業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度は、前事業年度の営業活動の制限により主機関の生産台数が大幅に減少したこと及び部分品・修理工事等の売上が当初計画未達となったことの結果、当事業年度の総受注高は6,822百万円(前期比11.1%増)、総売上高は6,399百万円(前期比19.9%減)、期末受注残高は2,074百万円(前期比25.6%増)となりました。

営業面では、主機関の受注台数の減少及び部分品・修理工事等の売上が当初の計画を下回りました。

損益面では、主機関の製造コスト削減、経費削減による販売費及び一般管理費の減少及び助成金収入等の営業外収益が当初計画を大幅に上回った利益計上となりました。

以上の結果、当事業年度の経常利益は197百万円(前期は経常損失145百万円)、当期純利益166百万円(前期は当期純損失234百万円)、ROE(株主資本利益率)2.2%(前期△3.1%)となりました。

当社の取引先である、海運業界及び造船業界は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境と今後の見通し」に記載のとおりの経営環境が続いているなか、船腹過剰が解消されるまで主機関の受注案件増加と採算性の改善は期待できない厳しい状況であると認識し、前事業年度に5ヵ年の中期経営計画を策定しました。中期経営計画内で掲げた重点施策は以下のとおりです。

中期経営計画重点施策

営業戦略

・販売領域拡大と戦略的拡販

・営業支援システム導入

技術開発

・ゼロエミッション機関の開発

・自動運航対応技術の開発

製造工場改革

・脱炭素化に向けた製造体制構築

・将来に向けた設備体制、人員体制の構築

業務改革

・生産効率の向上

・人事政策

・営業拠点の見直し

事業の多柱化

・防音室、防音床等船内環境製品の販売拡大

・エネルギー関連事業、成長分野への参入

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。なお、当社の事業は舶用内燃機関及び部分品の設計・製造・修理・販売及びその関連事業を主体とした単一セグメントであります。

 

① 生産実績

当事業年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメント名称

当事業年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

 

舶用内燃機関(千円)

1,580,138

△59.7

 

部分品及び修理工事(千円)

3,525,691

8.2

 

その他関連事業(千円)

1,213,163

48.0

 

内燃機関関連事業(千円)

6,318,993

△21.0

 

(注) 金額は販売価格によっております。

 

 

② 受注実績

当事業年度の受注実績は次のとおりであります。

セグメント名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

 

舶用内燃機関

2,083,566

1.2

2,074,066

25.6

 

部分品及び修理工事

3,525,691

8.2

 

その他関連事業

1,213,163

48.0

 

内燃機関関連事業

6,822,421

11.1

2,074,066

25.6

 

 

③ 販売実績

当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメント名称

当事業年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

前年同期比(%)

 

舶用内燃機関(千円)

1,660,900

△57.5

 

部分品及び修理工事(千円)

3,525,691

8.2

 

その他関連事業(千円)

1,213,163

48.0

 

内燃機関関連事業(千円)

6,399,755

△19.9

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

当事業年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Daikai Engineering Pte.Ltd.

1,216,831

15.2

142,363

2.2

 

 

過去2事業年度における舶用内燃機関の販売台数は次のとおりであります。

 

 前事業年度

当事業年度

 客貨船用主機関(台)

30

11

 漁船用主機関(台)

4

6

 

 

(2) 財政状態

当事業年度末の総資産は11,513百万円となり、前事業年度末に比べ255百万円減少いたしました。流動資産は7,149百万円となり、227百万円減少いたしました。主な要因は、前事業年度に営業活動の制限を受けた結果による売上債権の減少(148百万円)や購入品価格の上昇による現金及び預金の減少(85百万円)等によるものです。固定資産は4,363百万円となり、27百万円減少いたしました。主な要因は、前払年金費用の増加(42百万円)に比べ、有形固定資産の減価償却により減少(70百万円)等によるものです。

当事業年度末の負債は3,701百万円となり、前事業年度末に比べ384百万円減少いたしました。主な要因は、金融機関から借入を実施したこと等による借入債務の増加(73百万円)やリースによる設備導入に伴うリース債務の増加(104百万円)等に比べ、受注減少に伴う仕入債務の減少(425百万円)や製品保証引当金の減少(112百万円)等によるものです。

当事業年度末の純資産は、当期純利益の計上もあり、7,812百万円となり、前事業年度末に比べ129百万円増加いたしました。この結果、自己資本比率は67.9%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて85百万円減少し、当事業年度末には2,338百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、138百万円(前期は882百万円の獲得)となりました。これは減価償却費339百万円及び税引前当期純利益207百万円等による増加に対して、仕入債務の減少425百万円の計上等であります。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、242百万円(前期は276百万円の使用)となりました。これは主に固定資産の取得による支出324百万円等による減少であります。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、18百万円(前期は278百万円の獲得)となりました。これは、長期借入金による収入300百万円の増加に対して、借入金の返済や社債の償還による支出226百万円の減少等であります。

(資本の財源及び資金の流動性についての分析)

当社の資金の主な調達源は、取引先に対する営業債権の回収によっております。

資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料・部品の購入のほか、製造に係る労務費・経費・販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金や設備資金であります。

また、当社の財務状態といたしましては、当事業年度末における流動比率は271.2%(前期は234.9%)、自己資本比率は67.9%(前期は65.3%)であり、現状は比較的健全な財務状態であると認識しております。しかしながら、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境と今後の見通し」に記載のとおり主機関の受注台数の回復は依然として望めない状況でありますので、今後については現在の健全な財務状態が維持できるかは不透明な状況にあります。

なお、運転資金及び設備資金につきましては、自己資金及び外部借入により賄うこととしております。

 当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。

 

前事業年度

当事業年度

自己資本比率(%)

65.3

67.9

時価ベースの自己資本比率(%)

19.9

20.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.1

8.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

95.9

12.8

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

当社の財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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