業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

文中の将来に関する事項は当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日まで)における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進んだこと等により国内における新規感染者数は減少傾向となっておりましたが、2022年に入ってからは変異株であるオミクロン株の流行で新規感染者数が再び増加傾向となり、先行きが不透明な状況が続いております。

 当社の事業領域である国内インターネット広告市場は年々拡大傾向にあり、2022年度には2.9兆円を超える見込み(※1)であります。新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、国内外での社会経済活動がかなり制限される事となり、消費者のライフスタイルやワークスタイルが変化し、広告主である企業においても広告を自粛する事態となりましたが、当連結会計年度においては、当社の属する国内インターネット広告市場は回復傾向にありました。(※1)出所:株式会社矢野経済研究所

 2021年は緊急事態宣言が3度発出されるなど、国内市場には大きな影響を与えることになりました。2021年8月に感染者数のピークを迎えその後は徐々に減少傾向となりました。そのような市場環境の中、国内インターネット広告市場は復調傾向となり広告出稿も増加しておりますが、2022年にはいり感染症は再拡大の懸念が出ており不透明な状況となっております。

 このような事業環境の下、当社グループは継続して商品力の向上と営業の効率化に注力し、事業を展開しております。当連結会計年度においても、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が発令され出社に制限が係るなど事業活動に制限がございましたが、前連結会計年度の経験を活かしウェビナー等におけるプルマーケティング営業手法への変更を継続したことにより、主に検索エンジン関連サービスにおいて売上高の向上がみられ順調な伸長を得られました。また、アフィリエイト広告サービスにおける営業人材教育の進捗とリワード広告売上の増加により売上高の大きな伸長を果たせました。

 また、不動産テック事業においては、サービスの充実を図るために開発投資を行ってまいりました。2021年12月にGMO賃貸DX 業者さんアプリ for 原状回復をリリースし、不動産管理会社は、「GMO賃貸DX」のブランドで提供されている既存の2アプリ(「オーナーアプリ」「入居者アプリ」)とあわせて導入し活用することで、不動産オーナー、入居者、賃貸運営関連業者との連絡・手続のDXや関連書類のクラウド上での一括管理を実現することができるようになりました。

 以上により、当連結会計年度における業績は、売上高4,252,219千円(前年同期比57.7%増)、営業損失258,032千円(前年同期は16,671千円の営業利益)、経常損失261,075千円(前年同期は18,612千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失288,282千円(前年同期は14,059千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①集客支援事業
 集客支援事業には、検索エンジン関連サービス、運用型広告・アフィリエイト広告サービス等を含んでおります。

 検索エンジンサービスにおいては、営業人材の採用を行い、効果的な教育を行うことで生産性が高まり売上高獲得に大きな進展が見られました。また、緊急事態宣言下において効果の高いプルマーケティング施策の一つである、ウェビナーを頻繁に行うことによる新規のお客様獲得も大きな成果を上げております。特にMEO(※2)サービスが堅調な伸びをしております。MEOサービスは引き続き当社グループの重要サービスとして注力してまいります。また、アフィリエイト広告サービスにおいては、国内のみならず国外の新規お客様の獲得に努めた結果、一定の成果を上げることができております。広告出稿先の媒体様とも連携を図り、お客様にご満足のいただける成果結果を上げることができたことも伸長の要因であります。運用型広告においては、復調傾向ではありますが、新型コロナウイルスの影響を大きく受けております。

(※2)MEOとは(Map Engine Optimization)の略で、主としてGoogle社が提供するGoogle Mapにおいて上位表示を実現しアクセスを増加させること、またそのための技術やサービスを指します。

 その結果当連結会計年度における売上高は4,131,363千円(前年同期比53.2%増)、セグメント利益は169,040千円(前年同期比343.8%増)となりました。

②不動産テック事業
 不動産テック事業には、連結子会社GMO ReTech株式会社で提供いたします賃貸DXサービス等が含まれます。「賃貸運営を楽にする」をミッションとし、賃貸運営に関わる方々をもっと自由にするために不動産領域におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援します。第3四半期連結会計期間から売上の計上が開始したばかりですが、2021年12月に提供開始した「GMO賃貸DX業者さんアプリfor 原状回復」をはじめ、今後もサービスの開発、改善に取り組んでまいります。
 当連結会計年度におけるセグメント売上高は120,855千円、セグメント損失は431,373千円(前年同期は24,670千円のセグメント損失)となりました。なお、前年同期におけるセグメント売上高はございませんでした。

 当連結会計年度は集客支援事業及び不動産テック事業において、新型コロナウイルス感染症の影響を少なからず受けはしたものの、生産性や効率性も復調しており、現時点において当社事業に重要な影響を与えるものではないものと判断しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ183,272千円増加し、590,904千円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は62,219千円(前年同期は11,537千円の減少)となりました。これは、主に売上債権の増加220,372千円、未払金の増加330,692千円、仕入債務の増加142,736千円によるものです。

 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は88,898千円(前年同期は69,687千円の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出14,854千円、無形固定資産の取得による支出269,446千円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は209,951千円(前年同期は72,102千円の減少)となりました。これは、主に短期借入れによる収入120,000千円、長期借入れによる収入90,000千円によるものです。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当社グループは受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比
(%)

集客支援事業(千円)

4,131,363

53.2

不動産テック事業(千円)

120,855

-

合計(千円)

4,252,219

57.7

 

   1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りに対して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合がございます。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産の残高は、1,723,194千円となりました。主な変動要因は、ソフトウェア勘定が276,517千円増加したことに加え売掛金が220,372千円増加、および現金及び預金が183,272千円増加したこと等によるものであります。

一方、当連結会計年度末における負債の残高は、1,238,743千円となりました。主な変動要因は、未払金が319,359千円増加、買掛金が142,736千円増加、および関係会社短期借入金が120,000千円増加したこと等によるものであります。

当事業年度末における純資産の残高は、484,450千円となりました。主な変動要因は、利益剰余金が288,282千円減少したこと等によるものであります。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)
 当連結会計年度における売上高4,252,219千円となりました。

(売上原価)
 当連結会計年度における売上原価は2,853,888千円となりました。主に媒体費の増加によるものであります。

(販売費及び一般管理費、営業損失、経常損失)
  当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,656,363千円となりました。給与手当が424,156千円、広告宣伝費が455,651千円、支払手数料が217,383千円等によるものであります。

 この結果、当連結会計年度における営業損失は258,032千円、経常損失は261,075千円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損失)
 当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)は、27,206千円となりました。
  この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は288,282千円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業、組織体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

そのため常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行って参ります。

 

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは、自社において開発力を有し、「自社開発の自社製品を提供する会社」として、テクノロジーを駆使し、集客支援事業においては「GMO SmaAD」「MEO Dash! byGMO」、不動産テック事業では「GMO賃貸DX」といった自社開発商品及びサービスを提供しております。今後も異なる特性の事業を複数組み合わせながら、全体として持続的かつ安定的な事業基盤の実現を目指して参ります。

新商材投入に加え、営業拠点の追加によりビジネスエリアの拡大に努めます。
 当社グループは「世界の人々にとって欠かせないサービスを創造し続けるインターネットマーケティング企業」として技術革新をリードし、インターネット産業と社会の発展に貢献して参ります。

 

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