(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済及び世界経済は、コロナ禍からの回復に伴い経済活動の再開が本格化する状況が続きました。半導体市場においては、多くの用途で半導体需要が旺盛である一方で世界的な半導体不足も重なり、
半導体メーカーは生産能力増強のため積極的な設備投資を続けています。また、一般産業の分野においても設備投資の拡大により、建設機械や工作機械の需要が急速に回復しつつあります。
このような経営環境にあって、当社グループは配管を科学し、「お客様の望む時に、望むモノを、望む形とコスト
で」お届けすることに全力を注ぎ、「最適配管システムで世界のお客様に感動を」を合言葉に「感動創造企業」の
実現に向けてグループ一丸となって取り組んでまいりました。
販売面では、半導体需要の急拡大により半導体装置メーカーへの設備投資が増え、当社グループ製品の受注も
大きく増加しました。一般産業の分野においても、建設機械、工作機械、産業機械全般の市場に向けた製品の受注が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は206億7百万円(前年同期比42.9%増)となり、営業利益は43億75百万円(同67.1%増)、経常利益は46億34百万円(同69.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億12百万円(同54.3%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
当社は製品構成から以下2事業部を報告セグメントとしております。
(CP事業部)
当事業部は、半導体製造装置及び液晶製造装置市場向け、食品・医療市場向けに、クリーンな環境に適用した継手、バルブ、配管ユニット製品等を設計・生産していますが、半導体市場における設備投資の増大に伴う需要増加
により、売上高は129億23百万円(前年同期比56.2%増)となり、セグメント利益は44億47百万円(同69.2%増)となりました。
(GP事業部)
当事業部は、建設機械、工作機械、車両、船舶、化学プラント等の一般産業市場向けの継手、バルブ、配管システム等を設計・生産していますが、建設機械市場、工作機械市場を中心に産業機械全般の需要増加により、売上高は76億38百万円(前年同期比20.4%増)となり、セグメント利益は17億82百万円(同23.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローで9億73百万円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローで5億15百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローで9億30百万円のマイナスとなりました。この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より3億92百万円減少し67億59百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は9億73百万円(前年同期比63.8%減)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上46億34百万円、売上債権の増加による20億81百万円の減少、棚卸資産の増加による14億65百万円の減少、為替差益の増加による68百万円の減少などによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は5億15百万円(前年同期は39百万円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出4億23百万円、投資有価証券の取得による支出1億16百万円などによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は9億30百万円(前年同期は11億92百万円の支出)となりました。この主な要因は長期借入金の返済による支出4億37百万円、配当金の支払額4億93百万円です。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
CP事業部(百万円) |
13,774 |
161.8 |
GP事業部(百万円) |
7,769 |
123.3 |
報告セグメント計(百万円) |
21,543 |
145.4 |
その他(百万円) |
- |
- |
合計(百万円) |
21,543 |
145.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
CP事業部 |
15,807 |
190.5 |
4,272 |
314.8 |
GP事業部 |
7,759 |
121.3 |
726 |
137.8 |
報告セグメント計 |
23,567 |
160.3 |
4,999 |
265.3 |
その他 |
160 |
136.7 |
7 |
251.5 |
合計 |
23,727 |
155.1 |
5,007 |
265.3 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
CP事業部(百万円) |
12,892 |
161.1 |
GP事業部(百万円) |
7,559 |
120.1 |
報告セグメント計(百万円) |
20,452 |
142.9 |
その他(百万円) |
155 |
125.6 |
合計(百万円) |
20,607 |
142.9 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの財政状態及び経営成績は、当連結会計年度において連結売上高は206億7百万円、経常利益は46億34百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は33億12百万円となっております。前連結会計年度と比較しますと、連結売上高は42.9%、経常利益は69.1%、親会社株主に帰属する当期純利益は54.3%増加しております。これは、半導体市場における設備投資の増大に伴う需要増加と建設機械市場、工作機械市場を中心に産業機械全般の需要増加の影響によるものであります。
以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
a.売上高の分析
当連結会計年度の連結売上高は206億7百万円でありますが、これを種類別に分析すると、前連結会計年度よりも継手は33億87百万円増加、バルブ・配管システムは27億67百万円増加しております。これは当連結会計年度において、スマートフォンやPC、データセンター向けの半導体の需要拡大によって半導体関連メーカーの設備投資が増え、当社グループ製品の受注も増加し、建設機械市場及び工作機械・産業機械市場に向けた販売も、建設機械や工作機械の需要が急速に回復しつつあり、当社グループ製品の受注が増加したため、会社全体として継手、バルブ・配管システムの受注が増加しております。
b. 販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ29.4%増の22億3百万円となっております。これは売上高増加に伴う残業代を含む給与、賞与、法定福利費等の労務費が増加、荷造運賃、旅費交通費等の経費が増加したことなどによるものであります。
c. 営業外損益の分析
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ109.2%増の2億96百万円となっております。これは持分法投資利益が発生したこと、急激な円安により為替差益が発生したことなどによるものであります。また営業外費用は、前連結会計年度に比べ85.6%増の38百万円となっております。これは貸倒引当金繰入額の計上などによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
b. 資金需要について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費であります。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費及び試作材料費が研究開発費の主要な部分を占めております。
なお、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失の計上が必要となる可能性があります。
b. 棚卸資産の評価基準
当社グループは、棚卸資産の資産性に基づき評価減を計上しております。実際の将来需要または市場が悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。評価方法としては、移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
c. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が追加計上される可能性があります。
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