当社グループは、当社と連結子会社2社(株式会社アイ・アール ジャパン(以下「アイ・アール ジャパン」といいます。)及び株式会社JOIB(以下「JOIB」といいます。)で構成され事業活動を展開しています。事業の系統図は次のとおりです。
[事業系統図]
アイ・アール ジャパンの事業領域は「IR・SR活動に専門特化したコンサルティング業」であり、単一セグメントであります。アイ・アール ジャパンでは、IR(Investor Relations)活動を「上場企業が広く投資家全般を対象として行うリレーション構築活動」と、SR(Shareholder Relations)活動を「上場企業が自社の株主を対象として行うリレーション強化活動」と、それぞれ位置付けております。
アイ・アール ジャパンは上場企業等に対してIR・SR活動を総合的にサポートするため、「IR・SRコンサルティング」、「ディスクロージャーコンサルティング」、「データベース・その他」という3つのサービスを提供しております。
アイ・アール ジャパンは、これらのサービスを提供するため、国内1,734社、海外8,936社のファンドマネージャー、アナリスト、議決権行使担当者を網羅する機関投資家ネットワークやWEBアンケートシステム「株主ひろば」に登録する56,748名の個人株主とのネットワーク(2022年3月31日現在)を利用して、内外のコンサルティングサービスを提供するのに不可欠な情報を日々収集しております。また、アイ・アール ジャパンは情報収集を行うだけでなく、機関投資家や個人株主の意見や要望を上場企業に伝えることで上場企業と投資家・株主をつなぐ仲介役としての役割も担っております。
さらに、プロキシー・ファイト(委任状争奪戦)等の有事に際しては、アイ・アール ジャパンがLA(Legal Advisor:法律事務所)と連携してPA(Proxy Advisor)やFA(Financial Advisor:投資銀行)として支援を行います。
2014年1月に発足した投資銀行部は、経験豊富な人材を採用するなど組織・業務体制を強化し、上場企業等に対して
M&A・経営統合・完全子会社化等のフィナンシャル・アドバイザリー業務、上場会社の第三者割当増資の支援等を行うプライベート・プレイスメント業務、未上場会社のTOKYO Pro Market上場を支援するJ-Adviser業務といった総合的な金融ソリューションを提供する体制を整えております。
JOIBは、我が国における大再編時代に創生される超大型のM&A市場の誕生を睨み、アイ・アール ジャパンの投資銀行業務の今後の飛躍的な拡大を図るべく2021年2月に設立いたしました。日本の企業文化並びに企業価値・株主価値を尊重する我が国生まれの異才なインベストメント・バンクとして、支配権争奪並びに企業再編・事業再編等のM&Aに特化した専門的なFA業務を主たる業務とし、企業買収(事業買収)・統合・売却アドバイザリー、MBOアドバイザリー(ノンスポンサー/スポンサー)、LBOアドバイザリー業務等を、ラージキャップ企業からミドル・スモールキャップ企業に至るまで提供する体制を整えております。
(1)IR・SRコンサルティング
実質株主判明調査、議決権賛否シミュレーション、コーポレートガバナンス・コンサルティング、プロキシー・アドバイザリー(株主総会議案可決における総合的な戦略立案)、投資銀行業務、証券代行事業等を中心とする当社グループの中核的サービスです。
《実質株主判明調査》
上場企業が効率的かつ実効的なIR・SR活動を実施する第一歩としては、IR・SR活動の重要な対象者となる機関投資家株主を正確に把握することが必要となっております。ところが、上場企業の株主名簿には実際の出資者である機関投資家株主の名義は明記されていない場合があり、機関投資家に代わって株式を管理する金融機関等の名義に集約されて記載されております。この問題を解決すべく、株主名簿には明記されない機関投資家株主を特定するサービスが実質株主判明調査であります。
調査においては、株主名簿の分析に加え、アイ・アール ジャパンの商品である「IR-Pro」に蓄積された大量保有報告書や国内・海外公募投信による株式の組み入れ状況等、上場企業の株式や株主に関連する公開情報を活用する等のアイ・アール ジャパン独自のプロセスを実施しております。また、調査対象となる海外機関投資家(外国人)及び国内機関投資家による顧客企業の保有株式数把握と共に、担当するアナリスト及びファンドマネージャーを特定し、顧客企業に対する投資判断を含めた各種意見も併せて収集しております。
《議決権賛否シミュレーション》
議決権賛否シミュレーションは、機関投資家株主の投資先である顧客企業の株主総会議案に対する賛否行使ガイドライン(注)等を調査し、上程予定の議案に対する賛否行使比率を予測するサービスです。
(注)賛否行使ガイドライン…機関投資家が独自に定めた株主総会議案に対する行使判断基準
《コーポレートガバナンス・コンサルティング》
コーポレートガバナンス・コードの改訂に伴うガバナンス・ガイドラインの改定や取締役会の機関設計、役員報酬設計の見直しに関するコンサルティングに加え、社外取締役の独立性判断基準の厳格化や社外取締役比率の増加や多様性を求める動きに後押しされた社外取締役等の人材紹介サービスを提供しております。中でも、取締役会の実効性評価は、機関投資家株主のニーズを熟知する当社グループの強みを活かし、差別化したサービスを提供しております。
《プロキシー・アドバイザリー》
プロキシー・アドバイザリーは、株主構成等の分析を行い、TOB(株式公開買付)やプロキシー・ファイト(委任状争奪戦)を成功に導くための必要な戦略を提案する唯一無二の実績を有するサービスであります。
なお、前記の議決権賛否シミュレーションの結果は、当サービスのための重要な基礎資料として活用されております。
《投資銀行業務》
当社グループの投資銀行業務は、株式議決権、株主動向、コーポレート・ガバナンスに関する圧倒的知見を活用した唯一無二の先鋭的フィナンシャル・アドバイザリー業務を中心とした総合的な金融ソリューションの提供をしております。
《証券代行事業》
当社グループの証券代行事業は、アクティビスト・敵対的買収からの企業防衛をコンセプトとして、株式の長期安定化、議決権の安定確保のみならず株主名簿における買収リスクの早期把握、買収リスクへの事前準備等、戦略的かつ効果的な証券代行業務の提供をしております。
(2)ディスクロージャーコンサルティング
ツールコンサルティング及びリーガルドキュメンテーションサービスを行っております。
《ツールコンサルティング》
アニュアルレポート・統合報告書・株主通信等、IR活動において必要とする各種情報開示資料の企画・作成支援を行うサービスです。
《リーガルドキュメンテーションサービス》
企業再編やM&A時における各種英文開示書類の作成や和文資料の英訳等を行うサービスです。
(3)データベース・その他
IR活動総合サポートシステム「IR-Pro」、アナリストネットワーク等をWEB上で提供しております。また、個人株主向けアンケートサービス「株主ひろば」を展開しております。
《IR-Pro》
大量保有報告書や国内・海外公募投信における株式の組み入れ状況等、上場企業の株式や株主に関連する公開情報を提供するWEBサービスです。
《アナリストネットワーク》
IR説明会への参加受付や参加者の管理等を上場企業が一括実施することを可能とするWEBサービスです。
《株主ひろば》
当社WEBアンケートシステムに登録する56,748名(2022年3月31日現在)の個人株主に対して、各種アンケートの実施を可能とするWEBサービスです。
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