有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの事業に関するリスク
① 特定事業への依存によるリスク
当社グループは地盤解析サービスを核として事業を展開しております。今後は新たな柱となる事業を育成し、収益力の分散を図ることも検討しておりますが、事業環境の激変、競争の激化、新規参入企業による類似するサービスの出現等により、地盤解析サービスが縮小し、その変化への対応が適切でない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合によるリスク
少子高齢化による国内の住宅市場における新設住宅着工戸数の減少により、地盤関連の市場規模の縮小が予想されます。その中で当社グループは、新たなサービスを提供し競合他社との差別化を行い、シェア拡大を図っておりますが、類似するサービスの出現等により、当社グループの提供するサービスの優位性が保てなくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報管理によるリスク
当社グループはサービス提供にあたり、顧客、施主等の個人に関連する情報を取得しております。これらの情報の取り扱いには、外部からの不正アクセスや内部からの情報漏洩を防ぐため、セキュリティ環境の強化、従業員に対する個人情報の取り扱いに対する教育等、十分な対策を行うと同時に、個人情報として管理すべき情報の範囲についても厳密な判断が必要であると考えております。しかし、今後何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 地盤解析サービスの瑕疵によるリスク
当社グループは、地盤調査データから、国土交通省令をはじめとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づき、地盤解析を実施し、適正な住宅基礎仕様を判定しております。しかしながら、確認した地盤調査データについて、現在の調査技術においても予見できない原因や過失による地盤解析ミス等により不同沈下等が多数発生した場合には、当社グループの信用失墜や保険料率高騰等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 損害保険会社との契約について
当社グループが地盤品質証明書を発行した住宅において、万が一、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、当該住宅の引渡日から10年間もしくは20年間、地盤修復工事費用及び住宅の損害等を当社グループが工務店等に対し賠償します。当社グループは損害賠償金の支払いに備え大手保険会社との間で損害保険契約を締結しております。しかし、将来においても同等の条件での保険加入が継続できるか、あるいは賠償請求を受けた場合に十分に地盤補修費用が補填されるかについては保証できません。
今後は事業の拡大に伴い契約社数を拡大する等、リスクの分散をしていきたいと考えておりますが、当社グループ及び損害保険会社を取り巻く環境の変化等により当該保険契約の継続が困難となった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 補償リスクの自家保有
当社グループは、地震を起因として発生した地盤変動による不同沈下等による地盤事故が発生した場合、引渡日より10年間、最大500万円の地盤修復工事費用等を補填する追加特約を付した地盤品質証明書を発行しており、これに関わる損害保険契約を元引受保険会社と締結しておりました。また、連結ベースで効率的にリスクを自家保有するため再保険会社である当社連結子会社のJibannet Reinsurance Inc.が元引受保険会社より出再を受け、さらに、当社連結子会社のJibannet Reinsurance Inc.のリスクを軽減するためにPeak Reinsurance Co.,Ltd.及びTaiping Reinsurance Co.,Ltd.に出再しておりました(以下、キャプティブスキームとする)。
しかしながら、追加特約に係る事故は過去一度も発生しておらず、また、保険料の高騰もあり、自家保有リスクと保険料等のコストを検討した結果、当連結会計年度においてキャプティブスキームに関連する保険契約は更新せず、期間満了で終了しております。
これに伴い、外部専門家から入手している地震リスク分析に基づく期待損失を損害補償引当金として計上しておりますが、地震リスクの変動があった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 債権の未回収リスク
当社グループの売上債権の総資産に占める割合は当連結会計年度末で16.9%となっております。取引先の資金繰り状況等により売掛債権の延滞が発生し貸倒引当金の積み増しを行うこととなった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 不動産市況等の影響について
当社グループの事業は、個人の所有する不動産に関連する事業であることから、不動産市況、住宅関連税制、住宅ローン金利水準等による購買者の需要動向並びに建築資材等の原材料の価格動向等に影響を受けております。
⑨ 新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化した場合には、企業収益の低下による雇用環境の悪化などから、消費者マインドに下押しの圧力がかかることが予想されます。その場合、新設住宅着工戸数の減少による地盤関連市場規模の縮小および新築・リフォーム受注件数の減少等のリスクが発生し、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業環境等に関するリスク
① 事業環境に関するリスク
当社グループが提供するサービスは、地盤業界(広くは住宅業界)に属しておりますが、我が国の人口・世帯数は減少局面に入っており、今後も新設住宅着工戸数は緩やかに減少していくものと考えられます。そのため、国内の新設住宅着工戸数の減少による競争激化や地盤関連市場の縮小は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 地盤解析業務に係わる法的規制
地盤解析業務というサービスは法的に規定されたものではなく、将来、何かしらの理由により、地盤解析業務というサービス自体に法的な規制が設けられた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 戸建住宅等の地盤解析基準(地耐力に応じた基礎仕様)が明確なものとなった場合のリスク
当社グループの地盤解析基準は、国土交通省令を始めとする関係法令並びに日本建築学会等の各種団体が示す指針及び住宅瑕疵担保責任保険法人による設計施工基準に基づいておりますが、将来、何かしらの理由により、戸建住宅等の地盤解析基準が明確なものとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保履行法)に関するリスク
当社グループは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」及び「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に基づいて、地盤解析サービスを行っておりますが、将来、何かしらの理由により、法律の条文や解釈の変更があり、当社グループの地盤品質証明の意義が薄れた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 住宅関連サービスに係わる法的規制
住宅関連サービスは、特定建設業者として建設業法第3条第1項に基づく東京都知事の許可(許可番号 東京都知事許可(特-30)第149067号)を受け建築工事業、屋根工事業、大工工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、内装仕上工事業、鋼構築物工事業を行うと共に、建築士法第23条第1項に基づく東京都知事の登録(地盤ネット株式会社一級建築士事務所 登録番号 東京都知事登録 第62658号)を受けて一級建築士事務所の運営をしております。また、宅地建物取引業法に基づく国土交通省からの宅地建物取引業免許(東京都知事(1)第102861号)を受けております。
⑥ 許認可等の期限について
a.特定建設業許可の有効期限は、2018年7月20日から2023年7月19日までとなっております。
b.一級建築士事務所登録の有効期限は、2018年9月1日から2023年8月31日までとなっております。
c.宅地建物取引業免許の有効期限は、2018年12月22日から2023年12月21日までとなっております。
⑦ 許認可等の取消事由について
a.特定建設業許可の取消事由は、建設業法第29条に定められております。
b.一級建築士事務所登録の取消事由は、建築士法第26条に定められております。
c.宅地建物取引業免許の取消事由は、宅地建物取引業法第66条に定められております。
⑧ 許認可等に係る事業活動への影響について
住宅関連サービスの事業継続には前述のとおり、特定建設業許可・一級建築士事務所登録・宅地建物取引業免許が必要でありますが、現時点において、当社グループはこれらの許認可等の取消又は更新欠落の事由に該当する事実はないものと認識しております。しかしながら、将来、何かしらの理由により許認可等の取消等があった場合には、住宅関連サービスの事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を与える可能性があります。
(3) 組織体制に関するリスク
少人数での組織運営上のリスク
当社グループは、少人数の組織体制を志向しております。事業の拡大と合わせ、今後、積極的に優秀な人材、特に経験豊富な営業人材及び地盤解析能力の高い人材を確保していき、組織体制をより安定させることに努めてまいりますが、計画通りに人材の確保が出来ない場合や、事業の中核をなす従業員に不測の事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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