当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社グループでは、求人情報メディアをはじめとする複数のインターネットメディアを運営しております。
当連結会計年度においては「コーポレートビジョン『あたりまえを、発明しよう。』追求に向け、黒字体質への再転換と将来の柱となる新規事業立ち上げの両立」をテーマとして、「既存事業の収益力強化」「新規事業の立ち上げ」の2点に取り組みました。
当連結会計年度は、COVID-19感染拡大による企業の採用抑制が継続するなど、依然として厳しい事業環境が継続いたしました。こうした状況のなか、当社グループでは既存事業における積極的な顧客開拓等の施策を行い、連結売上高は前期比2.5%増の4,179百万円と堅調な推移となりました。また、連結営業損益は売上の伸びに伴い、全ての四半期において前四半期比で赤字幅を縮小いたしました。通期では△1,112百万円と、前期比ほぼ横ばいとなりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に行った新卒就活サービス「就活会議」譲渡による営業外収益が増加したことなどにより、前期比で損失額が減少いたしました。
収益力の強化は堅調に進んではおりますが、「黒字体質への再転換」には更なる強化が必要な状況であることから、「不採算事業からの撤退」と「固定費の削減」を柱とした収益力強化施策を策定いたしました。業績回復に時間を要すると判断した「転職ナビ」事業からの撤退、オフィスの縮小移転や閉鎖、有期雇用社員や業務委託等の契約見直しといった施策を実行することで、外部環境によらず黒字体質を実現し、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。
・既存事業の収益力強化
既存事業においては、コロナ禍が継続しても利益創出が可能な体質への転換を目指し、成長戦略を推進いたしました。当連結会計年度においては、年間を通じて緊急事態宣言の発出等により厳しい外部環境が継続しており、さらなる収益力の強化が必要な状況ではありますが、通期において改善基調が継続いたしました。
成功報酬型アルバイト求人サイト「マッハバイト」においては、セールス・マーケティング・メディアの連携による高効率な集客とマッチングの強化を図っております。外食や小売といった企業の採用抑制傾向は継続しておりますが、フードデリバリーなど採用ニーズの強い顧客の開拓及び集客を積極的に推進し、当連結会計年度においては、前期比10.2%の増収となりました。
・新規事業の立ち上げ
当連結会計年度においては、複数の新規事業を立ち上げるために、専任部署において開発・検証を行ってまいりました。2事業がβ版をリリースするなど、開発が進捗いたしました。
提案型マッチングサービス「knew」はプレリリース版を公開し、月額制の本会員機能の提供を開始いたしました。また、オンライン面接ツール「batonn」ではβ版をリリースし、自社及び他社の実面接で検証を行っております。
なお、当社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。当連結会計年度における主要メディアの売上高は以下のとおりであります。
<主要メディアの売上高>
・マッハバイト: |
2,515,017千円 |
(前期比 |
10.2%増) |
・転職会議: |
637,198千円 |
(前期比 |
0.9%増) |
・転職ナビ: |
530,580千円 |
(前期比 |
18.9%減) |
②財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、691,525千円減少し、3,339,022千円となりました。主な内訳は、現金及び預金326,661千円減少、売掛金98,503千円増加及び未収還付法人税等378,307千円減少等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ349,150千円増加し、535,274千円となりました。主な内訳は、投資有価証券462,140千円増加及び投資その他の資産の「その他」の敷金及び保証金115,686千円減少等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、149,995千円増加し、690,928千円となりました。主な内訳は、未払金2,796千円減少、賞与引当金9,321千円減少、前受収益138,985千円増加及び未払法人税等2,730千円増加等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ、49,182千円増加し、84,357千円となりました。主な内訳は、繰延税金負債61,714千円増加及び長期借入金9,800千円減少等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ、541,552千円減少し、3,099,011千円となりました。主な内訳は、利益剰余金943,944千円減少及びその他有価証券評価差額金406,853千円増加等によるものであります。
なお、当連結会計年度より表示方法の変更を行っており、前連結会計年度は組替後の数値を用いて分析しております。
③キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は前連結会計年度末より326,661千円減少し、2,705,081千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、361,009千円(前年同期は1,991,096千円の支出)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失950,271千円、法人税等の還付額378,229千円、株式譲渡に伴うライセンス収入の受取額300,000千円、未収消費税等の減少額171,584千円及び売上債権の増加額97,651千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により得られた資金は19,345千円(前年同期は12,457千円の支出)となりました。
これは主に、敷金及び保証金の回収による収入35,731千円、資産除去債務の履行による支出25,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は15,002千円(前年同期は197,574千円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入14,700千円等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動により得られた資金を広告宣伝費及びメディア開発に係る人件費等に充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は2,705,081千円であり、将来の資金需要に対して十分な手許流動性を確保しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「①経営成績の状況」に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②財政状態の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりであります。
③キャッシュ・フローの状況
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性
「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
「(1)経営成績等の状況の概要 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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