事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

<事業内容に関するリスク>

① 新規求人メディアサービスに関して

 当社は、今後も継続的、積極的に新規求人メディアサービスの展開に取り組んでまいります。新規求人メディアの投入には企画及びシステム開発に先行投資が発生すると同時に、運営にあたり人件費及び広告投資等への支出が発生いたしますが、新規求人メディアサービスが求職者及び求人企業に評価されない場合や、計画が当初の予測通りに進まない場合等には、当社の業績に影響を与える可能性や投資の回収が困難になる可能性があります。

 

② 競争の激化について

 当社が属している人材ビジネス業界については、すでに上場している会社を含めて競合他社が多数存在しております。当社といたしましては、求人企業への一過性のサービスの提供にとどまらず、求人企業の人材戦略を共有し、求人企業への繋がりを点ではなく面へと提供できるサービスメニューを拡充するとともに、企画提案力の更なる向上に努め、求人企業の戦略的パートナーとなるべく、トップからボトムまでの人材提供ができる会社として事業を展開し、競合他社との差別化を図ってまいりますが、競争がさらに激化した場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ インターネット関連市場について

 当社の主力事業であるメディア&ソリューション事業は、インターネットを介してサービス提供をしております。そのため、スマートフォンやタブレット型端末機器の普及により、インターネットの利用環境が引き続き整備されていくと共に、同関連市場が今後も拡大していくことが事業展開の基本条件であると考えております。

 今後、モバイルとPCの両面で、より安価で快適にインターネットを利用できる環境が整い、情報通信や商業利用を含むインターネット関連市場は拡大を続けるものと想定しております。ただし、今後新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改定を含む通信事業者の動向など、当社の予期せぬ要因により、インターネット関連市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 景気変動について

 当社のメディア&ソリューション事業、人材紹介事業及び採用支援事業は、顧客企業の採用に関連するサービスであることから、顧客企業の採用計画に大きく左右されます。そのため、景気が想定を超えて変動し、企業の採用意欲が著しく低下した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、事業上及び財務上の対処すべき課題、事業推進上の課題、①経済活動の回復の局面における受注の確保」に関しては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う世界的なパンデミックの発現とその後の世界経済の動向により、当該リスクが実際に具現化した事項に対応したものであります。

 当社では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が早期に撲滅されるとは想定しておらず、経済は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を図りながらも現在の傾向を引き続き維持し、緩やかに好転及び回復をしていくと見込んでおります。

 

⑤ 自然災害、事故について

 当社は、自然災害や大規模な事故に備え、定期的なバックアップや稼働状況の監視によりシステムトラブルの事前防止または回避に努めておりますが、当社の重要施設は東京都内にあり、当地域内における地震、津波等の大規模災害の発生や事故により本社もしくはデータセンターが被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性があり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

<事業運営に関するリスク>

① メディア&ソリューション事業への依存について

 当社の主たる収益はメディア&ソリューション事業による収入であります。当事業年度の売上高に占めるメディア&ソリューション事業の比率は50.1%であり、メディア&ソリューション事業への依存度は高い状況にあります。従って、他社の媒体との競合激化などにより、メディア&ソリューション事業の売上高が減少した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 また、メディア&ソリューション事業への依存度を低くするため、既存事業である人材紹介事業と採用支援事業の強化を図っておりますが、当初計画通りに進まず、メディア&ソリューション事業への依存度が低下しなかった場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

② 求職者の確保について

 メディア&ソリューション事業及び人材紹介事業においては、その事業の性格上、求職者の確保が非常に重要であり、当社ではインターネット広告やWebマーケティングを中心に求職者の募集を実施しております。求職者の確保については、求職者の満足度を高めるためにきめ細やかな対応と個々の求職者の希望に合った就業機会の提供を行っております。しかしながら、雇用情勢や労働需要の変化により、人材の確保が意図した通りに進まなかった場合や、求人企業の要望に対して十分な人材の確保が実施できなかった場合には、求職者及び求人企業双方に雇用マッチングサービスを提供できず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 他社データベースの利用について

 人材紹介事業における求職者の募集については、Webマーケティングや口コミによる集客の他に他社データベースを活用しております。データベース提供企業とは友好な関係を維持するとともに、複数のデータベース提供企業と連携して情報源を多元化しております。しかしながら、データベース提供企業の方針転換が行われ、当社が他社データベースを利用できなくなった場合には、求職者の獲得ができず、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 求職者確保に関する費用について

 人材紹介事業においては、他社データベースを利用して求職者の確保を行っております。データベース提供企業とは、利用料金に関して年間の利用契約を結んでおります。しかしながら、データベース提供企業から契約条件の変更を求められ、大幅な値上げが行われた場合には、求職者獲得コストが上昇し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 検索エンジンへの対応について

 当社が運営するサイトの利用者の多くは、特定の検索エンジン(「YAHOO!JAPAN」、「Google」/等)からの集客であり、今後につきましても、検索エンジンからの集客をより強化すべく、SEM(Search Engine Marketing)対策及びSEO(Search Engine Optimization)対策を実施していく予定でおります。しかしながら、検索エンジンが検索結果を表示するロジックについて変更される等の何らかの要因により、これまでのSEM対策及びSEO対策が有効に機能しなかった場合、当社の運営するサイトへの集客に支障が生じ、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ セキュリティについて

 当社が運営している各種求人メディアにおいては、当社のサーバーに求人企業情報並びに求職者情報をはじめとする様々な情報が蓄積されるため、これらの情報の保護が極めて重要になります。そのため、当社ではこれらの情報の消失や外部への漏洩がないよう、ファイアーウォールやデータベースの暗号化による不正アクセスの防止を行うとともに、サーバー監視を24時間体制で行っております。また、定期的にバックアップを実施し、データの消失を防いでおります。しかしながら、不測の事態により情報の消失や外部への漏洩事故が発生した場合には、当社の信用が失墜し、企業イメージが低下することにより、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑦ 紹介手数料について

 人材紹介事業においては、当社から求人先企業に求職者を紹介し、就業開始をもって手数料を請求し、売上を計上しております。求人先企業とは、求職者を紹介する前に、契約書もしくは申込書により手数料率、自己都合退職による返金の取り決めを行っております。人材紹介事業における企業間競争の激化により、この手数料率、自己都合退職による返金の取り決めに関して大きな変更があった場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 求職者の自己都合退職について

 人材紹介事業においては、求職者の意向をもとに就業先を紹介し、求人内容、就業先の状況等の説明を行い、納得して就業していただけるよう心がけております。しかしながら、求職者が自己都合により入社後早期に退職した場合、紹介手数料の一部を返金しております。雇用状況の変化等により、早期自己都合退職の比率が変動する場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 採用支援事業における売上高の期間帰属の適切性について

 採用支援事業の売上は、顧客によって検収がなされた時点で支配が移転し、履行義務が充足されるものと判断しており、その時点で売上が認識されますが、主に以下の理由から、不適切な会計期間に売上が計上されるという潜在的なリスクが存在します。

・同一の顧客と複数の契約が締結される場合、収益を認識するに際して複数の契約を結合しなければならないことがあり、この場合、1つのサービスのみが移転された段階では合意された契約条件である履行義務を充足したとはいえず、他の契約のサービスも移転された時点ではじめて売上計上の要件を充足する取引となるが、売上計上の要件を充足しないまま、適切な時期に売上が計上されない可能性が存在します。

・採用支援事業で移転されるサービスの取引価格はサービスの移転される一定の期間や移転されたサービスの量に基づいて決まる場合に加え、移転されるサービスの内容に応じて個別に決まる場合や、複数のサービスが単一の契約に含まれる場合もあるため、各サービスの履行義務に対する取引価格の配分の決定が複雑になることがあります。

・単一の契約で複数のサービスを移転する場合、取引価格が各サービスに適切に配分されず、一方のサービスだけが移転された際に適切な額で売上が計上されない可能性が存在します。

 当社では、採用支援事業における売上高の計上における潜在的なリスクの顕在化を防止するため、合意された契約条件に従ったサービス提供完了の判断、サービスの取引価格の決定及び、取引価格の適切な配分等を慎重且つ合理的に行い、内部統制の整備や適切な運用を通して恣意性を排除しておりますが、何らかの理由により潜在的なリスクの顕在化を防止できなかった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

⑩ 事業運営に必要な許可について

a.人材紹介事業

 当社の人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可(許可番号:13-ユ-301979)を受けて行っている事業であります。また、当社の有している有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社は法令に定める欠格事由(法人であって、その役員のうちに禁錮以上の刑に処せられている、成年被後見人もしくは被補佐人又は破産者で復権を得ないもの等に該当する者があるもの)に該当する事実を有しておりません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合、また職業安定法の改定により法的規則が変更された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

b.採用支援事業

 当社の採用支援事業においては、完全子会社であった日本データビジョン株式会社を吸収合併する以前は、日本データビジョン株式会社が「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「派遣法」という。)に基づき、厚生労働大臣の許可(許可番号:派13-307027)を受けて行っていた業務が一部ありました。

 しかしながら、派遣法の許可は吸収合併に伴う承継はされない事から、現在当社では派遣法の許可を受けておらず、当該派遣法に基づく一部業務を行っていません。

 当社では定款の変更により当社の事業目的に労働者派遣事業を追加し、派遣法の許可を受ける事で、当該派遣法に基づく一部業務の再開を企図しております。しかしながら当社が派遣法の許可を受けられなかった場合や、派遣法の許可を受けた後の将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合、また派遣法の改定により法規制が変更された場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

 

⑪ 法的規制の変化等について

 メディア&ソリューション事業においては、顧客である広告販売先として人材派遣会社があります。人材派遣会社は派遣法を順守し事業運営を行っております。当該法規の改定により法的規則が強化された場合には、販売先の人材派遣会社の事業に影響を与え、結果として当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 個人情報に関して

 当社は、メディア&ソリューション事業及び人材紹介事業、採用支援事業を行っているため、多数の求職者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しております。また、その個人情報及び個人情報に係る全ての情報を事業運営上最も重要な資産だと考えております。そのため、個人情報保護マネジメントシステムの運用等には万全を期しており、情報の取扱の際にも牽制を含めた運用手順の適宜の整備見直しを行い、内部統制の強化を図っておりますが、個人情報が当社の関係者や業務提携先の故意または過失により外部へ流出した場合や、悪用される事態が発生した場合には、当社が損害賠償を含む法的責任を追及される可能性があるほか、当社並びに当社の運営サイト、運営サービスのブランドが毀損し、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

<組織体制に関するリスク>

① 組織体制及び人材の確保・育成について

 当社は、未だ成長過程にあること及び今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保・育成を行うとともに、規模に応じた業務執行体制の整備や内部管理の強化を図る必要があります。

 しかしながら、人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、既存人材の社外流出等が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

<その他リスク>

① 大株主との関係について

 当事業年度末現在、当社の筆頭株主である株式会社アミューズキャピタルは発行済株式総数の29.8%を保有しており、同社、株式会社アミューズキャピタルインベストメント、株式会社A.C企画及び中山晴喜氏等を支配株主グループと認識しております。

 株式会社アミューズキャピタル、株式会社アミューズキャピタルインベストメント、株式会社A.C企画及び中山晴喜氏は、現時点においては、当社株式を中長期的に保有する方針ですが、今後の株価の推移等によっては比較的短期に売却する可能性もあり、当該株式の売却が市場で行われた場合や株式市場での売却の可能性が生じた場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。さらに、市場での売却ではなく特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によっては、当社の事業戦略等に影響を与える可能性があります。

 

② 訴訟について

 これまで、当社に対して、業績に重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。また、現時点においても、業績に重要な影響を及ぼす訴訟等が提起される見通しはありません。しかしながら、業績に大きな影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が提起され、当社に不利な判断がなされた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

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