業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における我が国及び世界の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症による経済の停滞から徐々に持ち直してまいりました。しかし、ワクチン接種は進捗したものの、新たな変異ウイルスが猛威をふるうなど、先行き不透明な状況が継続しました。また、半導体等の部品の需給逼迫による生産活動の停滞や鋼材価格の高騰等が、企業活動に影響を与えました。さらに、ロシアのウクライナ侵攻が世界経済に大きな混乱を招いております。

このような状況のもと、当社グループは、第15次中期経営計画「Change !! New NETUREN 2023」(2021年4月
より2024年3月までの3ヵ年計画)に掲げた基本方針である、

①コア事業の更なる競争力強化、新技術・新商品・新規事業の市場投入で利益基盤を確立

②N-DX体制の構築によるデジタル化の促進で、情報展開力を向上

③SDGsを経営の中心に据え、CO2削減を推進し持続可能な社会づくりに貢献

④グローバルにグループ営業力、マーケティング力の強化を担う人財の輩出

を推進することにより、企業価値の向上を図ってまいりました。

また、受注の確保に全力を注ぐとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大状況下で培ってきた原価低減方策をより一層推進してまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は53,004百万円(前年同期比24.5%増)、営業利益は3,704百万円(前年同期比302.6%増)、経常利益は4,418百万円(前年同期比199.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,690百万円(前年同期比903.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(製品事業部関連事業)

土木・建築関連製品の売上高は、建設需要が堅調に推移したことなどにより、前年同期と比較し増加いたしました。自動車関連製品の売上高は、自動車業界の世界的な市場減速からの回復を受け、前年同期と比較し増加いたしました。建設機械関連製品の売上高は、主として国内で販売量が伸びたことなどにより、前年同期と比較して増加いたしました。

この結果、売上高は31,205百万円(前年同期比27.2%増)、営業利益は1,317百万円(前年同期比92.2%増)となりました。

 

(IH事業部関連事業)

熱処理受託加工関連の売上高は、工作機械、建設機械などの業界からの受注が回復し、前年同期と比較し増加いたしました。誘導加熱装置関連の売上高は、設備投資需要が回復基調で推移したため、前年同期と比較し増加いたしました。

この結果、 売上高は21,666百万円(前年同期比21.1%増)、営業利益は2,327百万円(前年同期比1,267.7%増)となりました。

 

(その他)

当該セグメントは、報告セグメントに含まれない不動産賃貸事業などであります。当社保有の賃貸物件については、小規模ではありますが安定的に業績に寄与しております。この結果、売上高は132百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は54百万円(前年同期比5.7%減)となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

製品事業部関連事業

27,427

133.4

IH事業部関連事業

15,474

110.5

合計

42,902

124.1

 

(注) 金額は、製造費によっており、セグメント間の取引については消去しております。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

製品事業部関連事業

32,661

130.4

3,722

164.2

IH事業部関連事業
(誘導加熱装置関連)

8,043

233.7

3,840

181.2

 

(注) 1 IH事業部関連事業のうち、熱処理受託加工関連は継続的な取引が多く、加工賃収入のため受注高及び受注残高の把握が困難のため、誘導加熱装置関連の受注状況を記載しております。

2 受注金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しております。

3 製品事業部関連事業において、受注残高が著しく増加しました。これは、自動車業界の世界的な市場減速から回復したことなどによります。

4 IH事業部関連事業(誘導加熱装置関連)において、受注高、受注残高が著しく増加しました。これは、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の拡大による設備投資の見直しやメンテナンス時期の先送りにより、一時的に受注状況が悪化しましたが、顧客の設備投資需要が回復基調で推移してきていることなどによります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

製品事業部関連事業

31,205

127.2

IH事業部関連事業

21,666

121.1

その他

132

101.2

合計

53,004

124.5

 

(注) 上記の金額は、セグメント間の内部売上高を消去しております。

 

 

(2)財政状態

当連結会計年度末における総資産は82,003百万円(前年同期比8.5%増)となりました。この主な要因は、固定資産が減少したものの、現金及び預金や売上債権が増加したことなどによります。
 セグメントごとの資産は、製品事業部関連事業、IH事業部関連事業において増加いたしました。製品事業部関連事業においては、業績の回復により棚卸資産や受取手形及び売掛金が増加したこと、IH事業部関連事業においては、業績の回復により受取手形及び売掛金が増加したことなどによります。

なお、セグメントごとの資産は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載しております。

当連結会計年度末における負債は15,144百万円(前年同期比17.8%増)となりました。この主な要因は、借入金が減少したものの、仕入債務や未払法人税等が増加したことなどによります。

当連結会計年度末における純資産は66,859百万円(前年同期比6.6%増)となりました。この主な要因は、収益向上により利益剰余金が増加したこと、為替換算調整勘定が増加したことなどによります。

この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は72.7%となりました。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、18,099百万円(前連結会計年度末と比べて4,790百万円の増加)となっておりますが、その内訳は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、6,335百万円(前年同期は3,969百万円の収入)であります。

これは、税金等調整前当期純利益を4,467百万円計上したこと、仕入債務の増加額が1,303百万円あったことなどによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、40百万円(前年同期は758百万円の支出)であります。

これは、有形固定資産の取得による支出が983百万円あったものの、投資有価証券の売却及び償還による収入が556百万円あったことなどによります。
 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、1,970百万円(前年同期は1,595百万円の支出)であります。

これは、長期借入金の返済による支出が541百万円あったこと、配当金の支払額が877百万円あったことなどによります。

 

キャッシュ・フロー関連指標

項目

前連結会計年度

当連結会計年度

自己資本比率

74.4

72.7

時価ベースの自己資本比率

32.1

28.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

0.7

0.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ

107.4

145.4

 

(注) 1 各指標の算出方法

自己資本比率                  :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率           :株式時価総額(株価終値×発行済株式総数)/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ   :営業キャッシュ・フロー/利払い金額

2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金を対象としております。また、利払い金額については、連結損益及び包括利益計算書に計上されている支払利息の金額を使用しております。

 

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のように認識しております。

当社グループは、設備投資計画に照らして、設備投資に必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入でまかなっております。また、短期的な運転資金は主に自己資金及び金融機関からの借入でまかなっております。なお、設備投資額及び設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照願います。 連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。

今後の新型コロナウイルス感染症による経済への影響を見通すことは困難であり、半導体等の部品不足による生産の停滞、鋼材などの材料費、電力費や物流費の高騰によるコストアップも引き続き懸念される状況です。さらには、ウクライナ情勢を巡る世界経済の混乱が、資源・エネルギー価格の高騰に拍車をかけるなど、企業の事業環境を悪化させております。

これらの要因が当社グループの業績に与える影響については、合理的な見積りが極めて困難な状況にありますが、しばらくは予断を許さない状況が継続し、当社グループの業績に何らかの影響を与えるという仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。

当社は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、不確定要素が多く、想定を超えた変化等が生じた場合、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、原則として、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性及び必要額を評価するに当たっては、課税主体ごとに将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収見込みを慎重に検討しておりますが、課税所得見積りの前提とした諸条件・諸前提の変化により、追加引当又は引当額の取崩しが必要となる可能性があります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得