当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態は、総資産が83,725百万円となりました。売上増に伴い売上債権が増加いたしましたが、主に固定資産の償却や減損損失の影響、手許資金を圧縮したことにより、前連結会計年度末より410百万円減少いたしました。負債については、手許預金を圧縮し借入金の返済を進めたため、前連結会計年度末より1,759百万円減少の57,579百万円となりました。純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したほか、円安が進んだため為替換算調整勘定が大きく増加したことにより、前連結会計年度末より1,349百万円増加し、26,145百万円となりました。
経営成績については、売上高63,780百万円(前年同期比7.8%増)、営業利益1,621百万円(前年同期比131.5%増)、経常利益2,021百万円(前年同期比865.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,306百万円(前年同期比220.3%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の連結損益計算書は、売上高は1,030百万円減少し、売上原価は1,166百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ136百万円増加しております。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当事業の経営成績は、売上高25,202百万円(前連結会計年度比1.9%減)、営業利益1,167百万円(前連結会計年度比7.4%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1,826百万円減少しております。
当事業の経営成績は、売上高8,605百万円(前連結会計年度比15.4%増)、営業損失827百万円(前連結会計年度は1,111百万円の損失)となりました。
当事業の経営成績は、売上高18,943百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益215百万円(前連結会計年度は134百万円の損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は674百万円増加し、営業利益は136百万円増加しております。
当事業の経営成績は、売上高4,252百万円(前連結会計年度比33.0%増)、営業利益460百万円(前連結会計年度比455.4%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は120百万円増加しております。
当事業の経営成績は、売上高6,776百万円(前連結会計年度比30.0%増)、営業利益605百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1百万円増加しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,661百万円減少し、4,425百万円になっております。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権や棚卸資産の増加などの支出要素がありましたが、減価償却費の影響、キャッシュを伴わない特別損失の計上等収入要素が大きく、1,915百万円の収入(前連結会計年度は2,834百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得により、1,503百万円の支出(前連結会計年度は396百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済を進めたことにより、2,289百万円の支出(前連結会計年度は2,679百万円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は外部顧客に対する受注に基づくものであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は外部顧客に対する売上に基づくものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社経営陣は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、取引先の支払不能時に発生する損失について、過去からの損失発生実績に基づいた見積り額により貸倒引当金を計上しております。過去からの実績と大きな相違があった場合、引当の過不足が生じる可能性があります。
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の取引先及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価格の下落が一時的でないと判断した場合には、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要になる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいて決定した課税所得の見積りを前提とし、合理的にその回収可能性を検討し判断して計上しております。将来の事業計画に変動をもたらす経済環境の変化などにより、繰延税金資産の計上に影響が生じる可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算で設定されている前提条件に基づいて算出されており、これらの前提条件には、将来の給与・賃金水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。未認識数理計算上の差異の償却は、退職給付費用の一部を構成しており、前提条件の変化や前提条件と実際との結果の差異の影響を費用として認識したものであります。当連結会計年度において、この償却費は235百万円ありました。
当社グループは固定資産の減損会計において、独立したキャッシュフローを生み出す資産の合理的なグルーピングを行い、グルーピングされた資産ごとの将来キャッシュフローの見積りから、減損の判定及び減損額の算定を行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、当連結会計年度において、1,456百万円の減損損失を計上いたしました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、自動車業界を始めとして新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けた前年同期からは大きく回復し、また、線材など諸資材価格の高騰に合わせて製品価格の改定を進めてきた結果、売上高は63,780百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
利益面では、諸資材価格高騰と製品価格改定の時期ズレの影響はありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により上半期の需要が大きく落ち込んだ前連結会計年度からは大幅な改善となりました。加えて、国内防災・道路安全施設工事の前連結会計年度からの期ズレによる繰り越し案件や当期受注も順調に推移したこと、海外CFCC事業のプロジェクト進捗などから、当連結会計年度における営業利益は1,621百万円(前年同期比131.5%増)、経常利益は2,021百万円(前年同期比865.3%増)と大幅な改善になりました。なお、構造改革による業務改善を進めているスチールコード事業において、エネルギー、諸資材、輸送コスト等の運営コストが高止まり、さらに当第4四半期連結会計期間に生じたロシア・ウクライナ情勢の不安定化により長期化することが見込まれたことなどから、同事業の固定資産に減損損失を認識するなど特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,306百万円(前年同期比220.3%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当連結会計年度末の借入金及びリース債務からなる有利子負債残高は26,123百万円となっており、また、現金及び現金同等物を4,425百万円保有しております。
設備投資の資金調達については、基本的に自己資金及び借入金に拠る方針であります。
新中期経営計画『TRX135』の目標数値及び当連結会計年度における各指標の状況については下表のとおりです。なお、『TRX135』の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
[『TRX135』の目標数値と当連結会計年度における各指標の状況]
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当事業の売上高は、エレベータロープや海上土建関連など販売数量は増加しましたが、当連結会計年度より適用している収益認識会計基準の影響により売上高が減少した結果、25,202百万円(前連結会計年度比1.9%減)となりました。営業利益は、諸資材価格高騰と製品価格改定の時期ズレの影響などにより、1,167百万円(前連結会計年度比7.4%減)となりました。
前連結会計年度に新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けた自動車業界の回復に伴い、タイヤコードの販売数量も大幅に回復いたしました。加えて製品価格改定により販売単価も増加し、当事業の売上高は8,605百万円(前連結会計年度比15.4%増)と大きく増加しました。一方で、鋼索鋼線関連セグメント同様、諸資材価格高騰と製品価格改定の時期ズレやエネルギー費の高騰などの影響があり、営業損失は827百万円(前連結会計年度は1,111百万円の営業損失)となりました。
新型コロナウイルス感染症や降雪の影響で国内防災・道路安全関連施設の工事案件が前年度からズレ込んだほか、当期案件の進捗も順調に推移しました。海外CFCC事業の大型プロジェクトが進捗したことで売上が増加したことも相俟って、当事業の売上高は18,943百万円(前連結会計年度比7.6%増)、営業利益は215百万円(前連結会計年度は134百万円の営業損失)となりました。
粉末冶金において、主要顧客の属する自動車関連業界の回復等により販売が増加いたしました。産業機械においても、人材不足のなかで省人化に向けた新規設備の受注・販売が好調に推移し、当事業の売上高は4,252百万円(前連結会計年度比33.0%増)、営業利益は460百万円(前連結会計年度比455.4%増)となりました。
原油価格上昇の影響により石油類の販売額が増加したため、当事業の売上高は6,776百万円(前連結会計年度比30.0%増)と大きく増加し、営業利益605百万円(前連結会計年度比0.5%増)を計上いたしました。
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