(2) 会社の対処すべき課題
インターネット関連技術においては、技術の進歩が著しく、競争の激しい分野であり、技術優位性をもって先見的・コスト優位性のあるサービスを継続的に作りだすこと、及び、集客支援事業、不動産テック事業においては複数の競合会社が存在しており、他社との差別化が重要なポイントであることが経営課題と捉えております。また、不動産テック事業においては、当社グループにおいて新たな事業領域分野となり不動産事業に関する専門的な知識と経験を有する者が現時点で少なく、優秀な人材の確保が課題と捉えております。
技術力においては、エンジニアの採用・育成や創造的な職場環境の整備を進めております。そして、アドテクノロジー分野の強化、自社サービスの開発を優秀な「人財」において行うべく努めております。
(3) 目標とする経営指標
当社グループが属するインターネット広告市場の市場全体は、スマートフォンの普及に伴い順調に拡大しつつもトレンドの変化が非常に早く、それによりお客様のニーズが絶えず変化しております。技術進歩も著しく、サービスの陳腐化も恒常的に起こりえる状況となっております。不動産テック事業においては新たな事業領域であり事業発展を見極める知識と経験が現時点では十分ではないと捉えております。以上により当社グループにおきましては、中長期計画については不確実性が高く、誤った投資判断を与える可能性があるため、開示を行っておりません。当社グループは事業の継続的な拡大と企業価値の向上が重要と捉えております、また、株主に対する経営成果の利益還元を行うための指標として、売上高、営業利益、及び、当期純利益の達成を目標としております。短期的指標として前年度からの会社成長を考慮して業績予想の開示を行わせていただいております。
(4) 今後の事業展開に関して
集客支援事業におけるアドテク分野においては、創業当初より「検索・集客分野」に経営資源を集中し人材を重点配置したことが功を奏し、高いスキルと能力を有しています。こうした知見はスマートフォン向け広告配信サービスである「GMO SmaAD」及び、売上最大化を促すアフィリエイト広告「GMO SmaAFFi」においても活かされ、自社商材の拡充を図ってまいりました。上記に加えて、近年ニーズが拡大しているリスティング広告およびSNS広告等の運用型広告代行サービスの展開を進めており、中でも業界特化型の広告運用サービスは長年のノウハウ・知見を蓄積し、戦略商材の最適な組み合わせと精度の高い提案を通じ、顧客満足度のさらなる拡大に努めてまいります。
2020年7月に不動産テック事業を展開する目的で連結子会社GMO ReTech㈱を設立いたしました。不動産の分野における電子契約サービスの利用をはじめ、ITの利活用が進められようとしております。また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大を受け、VR技術を用いたオンライン内見サービスや、不動産や顧客情報をオンラインで管理・運用するサービスなど、不動産領域の業務にテクノロジーを掛け合わせた「不動産テック」に期待が寄せられており、今後もITの利活用は浸透していくと考えます。これまでのインターネット集客支援事業で培った技術力を「不動産賃貸領域」という新たな分野に投入してまいります。
(5) 経営体制および組織に関して
変化が著しいインターネット分野におきまして、当社グループは経営基盤の強化を図るため、事業再編や商材構成を見直し、次年度において飛躍するための足場固めを中心に行いました。具体的には、事業部門内の組織体制を再構築し、営業力強化を促すことに加え、地方拠点での運用業務を増強しコスト最適化を実施いたしました。次年度では、強固な組織体制をもとに、新技術採用による新たな商品開発が課題と捉えております。
また同時に検索・集客事業領域に関してはグローバル化が必要不可欠なため、グローバルに対応できる人材の教育並びにそのような人材の採用の強化を進めております。
また、世界に通用するサービスを創造するため、鋭意組織の強化を推進しております。
(6) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、事業活動面において、2020年1月よりリモートワークによる段階的な在宅勤務体制を導入致しました。緊急事態宣言期間においては、前年度の経験を活かし効率的な営業手法の導入や、プロモーションを行ったことが功を奏し事業活動に大きな影響はございませんでした。その結果集客支援事業においては売上高の伸長が可能になりました。不動産テック事業においては、効率的なプロモーションを行うことによりお客様の認知向上に努めてまいりました。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であったと考えております。
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