文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業来の歯車製造機械づくりで築いてきた精密加工技術を活かし、高精度の加工機械を電子・電機関連業界を中心としたお客様へ、ニーズに即応して提供していくことを基本方針としております。
具体的には、
① ゆるぎない品質の精密機械で産業の発展に貢献する。
② すべての事業活動において、環境保全に積極的に取り組む。
③ 法令の遵守を徹底するとともに、ステークホルダーのより高い満足を得ていく。
の3点を掲げ、中長期的な発展・成長を実現するとともに、社会環境や安全性に十分配慮し、より一層の企業価値向上を目指してまいります。
(2) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「製品の品質重視」と「収益基盤の強化」を重要な経営目標としております。
「製品の品質重視」は、品質が当社製品の価値を高め収益力を強化する要であることから、全社一丸となり品質向上に努めております。その具体的な取組としては、製品の出荷前品質チェックの厳格な励行はもちろんのこと、生産工程毎に作成したチェックリストの活用により、品質管理の徹底をはかっております。
また、「収益基盤の強化」については、業績・収益状況に対応した配当を実現しつつ、自己資本を中心にその厚みを増して、企業体力の充実を早期にはかっていくことに注力しております。
そこで、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための指標を「自己資本比率」とし、「自己資本比率」を40%以上とすることを目指し、収益の積み上げを従来以上に加速して取り組んでまいります。
なお、「自己資本比率」は、2021年3月期では24.8%でしたが、2022年3月期には27.8%と着実に積み上げがはかられております。
(3) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大懸念や東西諸国間の政情不安などにより、中国経済の成長鈍化や資源・エネルギー価格の高騰など、景気の見通しには慎重にならざるを得ない状況です。また、これらに起因して国内経済の先行きも依然として不透明な状況が続いております。
このような経営環境下において、当社グループといたしましては、主力製品のラップ盤については、半導体シリコンウエーハやパワー半導体ウエーハ、及び光学関連部品加工用、自動車部品加工用をはじめとする金属部品加工用ファイングラインディングマシンの拡販に注力してまいります。
また、ホブ盤につきましても、釣具関連部品、電動工具用歯車加工向、各種減速機用歯車、及び電気自動車向を含む自動車部品加工用等の販売を強化してまいります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの中長期的に取り組むべき課題は、以下のとおりであります。
① グローバル化の進展に合わせ、既存の中国拠点の強化に加え、その他のアジア市場や北米市場に確固たる販売網・サービス体制を築くとともに、新規顧客の開拓に邁進してまいります。
② 当社の強みである精密歯車加工機の製造技術や研磨機の加工ノウハウを活かした多様な新製品・サービスにより、お客様のニーズに合った製品やサービスを常にご提供し、ご満足いただける企業を目指してまいります。
③ 海外営業部門の人材強化、ならびに技術部門においては、協力企業との連携も視野に技術力の強化をはかり、同時に、技術・ノウハウの若手社員への伝承も継続して実施してまいります。
④ 適正な製品売価への見直し、及び原価低減の諸施策を常に実施し、生産性の向上による安定した収益の確保を目指してまいります。
⑤ 環境への負荷をかけない企業活動を意識して実践し、環境保全にプラスとなる成果の実現を通じて企業価値の向上を目指します。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが優先的に対処すべき課題は、以下のとおりであります。
現在、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響で渡航が困難な状況が続いておりますが、インド、台湾、ベトナム等のアジア市場、及び北米市場等の新しいマーケットにおいて、テクニカルサービス体制の構築を含む有力代理店網の組成に鋭意取組中であります。
新型ホブ盤、モジュール型ホブ盤、自動装置付金属部品加工用ファイングラインディングマシン等の新製品を電気自動車部品、ロボット関連部品、減速機向歯車等の加工用として引き続き、積極的な販売展開をはかってまいります。
各部門への人材拡充は、継続して実施しております。併せて技術・技能(含むノウハウ)の伝承、若手人材の育成についても継続して、積極的に取り組んでまいります。
適正な製品売価への見直しを適宜適切に実施しており、また、原価低減諸施策につきましても、「工場体質改善プロジェクト」の一環として常時取り組んでおり、一定の成果が上がってきております。今後は、現在取組中の上記活動をより強力に推進し、一層の生産性向上に取り組み、安定した収益を確保できるように注力してまいります。
環境ISOの活動を展開中でありますが、CSR活動にもつなげて拡大することによって、企業価値の向上を実現してまいります。また、SDGsやESGについても課題の設定、取組の強化に努めてまいります。
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