(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益は急速に減少しており、雇用情勢や所得環境、個人消費も弱まっております。
一方で、保育業界におきましては、政府が2020年度末に待機児童をゼロにすることを目標に掲げ、10月には幼児教育・保育の無償化も開始し、更なる受け皿の拡大を推進すべく、政府や自治体による施設の整備や保育士の賃上げ支援等、保育施設の新規開設と保育士の確保を推進するための様々な施策が推進されております。
このような状況のもと、当社グループでは、親会社であるライク株式会社の連結子会社で総合人材サービス事業を営むライクスタッフィング株式会社との連携により、保育士の採用力と定着率の向上を図り、認可保育園・学童クラブ等の公的保育施設の開設と、事業所内保育施設の運営受託の強化と収益性の改善、利用者様から選ばれ続ける質の高い保育サービスの提供と研修コンテンツの拡充による保育業界における人材の創出に注力いたしました。
また、2019年10月1日に、当社は「ライクキッズ株式会社」へ商号を変更いたしました。
なお、 新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、 行政からの指導に基づく登園自粛要請や休園対応等ございましたが、 当連結会計年度におきましては軽微でありました。
当連結会計年度において新たに開園した施設は37施設で、セグメント別の内訳は下記のとおりであります。
(受託保育事業) 合計5施設
・企業内保育施設 合計2施設
愛知県 1施設(豊田市1施設)
兵庫県 1施設(川西市1施設)
・病院内保育施設 合計3施設
神奈川県 1施設(横浜市1施設)
大阪府 2施設(大阪市2施設)
(公的保育事業) 合計32施設
・認可保育園 合計22施設
東京都 16施設(江東区3施設、練馬区3施設、中野区3施設、世田谷区1施設、港区1施設、板橋区1施設、北区1施設、墨田区1施設、新宿区1施設、稲城市1施設)
神奈川県 5施設(横浜市3施設、川崎市1施設、相模原市1施設)
愛知県 1施設(名古屋市1施設)
・学童クラブ、児童館 合計10施設
東京都 8施設(大田区2施設、中野区2施設、品川区4施設)
兵庫県 2施設(西宮市2施設)
以上の結果、当連結会計年度における売上高は22,966,693千円(前年同期比11.8%増)、営業利益は601,956千円(同27.5%減)、経常利益は2,603,862千円(同5.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,809,351千円(同9.3%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(受託保育事業)
受託保育事業におきましては、企業・病院・大学等が設置する保育施設を受託運営しておりますが、2017年4月の契約更新分から毎年契約を見直しており、全体の受託数は減少したものの、多くの施設で適正な利益での契約更改が成功した結果、減収増益となりました。また、従業員様向けに企業が設置する事業所内保育施設の運営受託に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は3,722,122千円(前年同期比4.1%減)、営業利益は336,975千円(同9.2%増)となりました。
(公的保育事業)
公的保育事業におきましては、立地等の条件面でも保育の品質においても利用者様に選ばれ続ける認可保育園や学童クラブ等の新規受注と開設に注力いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は 19,244,571 千円(前年同期比 15.6 %増)、営業利益は 1,400,292 千円(同 6.7 %減)となりました。
期初の計画どおり、主に、認可保育園における売上に計上する運営補助金の加算額が前年同期より約90,000千円減少したこと、認可保育園の新規開設が通期で22ヶ所とライクアカデミー株式会社設立以来最大数となったことに対し人件費や開設コストが増加したこと等により、増収減益となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、 24,603,492 千円(前期末比 6,162,906 千円増)となりました。
流動資産につきましては、 8,888,402 千円(同 2,688,601 千円増)となりました。これは、主に現金及び預金が前連結会計年度末比で 1,568,309 千円、受取手形及び売掛金が495,214円、未収入金が 646,946 千円増加したためであります。
固定資産につきましては、 15,715,090 千円(同 3,474,305 千円増)となりました。これは、主に公的保育事業における新規施設の設備投資のために有形固定資産が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債につきましては、 16,447,283 千円(同 4,360,132 千円増)となりました。
流動負債は 7,930,900 千円(同 2,236,950 千円増)となりました。これは、主に短期借入金が 1,750,000 千円、1年内返済予定の長期借入金が530,203千円増加したためであります。
固定負債につきましては、 8,516,383 千円(同 2,123,182 千円増)となりました。これは、主に長期借入金 が1,266,592 千円、長期リース債務が 630,125 千円、資産除去債務が163,034千円増加したためであります。
当連結会計年度末の純資産につきましては、 8,156,208 千円(同 1,802,773 千円増)となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益が 1,809,351 千円生じたためであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ 1,568,309 千円増加し、当連結会計年度末の残高は 5,359,053 千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は 1,685,853 千円(前期比 29.6 %減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益 2,533,616 千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は 3,628,880 千円(同 30.8 %増)となりました。これは主に認可保育園の新規開園に関する有形固定資産の取得による支出 3,143,115 千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は 3,511,336 千円(同 378.0 %増)となりました。これは主に短期借入れによる収入が1,750,000千円、長期借入れによる収入が2,900,000千円、長期借入金の返済による支出が 1,103,205 千円生じたためです。
④生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。
ロ.受注実績
当社グループは受注生産を行っていないため、受注実績の記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) |
前年同期比(%) |
受託保育事業(千円) |
3,722,122 |
△4.1 |
公的保育事業(千円) |
19,244,571 |
15.6 |
合計(千円) |
22,966,693 |
11.8 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) |
当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
練馬区 |
2,601,679 |
12.7 |
2,486,498 |
10.8 |
横浜市 |
2,477,489 |
12.1 |
2,545,832 |
11.1 |
上記は公的保育事業における同市からの保育園運営費に関する補助金収入であり、売上高として計上しております。なお、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益、費用の金額に影響する見積り及び仮定が必要となる場合があります。これらは仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計額は 24,603,492 千円(前期比 6,162,906 千円増)、負債合計額は 16,447,283 千円(同 4,360,132 千円増)、純資産合計額は 8,156,208 千円(同 1,802,773 千円増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は 8,888,402 千円となり、前連結会計年度末に比べ 2,688,601 千円増加となりました。主に現金及び預金が前連結会計年度末比で1,568,309千円、受取手形及び売掛金が495,214千円、未収入金が646,946千円増加したためであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は 15,715,090 千円となり、前連結会計年度末に比べ 3,474,305 千円増加となりました。これは、主に公的保育事業における新規施設の設備投資のために有形固定資産が増加したためであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は 7,930,900 千円となり、前連結会計年度末に比べ 2,236,950 千円増加となりました。これは、主に短期借入金が1,750,000千円、1年内返済予定の長期借入金が530,203千円増加したためであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は 8,516,383 千円となり、前連結会計年度末に比べ 2,123,182 千円増加となりました。これは、主に長期借入金が1,266,592千円、長期リース債務が630,125千円、資産除去債務が163,034千円増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は 8,156,208 千円となり、前連結会計年度末に比べ 1,802,773 千円増加となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益が 1,809,351 千円生じたためであります。
b 経営成績の分析
(売上高)
認可保育園・学童クラブ等の公的保育施設の開設と、企業主導型保育所等の事業所内保育施設の運営受託の強化に注力いたしました。その結果、当連結会計年度における売上高は 22,966,693 千円(前年同期比 11.8 %増)となりました。
(売上総利益)
認可保育園・学童クラブ等の新規開設と、事業所内保育施設の適正な利益での受注に注力いたしました。その結果、当連結会計年度における売上総利益は 3,858,786 千円(同 6.2 %増)となりました。
(営業利益)
売上総利益は増加したものの、認可保育園の新規開設数が通期で22ヶ所とライクアカデミー設立以来最大数となったことで人件費や開設コストが増加いたしました。その結果、当連結会計年度における営業利益は 601,956 千円(同 27.5 %減)となりました。
(経常利益)
設備補助金収入等により、営業外収益が 2,048,630 千円となりました。また、支払利息等により営業外費用が 46,723 千円となりました。その結果、当連結会計年度における経常利益は 2,603,862 千円(同 5.3 %減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等の計上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は 1,809,351 千円(同 9.3 %減)となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備資金となります。これらにつきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。継続的な保育園の開設に伴う設備投資が重要となるため、これらの資金需要は内部資金または資金調達の実施により賄うことを基本としております。
なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動によるキャッシュ・フローの水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
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