課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは企業価値を向上させ、ステークホルダーから信頼されるコーポレートガバナンス体制を構築するとともに、コンプライアンス経営の実践及び透明性の向上並びに企業倫理の確立を目指すことを基本方針に掲げ、顧客ニーズに柔軟に対応し、信頼性の高い製品をタイムリーに供給しつつ、財務管理・人的資源管理・リスク管理の機能拡充による経営基盤強化と将来にわたる事業の発展に努めてまいります。

 そのために、高品質の製品と高度なサービスで安全と安心をもって社会に貢献し、コスト構造の改善及び技術力による差別化並びに人材力の強化により、持続的な成長を実現してまいります。

(2)経営環境

 当社グループを取り巻く事業環境につきましては、感染対策と社会経済活動の両立に向けた取り組みが強化され、個人消費の持ち直しを中心とした緩やかな回復途上にありますが、欧米ではインフレ圧力に対抗するための金融政策を引き締める度合いを加速させており、金融緩和を継続する日本との格差が広がることから恒常的に円安傾向が定着化し、輸入材の高騰や調達難も懸念されます。また、ロシアによるウクライナ侵攻と各国の経済制裁により資源・原材料価格の騰勢が続くことに加え、紛争沈静化後も経済制裁による分断により流通への悪影響が色濃く影を落とし、企業収益の悪化が設備投資減退に直結する懸念も拭えません。

 当社は、このような厳しい環境のなか、2022年4月に連結子会社となった株式会社渡部建設との連携による新たな収益機会の拡大を図り、現場ニーズを先取りした新サービス・新製品の開発を志向していくとともに、従来から緊密に連携している協力企業とパートナーシップ強化に努め、更なる事業拡大・新市場開拓を図ってまいります。また今後カーボンニュートラルを目的とした環境対策に注力し、現在建築中の中部事業部新工場を皮切りに環境負荷を考慮した設備投資を着実に実施してまいります。

 このような環境に加え、当社グループは未来指向の柔軟な発想をもって、新たな可能性を実現するため設備投資にも積極的に対応し、今後とも建築構造物の安全と安心を支えながら、当社グループとして「あるべき姿」を追求してまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 ワイヤーメッシュ及び鉄筋加工製品における適正利潤の確保のため、原価管理面においては、主材料の価格高騰に備え、主材料の徹底した調達管理及び生産性の向上を図るための積極的な設備の更新、また営業面においては、スプレッド確保のため販売価格の転嫁、変化する顧客ニーズに対応し、同業他社との価格競争激化を回避するための新たな製品の開発及び販売手法の改善などが、現状における重要課題と認識しております。さらに輸送コストの低減も引き続き対処すべき課題となっております。

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、特定の経営指標等は定めておりませんが、上記経営方針のもと、経営の健全性、効率性を重視しつつ、収益力を高め、安定的な企業価値の向上を目指し、努力を重ねてまいります。

(5)対処すべき課題

 当社グループは2021年4月1日から2024年3月31日までの3か年を対象期間とする中期経営計画において、「安定から成長へ」をスローガンに、新規事業、設備投資による効率化、事業提携またはM&Aなどに果敢に挑み、強靭な事業基盤を築くことを基本方針とし、以下の重点施策に取り組んでまいります。

・設備投資と意識改革

 安定的な利益確保を目的とし、「コスト競争力の向上」「サービス品質の向上」「安全衛生対策の強化」に役立つ設備投資と意識改革に取り組んでまいります。

・新市場開拓

 新しい発想で、新たな挑戦として新製品開発・新規事業参入・新市場開拓を図ってまいります。

・実感をともなう組織の改革

 業務を効率化し、課題に対して成果を出そうとする社員を会社がサポートし、成果に対する評価が実感できる組織・人事制度を構築してまいります。

・トーアミブランドの再構築

 本計画の中で実践していくそれぞれの施策を通じ、これまで知られていなかった業種、業界でも当社グループが認知されることによって、顧客や取引先の範囲を広げ、事業の成長に貢献できるようトーアミブランドを再構築してまいります。

 

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