研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループは、世界市場におけるシェア拡大を目指し、国際競争力のある製品を開発すべく、基礎研究から応用研究に至るまで積極的な研究開発活動を行っています。また、SDGs達成につながる社会課題解決への貢献を目的として「環境に優しい製品開発」を掲げ、エコプロダクツ評価基準を設定し、新製品開発時に達成すべき指標としています。研究開発活動は当社のデザインセンターを中心に行っており、長期的な基礎研究については、大学、国公立の研究機関との共同研究も行っています。

デザインセンターは、タップ、エンドミル、ドリル、転造工具及びゲージ等の製品開発や改良をはじめ、高速度鋼及びダイス鋼材料の開発改良技術及び熱処理技術の研究開発を行っています。また、当部門は切削試験専用の各種最新工作機械及び開発設備を有し、多様な使用条件下での切削試験による製品開発への迅速なフィードバックと、工具性能を最大限に生かす加工技術の開発を行っています。また、当施設内のD-Labにて、最先端の工具製造開発及びスマートファクトリーのパイロットライン開発に取り組んでいます。

一部の研究開発は、デザインセンターと連結子会社が連携して進めており、PVDコーティング、CVDダイヤモンドコーティング及び窒化処理等の表面改質技術はオーエスジーコーティングサービス㈱と、超硬合金材料は日本ハードメタル㈱との共同研究開発体制を採っています。

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,374百万円であります。

当社グループは、精密機械工具の生産・販売体制を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、研究開発活動は主に当社を中心とした日本セグメントで行っております。当該セグメントにおける主な製品別の研究開発の成果は、次のとおりであります。

 

① 穴あけ加工工具(ねじ切り工具・ドリル)

穴あけ加工工具の主力製品であるタップとドリルは、金属切削加工の汎用的な工具として多様なユーザー業界において使用されるため、高能率加工と安定性の向上を基本とした製品開発に取り組んでいます。

当期においては、Aブランドスレッドミルの拡充として、非鉄金属の超高能率ねじ加工を実現する非鉄用底刃付き高能率スレッドミル「AT-2 R-SPEC」を開発・製品化いたしました。本製品はその技術力が認められ、令和3年度日本機械工具工業会賞において技術功績賞を受賞いたしました。

 

② ミーリングカッター

金型、航空機、重電機を主要なユーザーとして生産性の向上及び難削材加工の高能率化を重点課題とする開発に取り組んでいます。

当期においては、日刊工業新聞社主催の「2021年“超”モノづくり部品大賞 機械・ロボット部品賞」を受賞した非鉄用DLCエンドミル「AE-VTS・AE-TS-N・AE-TL-N」のアイテム拡充を行い、同Aブランドエンドミル非鉄用シリーズに銅電極用DLC超硬エンドミル「AE-LNBD-N」を新規に追加し、部品加工用工具だけでなく金型加工用工具のラインナップ拡充を行いました。

 

③ 転造工具

転造工具は全てが受注生産であり、多様なユーザーニーズに基づく迅速な製品開発と改良に対応する研究開発を行っています。

注力市場である北中米において、連結子会社となったOSG EX-CELL-O GmbH製CNCスプラインラックダイス用転造盤を活用し、ラック形転造ダイスの受注拡大へと繋げました。

 

④ 表面改質

PVDコーティング、CVDダイヤモンドコーティング及び窒化処理等の表面改質技術の基礎研究と応用開発を主に行っています。

 当期においては、スパイラルタップにおける完全山の欠け防止に効果を発揮する特殊表面処理(NZ処理)の量産化を行い、NZ処理を施した一般用高耐久型スパイラルタップ「EXZ-SFT」を製品化いたしました。

 

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