当社グループは、当社及び連結子会社5社(イー・ガーディアン東北株式会社、EGテスティングサービス株式会社、EGセキュアソリューションズ株式会社、E-Guardian Philippines Inc.、E-Guardian Vietnam Co.,Ltd.)により構成されており、ソーシャルWEBサービスを運営するクライアントに対し、当該ソーシャルWEBサービスに投稿されるコメント等への監視サービスを提供するインターネットセキュリティ事業を展開しております。
現在、WEB上には、PCやモバイルによるコミュニティサービスの活性化を目的としたコンテンツやアプリケーションが多数存在しており、ソーシャルWEBサービスには、利用者が集まり、投稿するといったプラットフォームが増加しております。
しかしながら、当該ソーシャルWEBサービスに投稿されるコメント等の中には社会通念上不適切と考えられる内容や犯罪を誘引する内容が含まれる場合もあり、各種不適切なコメントをソーシャルWEBサービス上に掲載することは、当該ソーシャルWEBサービスの評判等を毀損するだけでなく、ユーザーが被害に遭うことにつながります。
そこで、当社グループでは、ソーシャルWEBサービスを有人及びシステムによって監視することにより、ソーシャルWEBサービス上に各種不適切なコメント等が掲載されることを防止しておりますが、投稿監視業務だけに特化するのではなく、投稿データの傾向や利用者属性を分析し、クライアントに対し、マーケティングや企画開発に利用可能な情報提供やコンサルティング等のサービスも行っております。
インターネットセキュリティ事業は、以下の5つの業務で区分しております。
1:ソーシャルサポート
ソーシャルメディアにおいて、投稿監視・カスタマーサポート(以下「CS」という)だけではなく、運用や分析といった多種多様な新サービスの展開や既存顧客への深耕営業に注力いたしました。近年拡大しているキャッシュレス決済分野においては、個人や加盟店審査時における本人認証サービスの提供を行っております。取引先の信頼性担保が課題となっていることから、サービス開始時の本人認証を提供し、運営事業者の本人認証対応に係るリソース削減に貢献いたします。
2:ゲームサポート
豊富な運用実績とノウハウの蓄積により既存顧客との関係の強化を目指すと同時に、サービス提供範囲の拡大、日本市場に参入する中国系及び韓国系海外ゲーム企業の多言語カスタマーサポートの受注に注力いたしました。また、ソーシャルメディアの普及によりユーザーの発信手段が多様化し、ニーズやリスクの発見が困難となったことを背景に、ゲーム向けアクティブサポートサービスを提供しております。ユーザーに対し広範囲のサポートを行うことにより、サービス満足度向上及び離脱防止に貢献いたします。
3:アド・プロセス
既存の広告審査業務だけでなく、CARTA HOLDINGS社との合弁会社ビズテーラー・パートナーズ社との連携を強化し、広告枠管理から入稿管理、広告ライティング等の提供サービスといった広告関連業務の案件拡大にも努めてまいりました。また、派遣・常駐型と地方センターを組み合わせた効率的な運用により競合他社との差別化を図り、既存顧客への深耕営業に注力いたしました。加えて、長時間労働の是正を背景にBPOサービスニーズが拡大しているため、RPA(※1)ツールを自社開発し、業務の自動化による効率化及び正確性の向上を推進しております。
用語説明
(※1)Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略称。機械学習及び人工知能等を活用した業務の効率化・自動化の取り組み。
4:サイバーセキュリティ
セキュリティ領域における第一人者を擁し、確かな品質と信頼性及びノウハウの蓄積により、既存顧客への信仰営業と新規開拓を図ってまいりました。既存の脆弱性診断だけでなく、24時間365日サイバー攻撃を監視・検出するSOC(※2)サービスや、クラウド型のWAF(※3)の提供を開始し、多様なニーズに合わせたサービスを提供することで更なる拡大を目指してまいります。
用語説明
(※2)SOC(Security Operation Center)の略称。企業や組織のIT基盤を24時間365日体制で監視しながら攻撃内容を脅威分析まで行うサービス。
(※3)Web Application Firewallの略称。ウェブアプリケーションの脆弱性を悪用する攻撃を検出・防御し、ウェブサイトを保護するためのセキュリティ製品。
5:その他
主にハードウェアに対するデバッグ業務を提供しております。
EGテスティングサービス株式会社が、2021年12月に開設した八王子テストセンターを中心に、多面的機能テストの需要への対応を進めてまいりました。
なお、各業務の具体的内容については以下の通りです。
[①:投稿監視業務]
投稿監視業務では、ソーシャルWEBサービスを運営する当社グループのクライアントに対して、当該企業の要望に応じて一般利用者から投稿されたコメント、画像、動画等が違法の可能性のある内容、個人情報、誹謗中傷を含む内容でないか、ソーシャルWEBサービスの評判、イメージ、ブランド等を損なう可能性がある内容ではないか、犯罪を誘引する内容ではないかをクライアントに代わって監視するサービスの提供を行っており、目視件数に応じて収入を得ております。
また、クライアントの多様な要望に応じる観点から、監視基準を持っていないクライアントに対して、顧客属性に対応した監視業務コンサルティングも行っております。
投稿監視業務の開始までのフローは、まず、ソーシャルWEBサービスを運営するクライアントから投稿監視サービスに関する依頼を受け、当社グループが、当該クライアントの要望に基づき、予算や掲載基準の有無、ユーザー層、監視の時間帯などを調査します。その調査結果に基づいて、クライアントにとって最適な掲載基準や投稿監視サービスの運用方法について提案をいたします。
その後、受注が決定次第、当社グループ内の監視体制を整備し、当該クライアントの運営するソーシャルWEBサービスの投稿監視を開始するとともに、クライアントへ日次報告や週次報告、月次報告をすることで投稿の傾向や件数等のレポーティングを行いクライアントから収入を得ております。
なお、ここでいう「監視」とは、クライアントと取り決めた掲載基準に従い、当社グループセンターに配備するインターネット端末から当社グループのオペレーター(※4)が、当該クライアントが運営するソーシャルWEBサービスを24時間365日「人の目」による目視チェック及びシステム監視を行い、投稿されたコメント等に対し、インターネット上に反映される前、もしくは、すでにインターネット上に反映されているコメントに対して掲載基準に合致するか否かを判断し、基準に合致しないコメント等を削除することをいいます。
当社グループでは、掲載基準に合致するか否かを判断するために掲載基準定義書を作成しており、例えば、その中に個人情報削除基準を設定した場合、個人の住所について、都道府県・市区町村は掲載可、丁目番地以下は掲載不可とし、メールアドレス電話番号については、携帯メールアドレス・PCメールアドレス・電話番号・著名人の電話番号、アドレスの明記・問い合わせアドレスはすべて掲載不可とする等具体的な項目ごとに掲載可否判定基準を設定しております。
また、品質管理部署を設置し、判断誤りを低減するために品質管理担当者が、判断誤りに対する改善策の検証、フォローを実施することで、品質を維持、向上させるための体制を整備しております。
以上のような事業活動により、当社グループは、悪質ユーザーを排除し、クライアントのソーシャルWEBサービスの健全化及び評判等の向上に努め、クライアントのソーシャルWEBサービスの活性化に繋げております。
用語説明
(※4)ソーシャルWEBサービスに投稿されるコメント、画像などを掲載基準に合致するか否かを目視する当社グループの契約社員、又は、メールや電話によるテクニカルサポート業務を担当する当社グループの契約社員。
[②:風評調査業務]
インターネット上で公開されているブログや掲示板などの情報から、クライアントの企業や製品・サービスに対する風評等を調査する業務を行っております。
具体的には、検索エンジンにて特定ワードで検索をかけ、ヒットした内容を目視します。該当の投稿(例えば、ネガティブなワードや商品に関する評判)を拾い出し、クライアントに報告いたします。
[③:広告審査業務]
インターネットやモバイルの普及により、多くの企業がインターネットを通じて商品・サービスを取り扱うようになり、各企業の顧客獲得の争いが過熱した結果、訴求力が強く、消費者の目を引く広告がインターネット上に溢れ、商品・サービスを本来以上の内容と誤認させてしまうトラブルが発生しております。このような環境のもと、インターネットの広告媒体や複数店舗が出店するサイト・モールなどに掲載される広告・サイト上のテキスト・画像情報などに対して、景品表示法、特定商取引法、薬事法等の各種関連法規及び顧客の掲載基準に基づいて、その基準に違反していないかを審査する業務を行っております。
[④:CS業務]
CS業務では、ソーシャルゲームをはじめとするソーシャルWEBサービス利用者からのメールや電話によるテクニカルサポート業務及び入退会などの問い合わせ対応等のヘルプデスク業務を行っており、対応件数に応じて収入を得ております。
ソーシャルWEBサービスにおいては、利用者からの問い合わせも多く、運営する当社グループのクライアントに代わって対応しております。
また、すでに当社グループのクライアントと投稿監視業務を請け負っている場合、掲載基準の取り決めを行っているので、操作方法に関する問い合わせやクレーム以外にも、ユーザーのアカウント停止やコメント削除に関する問い合わせの回答例も用意することができ、迅速な対応も可能です。
[⑤:オンラインゲームサポート業務]
オンラインゲームでは、基本プレイが無料で提供されることが多くユーザーのスイッチングコストが低いため、オンラインゲームそのものの面白さに加え、運営するクライアント側での運営管理の品質低下(例えば、ゲーム内でのイベントの回数が少ない、不正ツールを使っているユーザーへの迅速な対応など)が、利用者の離脱傾向を左右する傾向にあります。そのため、オンラインゲームサポート業務では、インターネット上でのオンラインゲームを運営するクライアント向けにゲームマスター業務(※5)をはじめ、ゲーム内及びWEBサイト上の掲示板等の投稿監視業務、サーバ監視業務、ユーザーからの通報・問い合わせ対応業務など、オンラインゲームの運営をサポートする各種業務全般の提供を行っており、対応内容に応じて収入を得ております。
用語説明
(※5)オンラインゲームにおいて、ゲーム内特定地域でのキャラクター・イベント動作の観測チェックを行い、また、不正ユーザーへの対処やゲームユーザーからの要望対応、さらにゲームにログインしパトロールや誘導を行うサポート業務。
[⑥:サイバーセキュリティ業務]
サイバーセキュリティ業務では、主に3つのサービスを提供しております。
脆弱性診断は、WEBアプリケーション等に潜む脆弱性を洗い出すサービスを展開しております。開発経験のある技術者が主導で検証し、結果だけでなく修正提案も含めた対応が可能です。WAFは、外部からの不正アクセスによるコンテンツ改ざんや情報流出等の脅威からウェブサイトを保護するセキュリティ対策です。クラウド型、ホスト型、ゲートウェイ型とクライアント側のニーズに合ったラインナップを用意しております。SOCサービスは、IT基板で不審な挙動がないかを24時間365日体制で監視し、不審な動きを検知した場合は事象の共有を行うだけでなく分析することでその攻撃の脅威度に応じた報告をクライアントにすることが可能です。
[⑦:デバッグ業務]
デバッグ業務では、ソーシャルゲーム、スマートフォンのアプリ等に係るソフトウエア製品を対象に、事前にレビューを受けたテスト項目書に基づき、効率的に機種依存エラー(画像非表示、文字化け、レイアウト崩れ、文字切れなど)の問題を検証するため、基本的な動作チェックだけではなく、複合動作チェックまでを行っております。
また、開発者が予期しない不規則な動作をユーザーの目線から行うことにより、操作不能バグや強制終了、イレギュラーな操作による致命的なバグを検出する業務を行っており、対応内容に応じて収入を得ております。
[事業系統図]
当社グループの事業の系統図は以下の通りであります。
(注)1.2021年10月1日付で、EGセキュアソリューションズ株式会社は当社の100%子会社である株式会社グレスアベイルおよび株式会社ジェイピー・セキュアを吸収合併しております。
お知らせ