(前事業年度末は6,640百万円)となりました。これは主に売掛金が165百万円、投資有価証券が96百万円それぞれ減少したものの、現金及び預金が356百万円、商品及び製品が174百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債の合計は、前事業年度末と比べ152百万円増加し3,579百万円(前事業年度末は3,426百万円)となりました。これは主に支払手形が152百万円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の合計は、前事業年度末と比べ107百万円増加し3,320百万円(前事業年度末は3,213百万円)となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が67百万円減少したものの、繰越利益剰余金が177百万円増加したことによるものであります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ268百万円増加し、8,555百万円(対前期比3.2%増)となりました。これは物流機器で48百万円減少したものの、生活関連用品のショベル類で165百万円、生活関連用品のアウトドア用品類、工事・農業用機器類で151百万円それぞれ増加したことによるものであります。そのうち国内売上高は210百万円増加し、8,397百万円(対前期比2.6%増)、輸出売上高は58百万円増加し、158百万円(対前期比58.5%増)となりました。
(売上総利益)
当事業年度における売上総利益は、前事業年度に比べ195百万円増加し、2,238百万円(対前期比9.6%増)となりました。また、売上総利益率は、原材料の高騰があったもののコストの低減に努め、前事業年度と比べ1.5ポイント増加し、26.2%となりました。
(営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、82百万円増加し、1,942百万円(対前期比4.4%増)となりました。これは売上高の増加に伴い、運賃等の変動費が増加したことによるものであります。なお、販管費率につきましても、人件費等の増加により、前事業年度と比べ0.3ポイント増加し、22.7%となりました。
以上の結果、営業利益は、前事業年度に比べ112百万円増加し、295百万円となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外収益は、9百万円減少し、45百万円となりました。これは主に受取保険金が5百万円増加したものの、雇用調整助成金が20百万円減少したことによるものであります。営業外費用は、5百万円増加し、22百万円となりました。これは主に固定資産処分損が1百万円増加したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は、前事業年度に比べ98百万円増加し、318百万円となりました。
(税引前当期純利益)
当事業年度に発生した特別損益はなく、前事業年度に発生した投資有価証券売却益が7百万円、新型コロナウイルス感染症による損失が14百万円それぞれ減少したことにより、税引前当期純利益は、前事業年度に比べ105百万円増加し、318百万円となりました。
(当期純利益)
当事業年度における法人税等合計は、31百万円増加し、104百万円となりました。これは主に売上高増加に伴い課税所得が増加したことによるものであります。
以上の結果、当期純利益は、前事業年度に比べ74百万円増加し、214百万円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、当社では、セグメントごとの財政状態を把握しておりません。
(生活関連用品)
ショベル類につきましては、新製品アルミパイプショベルの発売によるショベル・スコップの拡販セール等、懸命の拡販策の展開と除雪用アルミスコップ等の売上が順調に推移した結果、国内向け売上高は1,010百万円(対前期比12.7%増)となりました。輸出においては、新型コロナウイルス感染症により前期は輸出先での輸出入業務の休止の影響でほとんど出荷ができませんでしたが、今期は徐々に回復基調にあり、売上高は110百万円(対前期比88.5%増)となり、ショベル類全体の売上高は1,120百万円(対前期比17.3%増)となりました。
アウトドア用品類、工事・農業用機器類につきましては、ショベル類同様拡販セールの実施や除雪関連用品の売上が順調に推移した結果、売上高は4,514百万円(対前期比3.5%増)となり、生活関連用品全体の売上高は5,634百万円(対前期比6.0%増)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、主力製品の売上増加に伴い、265百万円(対前期比78.3%増)となりました。
(物流機器)
業界内における設備投資は、コロナ禍における不透明な事業環境で先行きは極めて厳しい中、拡販策の展開に努力しましたが、売上高は2,920百万円(対前期比1.6%減)となりました。
なお、セグメント利益につきましては、コスト低減に努めた結果、営業利益率が向上し、250百万円(対前期比3.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況 」に記載のとおりであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー関連の指標は以下のとおりであります。
回次 |
第114期 |
第115期 |
第116期 |
第117期 |
第118期 |
決算年月 |
2018年3月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
自己資本比率(%) |
47.0 |
47.1 |
48.1 |
48.4 |
48.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
25.7 |
27.2 |
25.6 |
23.4 |
21.4 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
16.2 |
84.7 |
7.1 |
5.8 |
2.1 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
5.5 |
1.2 |
15.8 |
20.9 |
54.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社は、運転資金及び設備資金については、営業活動から得られたキャッシュ・フロー又は銀行からの借入等により調達しており、健全な財務状態を維持するための必要な資金調達は十分に可能と考えております。なお、今後の資本的支出につきましては、ショベル工場の生産設備の更新、改修への取り組みを考えており、その資金につきましては、銀行からの長期借入等で調達を予定しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における資産・負債や収益・費用に影響を与えるような見積りや判断を必要としております。これらの見積りや判断は、過去の実績や決算時点の状況・情報等を踏まえ、合理的と考えられる前提に基づき、継続的に行っておりますが、見積り特有の不確実性が伴うため実際の結果はこれらと異なる場合があります。
a.貸倒引当金
売掛金等の債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しておりますが、取引先の財政状態等が悪化し、支払能力が著しく低下した場合には、貸倒損失が発生する可能性があります。
b.賞与引当金
従業員に支給する賞与に充てるため、支給見込額に基づき計上しておりますが、実際の支給額につきましては、労使協議の結果により決定しますので引当金と大きく相違する可能性があります。
c.棚卸資産
棚卸資産の貸借対照表価額につきましては、収益性の低下による簿価切下げの方法によって計上しております。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合は、これらの棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
d.投資有価証券
保有する有価証券について、期末日における時価が取得原価に比べ、50%以上下落した場合には期末時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満の下落の場合には時価の回復可能性を総合的に勘案し、減損処理を慎重に検討しておりますが、株式市況や投資先の業績が著しく低下した場合には、投資有価証券の追加の減損処理を行う可能性があります。
e.繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得を十分に検討した上で回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、見積りの内容が実際の結果と異なり、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
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