課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、工業用機械刃物・産業用機械及び部品の製造・販売会社として、法令等遵守のもとにお客様の信頼と満足を得られる製品の提供により社会に貢献するとともに、企業内においては参画と協調により活力ある職場を築くことを基本理念とし、流動化する経済状況のなかで「技術力を基に顧客指向のモノづくりを通して創造力・競争力をより一層高め、強固な経営基盤を確立する」ことを中期経営計画の基本方針と位置づけて経営に取り組んでおります。

また、当社グループの緑化事業を通して、環境対策への取り組みを継続いたします。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、2022年6月3日に発表いたしました見直し後の中期経営計画(期間:2020年4月~2023年3月。以下、第12次中期経営計画という。)に基づき、最終年度の2023年3月期連結売上高53億10百万円、営業利益2億79百万円(同利益率5.3%)、経常利益2億60百万円(同利益率4.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益1億90百万円(同利益率3.6%)、また生産性および効率的な資産運用が重要との認識のもと総資産利益率(ROA)を掲げ5.0%以上を目標として事業展開をしております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、第12次中期経営計画を、2025年に迎える創立100周年へ向けた成長の基盤として位置付けており、達成するために(1)収益性・市場性を念頭に置いた事業ポートフォリオを改めて見直したうえで、情報産業用刃物、製紙パルプ用刃物、精密部品関連を最重点品種とし、(2)生産性を重視した生産体制の構築、並びに(3)研究開発への設備投資及び早期製品化を掲げ重点的に取り組んでおります。具体的には、当社の強みである情報産業用刃物・部品の市場拡大に伴い、関連する高精度精密製品を最重要戦略品種と位置づけ拡販するほか、当該製品に係るイノベーションに参画し、需要を取り込んでまいります。また、納期遵守を念頭に、工程ごとの適正数量をコントロールする生産体制の構築、研究開発の主要テーマである金属積層造形の技術を大型製品へ適用するための設備投資や製品化の実現に取り組んでおります。そのほか、環境への取り組みを強化するため、当社グループの緑化事業を通して、CO2 削減等環境対策への取り組みの継続に加え、産学共創のプログラムに参画し、SDGs への取り組みを実施しております。

また、2021年7月13日に中国杭州市に当社子会社として杭州東洋精密刀具有限公司を新規設立しております。2022年4月に一部操業を開始しており、今後は事業の早期軌道化や、さらなる設備投資による生産能力の強化、株式会社フェローテックホールディングスとのシナジー効果の発揮で当社グループの企業価値向上を図って参ります。

 

(4)会社を取り巻く経営環境及び対処すべき課題

当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」)が再拡大する懸念もあることから、依然として先行き不透明な状況が継続するなか、製造業におきましては、感染症による部品供給の停滞や世界的な半導体不足、原材料価格高騰の影響が継続しております。こうした状況に加え、緊迫化するロシア・ウクライナ情勢の中、世界経済は日々、不確実性を増しております。当社グループといたしましては、感染症拡大の影響による製造設備の輸送及び出向予定社員の査証取得の遅延等による杭州東洋精密刀具有限公司の操業の一部に遅延が生じております。また、生産見直し活動の推進により原価率の低減を図っている一方で、ロシア・ウクライナ情勢等を背景に原材料、消耗副資材、電力等の資源高騰が利益を圧迫するなど、厳しい状況が続くことが予想されます。当社グループの取り組みといたしましては、業務改善活動を見直し、必要な設備投資も実施のうえ高付加価値製品への傾注、生産性の改善や研究開発にも継続して取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

 

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