課題

1【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは経営理念を、「顧客第一主義を基本に、いつまでも信頼される日本有数のホテルチェーンを目指し、魅力ある商品と心のこもったサービスを通じて、顧客の安全はもとより、感動と歓びを提供し続けることにより、グローバル社会に対応できる企業として地域社会の発展と国際親善に貢献する」としております。

この経営理念の下、「 私たちは、地域や関わる人々とのつながりを大切にしながら、料理へのこだわりと親しみのあるあたたかいサービスによって心地よいホテルライフを提供し、社会に必要とされるホテルグループを目指します。」とするグループのミッションを掲げ、「ホスピタリティ:あたたかいおもてなし」、「地域密着:地域を愛し、地域に愛されるホテル」、「ビュー:景色・ロケーション」、「進化と変化:マーケットや社会への対応」をコンセプトとして事業活動に取り組んでおります。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、2018年4月期を初年度とする4ヶ年の中期経営計画「VIEW HOTELS Mission - Sustainable Growth -」を策定し、長期持続的な成長に向けた基本的な経営戦略を定めております。当社グループの事業展開におけるバックボーンとして、「形式にとらわれず温かみの親しみのあるサービス」、「立地条件や市場に即した営業戦略により利益創出」、「多様な販売チャネルを駆使した多様な顧客層からに集客力」、「"食のVIEW"、"味のVIEW"へのこだわり」、の4つと捉え、これらの強み、特徴を生かしながら以下の戦略に取り組んでまいります。

 

①長期的な経営の視点に立った設備投資

安心・安全への取組みの強化。資産価値の維持・向上、収益性・投資効率の向上、の3つをポイントとして、設備投資を行ってまいります。エンジニアリングレポート(ER)に基づく防火、防災、防犯、衛生設備の更新、充実や戦略的な施設の改装を行うとともに、将来的な成長性に鑑みた施設の編成に取組んでまいります。

 

②新規ホテルの展開

都市型観光ホテルを基本コンセプトとして、観光資源に恵まれたエリアや観光・ビジネスの拠点となるエリアにおいて新規ホテルの展開を進めてまいります。出店形態は、賃借による直営方式を基本にしながら、アッパーミドル層をターゲットとしたホテルを展開してまいります。

なお、最近における新規事業案件としては、2017年5月3日に札幌ビューホテル大通公園を、2018年5月22日に大阪市に大阪ビューホテル本町を開業し、2020年春には浅草ビューホテル別邸(仮称)を開業する事になっております。

 

③ビューホテルらしさによるブランド価値の向上

当社グループが顧客に提供する人的サービス等は、無形価値として、強固なホテルグループの構築には必須とされるものであります。「ビューホテルらしさ」を追求していく事で、企業理念の浸透とともに商品とサービスの品質向上を図り、顧客満足を高めてまいります。ホテルのブランド価値、企業グループのブランド価値の向上により、企業価値の更なる拡大を目指してまいります。

 

施設運営事業および遊園地事業について

施設運営事業においては、既存事業所の業績拡大をめざし、販売力の強化を図ってまいります。

那須りんどう湖 LAKE VIEWでは、抜本的な利益体質への転換を目的とした施策を継続して実行するとともに、近隣エリアへの宣伝告知を強化し、収益力の向上を図ってまいります。

 

⑤財務の健全性について

当社グループは、中期経営計画において、今後の長期持続的な成長を実現させるために積極的な設備投資を計画しておりますが、この計画策定にあたっては、財務基盤の健全性の維持を前提としております。当連結会計年度末日時点において、当社グループのネット有利子負債(*)は10,528百万円となっており、今後においても、健全な財務基盤を維持していく方針であります。

(*)ネット有利子負債=有利子負債(割賦未払金、リース債務含む)-現金及び預金

(*)有利子負債には札幌ビューホテル大通公園の賃貸借契約に係るリース債務4,775百万円を含みます。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、 中期経営計画「VIEW HOTELS Mission - Sustainable Growth -」におきまして、2021年4月期での経営指標(連結)の目標を以下のとおり定めております。

 

売上高

250億円

営業利益

17億円

経常利益

16億円

EBITDA ※

37億円

ROE

7.3%

直営ホテル・旅館

13施設

※  EBITDA:減価償却前営業利益=営業利益+減価償却費

 

新規ホテルの展開により収益の柱を増やし、長期持続的な成長サイクルの構築を図っていく方針です。

 

(4)経営環境

当社グループの事業を取り巻く環境は、国民のレジャー・余暇生活への重点意識が高い水準で推移する中、観光立国政策による訪日外国人旅行者数が大きな伸びを続けており、ホテル業界、観光業界における市場の拡大が期待されております。

一方、国内人口の減少、少子高齢化、人口の都市部への集中といった流れが加速しており、マーケットの縮小や労働力不足などといった日本経済の将来の不安要素となっております。また、主要都市を中心とする新規ホテル開業による競争激化や民泊の広がり、消費行動の変化・多様化などがあり、このような経営環境の変化への対応が重要であると認識しております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、「顧客第一主義を基本に、いつまでも信頼される日本有数のホテルチェーンを目指し、魅力ある商品と心のこもったサービスを通じて、顧客の安全はもとより、感動と歓びを提供し続けることにより、グローバル社会に対応できる企業として地域社会の発展と国際親善に貢献する」という経営理念の下に事業活動を行っております。この理念の実現に向けて、2018年4月期を初年度とする4ヶ年の中期経営計画「VIEW HOTELS Mission - Sustainable Growth -」を策定し、長期持続的な成長に向けた基本的な経営戦略を定めております。この戦略の実行にあたって、下記の事項を対処すべき課題として認識し、経営に取り組んでまいります。

 

① 事業基盤の拡大

当社グループは、事業基盤と収益力の拡充による中長期的な企業価値の向上のため、施設の新設や既存施設のリニューアルを中心とした戦略投資を実施しております。

これまで、旗艦ホテルである浅草ビューホテルを中心に、客室、レストラン、宴会場等の改装を実施してまいりましたが、今後も既存ホテルの改装等の戦略的な設備投資を行ってまいります。

また、長期持続的な成長の基盤となる新規ホテルの展開を着実に進めていくため、事業開発室を主管部署として、観光資源に恵まれたエリアや観光・ビジネスの拠点となるエリアにおいて新たな事業拠点を開発していくことで、収益力の強化に取り組んでまいります。

 

安全・安心確保のための取り組み

当社グループは、顧客の安全・安心の確保が最重要事項であると考えており、施設の安全性向上を目的とした設備投資、防災防犯体制の強化、より安全な食の提供等に取り組んでおります。

施設の安全性の向上につきましては、継続的に補強や改修への投資を実施してまいりましたが、これまで発生した大規模な自然災害からの教訓や当社グループの施設内での事故からの反省等を踏まえ、今後も当社グループの各施設における検証を重ね、より高い安全性の確保に取り組んでまいります。

また、当社グループの事業においては、顧客への飲食の提供が主要なサービスの1つであり、特に食品の衛生品質管理と正確な情報の提供が重要であると考えております。社員への啓蒙や外部の専門業者による講習会の実施、定期的な検査などにより衛生管理体制の強化に努める他、表示の正確性確保のため、社内のチェック体制および社員教育等の強化を行っており、今後もこれらを継続していくことで、顧客に安全・安心を提供する体制の強化を進めてまいります。

③ 人材の育成

日本国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少は、労働集約型産業であるホテル業の人材確保を困難にするとともに、賃金の上昇による人件費の増加に繋がる可能性があります。このような社会情勢において当社グループが成長していくためには、非正規雇用社員も含めた社員教育の充実が不可欠であります。現在本社総務部を主管部署として、階層別、部門別の体系的な社員教育、人材育成のプログラムを策定しスタートさせております。今後このプログラムを更に充実させ、社員一人一人の能力向上に取り組んでまいります。

また、新入社員研修期間におけるジョブローテーションを継続していくことにより社員の多様な能力を引き出すとともに、非正規雇用社員の活用も含め適材適所かつ効率的な人員配置を実施し、企業グループ全体で労働生産性を高めてまいります。

なお、当社は働き方改革の一環として、人事制度を2019年5月に刷新いたしましたが、従業員がより働きやすい環境の整備に、今後も務めてまいります。

 

④ 集客力と収益力の強化

当社グループが経営するホテルや遊園地は其々長年にわたる経営の継続により顧客からの支持や取引先からの信頼を確立してまいりました。一方、経済情勢の変化、競合施設の新規出店、顧客層とそのライフスタイルの変化などに鑑み、今後は新たな戦略が必要であると認識しており、以下の営業部門別の基本戦略を定め、取り組んでいくことで、集客力と収益力の強化を図ってまいります。

ⅰ)宿泊部門

・レベニューマネジメント(需要動向予測に基づく料金プラン設定)による収益の最大化

・改装やメンテナンスによる快適な客室環境の整備と江戸下町情緒などを織り込んだ魅力ある商品企画

ⅱ)婚礼部門

・ウェディング商品の継続的な発表とコンセプトの浸透による集客力の強化

・教育研修によるブライダルプランナーの接遇力と成約率のレベルアップ

ⅲ)一般宴会部門

・教育研修による営業担当者の接遇力と成約率のレベルアップ

・顧客リストの活用と新規法人顧客の開拓のための営業体制の強化

ⅳ)レストラン部門

・世代や国籍など多様な顧客に楽しんでいただける料理と空間の創出

・インターネットやポイントカードシステムを活用した積極的且つ効果的な情報発信による集客の強化

ⅴ)遊園地事業

・魅力あるアトラクションの設置や多彩なイベントを開催することによる集客拡大

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